#11 夕丘と恋
「…あの、あたし、ずっと前から夕丘さんの事好きで…その、夕丘さんが女の子だってわかってても、我慢できなくて、よ、よければ付き合って下さい!」
…これで何回目だろうか。女子からでも男子からでも、もう告白には慣れてしまった。
「悪いけど、今恋人を作る気は無いの。だからごめんなさい。」
…そう、深く考える必要はない。どうせ断るのだから。
「夕丘さんって、女だけどすっごいイケメンだよねー!」
「あの人が男だったらなー。絶対付き合うのにー…」
「あーそれめっちゃわかるー…」
外野はそういうけれど、恋だの愛だの、そういうものには興味が無い。
勿論、男と付き合った事はある。
その男は他校の男子で、何処にも隙の無い完璧な男子だった。しかし、予想とは違い、彼はかなり硬派な人間だった。
私はそこに惚れ込んだ。
だが付き合ってから数週間後、彼は姿を消してしまった。
彼の事が今でも気になる訳では無いけれど、それ以来、誰かと付き合う気は一切無くなった。
「夕丘さんと佐藤先輩って、いつ見ても夕丘さんの方が先輩に見えるんだよねー。」
翌日、例の女が話しかけてきた。
「よ、よく言われるけど…」
「やっぱり中2で生徒会長って凄いよねー」
「褒めたって無駄よ。付き合わないからね?」
「はいはーい。」
「久しぶりだな。ソラ。まさか帰ってくるとは思わなかったよ。」
「別のクラスだったから、復学してきたなんて気づいてないでしょ。ねぇカイリ、そんなにあの人の事が気になるの?」
その時、彼女が新たなる復活した幹部だという事に、夕丘は気づいていなかった…
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