渡来経路の怪
たまたま
とあるウェブページに「奈良時代に中国から朝鮮をへて渡来したと推定されています」と書かれているのですが、これは奇妙です。
何が奇妙かと言うと、朝鮮半島経由の部分です。
この時代に持ち込まれたとするなら、遣唐使によるものと思われます。ところがこの遣唐使、奈良時代には九州西岸から直接中国大陸へと渡航したと推定されています。
朝鮮半島は輸送経路にも入っていないのです。
渡航に朝鮮半島を経由しなかったのは何故でしょう。
航海技術が進歩したから?
とんでもない。十数回の遣唐使で留学者を除く全員が無事に往復できたのは1回限りと言います。とても危険な航海だったのです。
可能であればそんな危険な航海ではなく、より安全だと思われる朝鮮半島沿岸を航海したかったのではないでしょうか。
当時の統一新羅が大和朝廷と緊張状態にあったのか、はたまた朝鮮半島沿岸が海賊の跋扈する無法地帯であったのかは判りませんが、朝鮮半島は通れなかったか、より危険だったと思われます。自然にそうなるとは考えられませんので、人為的なものでしょう。
道を通れば必ず山賊の襲われて殺される、山越えすれば滑落の危険がある、となった場合、きっと誰もが山越えを選択するのではないでしょうか。
朝鮮半島が日本から近いせいか、朝鮮半島経由で渡来したと言われるものは多いのですが、多くは疑ってかかるべき事案です。
古代妄想 西居ちき @akasatana
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