#5 サイコロの正体と殺人うどん

 数日後。6人はそれぞれのサイコロをもって、リトとナツの家に集まっていた。


まず最初に、ナツが口を開いた。



「守り抜け…って言ってたよね…?」



「一体、どういう事なんでしょうか…?」



「そのまんまの意味だろ。俺達が守れそうだったから適当に渡したんだろ。」


リトがフライパンと鍋をかき回しながら答えた。



「まずみんなが持ってるサイコロから確認してみましょう。話はそれからよ。私は緑だったわ。」



「いや待て俺さらっとスルーされたんだけど…」


佐藤が話を始めた。皆もそれに続いてそれぞれサイコロの色を言った。




リトは黒。


ナツは黄色。


夕丘は赤。


タケヒコは青。


サキコは水色。


そして佐藤が緑。


その時、サキコがある事に気づいた。



「ねえ、このサイコロ…なんか数字じゃない物が描いてあるよ…?」



サイコロには、何やら武器のような物が描いてあった。



「うわっ、スゲー!!とりあえずふってみようぜ」



タケヒコは自分のサイコロをふった。



すると、タケヒコの手に水でできた剣が出てきた。



「????」



皆がびっくりしていると、どこからかあの老婆の声が聞こえてきた。



「よくふってくれた。お前達に頼みがある。その力でこの町に出没した悪魔を倒して欲しい。この町には悪魔となってしまった細菌やウイルスがいるのだ。奴らは人に感染するとさらなる悪魔を生み出してしまう。それを止めて欲しいのだ。」




その時、タケヒコが口を挟んだ。



「あのさ、そりゃいいんだけど昼飯できたぜ…」



「今日は坦々うどんだ。全く。これだけ人がいて料理できるのが男だけとはな…」



リトが呆れ口調で言った。



「あ…いただきまーす…」



皆それぞれ食べ始めたが食べた途端、全員が吹き出した。


佐藤が怒って言った。



「何よこれ、辛すぎよ!これじゃまるで殺人うどんじゃないの!?」



リトとタケヒコは、はっとして気付いた。



「あ、玉子入れるの忘れてた…」


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