ヒロインに共感してしまうのは、彼女の頑張りが、性別や時代を超えたところにある大切なものだから。誰でも本当は自信がない。だけど前を向いて、誰かのために頑張る。それが自分の存在証明だし、自分を支えるプライドになる。そのことを、本作は教えてくれます。転んで、落ち込んで、泣いちゃったりもするけれど、それでも前を向いて歩き出すヒロインのエミリア。彼女に出会って、勇気と元気をもらってください!
主人公エミリアの健気さ、先輩ルイスの圧倒的な格好良さもさることながら。この作品の最大の魅力は、現実感ある事物を巧みにファンタジーの世界に落とし込んでいるところだと思います。そのため完全に見知らぬ世界の話としてではなく、そこに行ったことがあるかのような感覚で物語が頭に入ってきます。加えてエミリアのルイスに対する恋心については、格好良くてスペックの高い男性に恋した経験のある方なら共感しきりだと思います。これからも楽しく読ませて頂きたいと思います。