第49話 お伽草子

 貧しくも心優しき夫婦利して

 まぶしく明滅するその光ごと

 語り継ぐべき大いなる物語を書く巣

 聞けいにしえの教えにならい刀研ぎそうだ


 けれど時代はくだりバット50振りして

 父は誓う。受け渡すのだ、しっかり子と

 妻と友に。バットにふさわしき棹か楠

 技芸におぼれる男、その名も都議左右田


 昼はEC、ポータル、ブログ、スマホでアプリして

 夜は3つ星レストランでついエスカリゴと

 言い間違え誤魔化すため、まくおがくず

 奇計案ずる手つき今にも米とぎそうだ


 現れたるは能楽なんか知らんふりシテ

 ワキに並べる、ベル、まさかり、琴、

 まじないの力で目に見えぬ錬金術師を捕獲す

 義兄よ、これは架空の地に生い茂るお伽草だ


 関係ない話をしてるフリして

 これは他人をあざむくはかりごと

 言葉遊びにまぎれて身を隠す

 偽計ばかりか、これぞホントの偽計と偽装だ


(「偽計と偽装」ordered by はかせ-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

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