民話がベースのお話なのでしょうか?それとも、完全な創作なのでしょうか?書き手によって、物語の雰囲気は様々に表現が出来ます。このお話からは、子供の頃に親しんだ昔話の空気感が伝わってきました。現代の若い人が、どのように感じているのかは分かりませんが、昔話が持つ落ち着いたリズムは子守歌のようです。それでいて、昔話の内容は結構、悲惨だったりします。この物語も、そんな昔話の空気感なのですが、ミステリー仕立てになっています。古くて、新しい……。
時代物ですが、文章が柔らかいので、最後まで疲れずに読むことが出来ました。主人公よもぎちゃんの真っ直ぐな性質には好感が持てますし、そこかしこで語られる大蛇の伝説が、好奇心をチクチク刺激します。犯人がしっかりと天罰を受けるところも良い!妖しくも温かく、後味がスッキリ爽やかな作品でした。