#4 老婆と6つのサイコロ
「若いの、名は何と言う?」
老婆は何故かそう言った。
だが、答えられる訳がない。
6人はそのまま立ち尽くしていた。
やがて、老婆は6つのサイコロを投げて寄越した。
「このサイコロ6つ、お前達に渡そう。私達が大切に預かっていたものだ。」
老婆は続けた。
「いいか、このサイコロを守り抜けよ。生きている限り守り抜けよ。」
全くもって意味がわからなかった。
やがて、リトが口を開いた。
「おい、どういう事だよ!?一体何でこんな物守らなきゃいけないんだよ!?」
老婆は薄く笑った。
「知るものか。私達も昔受け取ったんだ。その人間も何も知らなかった。このサイコロが何なのか、持ち主が誰なのか、誰にだって分かりはしない事だ…。若いの、もう一度言う。このサイコロを守り抜けよ…」
老婆はそう言って消えて行った。
6人は怖くなって、その場から動けなかった。
しかし、全員が気づいた。
それぞれの手には、しっかり、別々の色のサイコロが握られていたのだった…
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