#3   歓声と強気な二人組

 校舎に入った二人は、たちまち歓声に包まれた。



「あのう、これって…どういう事なんでしょうか?」




ナツが聞こうとしたが、聞くまでもなくぞろぞろと人が詰めよって来る。



「そのまんまの意味ですよ。だから、お二人を見た時すぐにわかったんです。なんだかんだいって、たっちゃんも学校ではイケメンとして有名ですから…」



人混みをかきわけながらサキコが答えた。





その時、人混みの中に怒声が響いた。



「ちょっと!!あんた達、何やってんのよ!!先輩達が困ってるじゃないの!?」



「いい加減にしなさいよ!!邪魔だっていつも言ってるでしょう!?」




「あ、生徒会…」




すると、一気に人数が少なくなった。



「ありがとー。ミユキちゃん。また助けてもらっちゃって…」



「別に構いませんけど…あら」



彼女達は自己紹介した。名前は夕丘ミユキ。なんと中2で生徒会長らしい。



そしてもう一人は佐藤ハルカ。中3で生徒会書記。




気の強そうな二人だなぁ…とナツは思った。






その時_



辺りが突然暗くなって、どこからともなく声が聞こえた。



「待っていた。」



すると、一人の老婆が姿を現した。



「若いの、名はなんという?」




心臓が凍りそうな冷たい声だった。







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