20:30

昨日まであった温かい君はどこ?


些細なことだった。

私はどうしても不安でたまらなかった。


「私たち別れた方がいいのかな」


ポツリと降り始めた雨のように呟いてしまった。


「そんなこといわないで。別れたくない」


そういってほしかった。

言われるとどこかで小さく期待していた。


自分から切り出した別れ話

返ってきたのは

「少し距離をおこうか。俺も苦しい」


数日後毎日見ていたやさしい君の顔はもうなかった。

誰かと思ってしまうほど冷たい目をした君。


「最後に手を繋がしてほしい」

「最後に抱きついてもいい?」

「最後に私は君と別れたくないよ」


それはもう話し合いではない。

答えはひとつしかない。

何を言ってもごめんねしか言わない。


自ら離した幸せは今もまだ私を動けなくする。


幸せになると強く言えるほど私はそんなに強くない。

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