18 女難の相、そして平常運転へ…

さて、ようやく街に帰ってきたのだが、取り敢えずは先にはエルの着替えからだな。


「エルちゃん、服も着替えないとダメだろ?先に一度、君の家に行こうか?」


俺は然り気無くでは無いが、このまま連れ回す分けにも行かない為にも話を振る。

エルも分かっているのか真っ赤な顔をしながら頷くとトコトコと俺の前を歩き出す。

暫く歩くと見慣れた道を歩いているのに気付く、このまま行けばゴルドンの店の方だな…っと考えながら歩いているとゴルドンの店の前まで来る。

そして、お約束かと思う位のタイミングでいる二人に出会ってしまう。


「あっ! イズルはんや!こないな所で会うなんて、ウチらはやっぱり運命に導かれてるんや!」


ルルよ…確かにこの街は広いがゴルドンの店位なら君達が来ても可笑しくないだろ?君、ゴルドンの武器を欲しがっていたもんね…。


俺がルルの言葉に反応して思い更けていると、ルルの隣にいたルナが俺の足元を見ている…いや、正確には俺の足元にいるエルをだ…。

うん!また要らない誤解を生んでいる様な気がしてならない…。


「イズルさん…随分と早くにボク達から逃げる様に出て言ったのは…まさか…その子と…あ、逢い引きを…」


ルナよ…君は何故、何時もそう言う発想に至る…幾ら何でもエルは子供過ぎるだろ?


「あ、あの!は、ハーフ・ギャザリングのルナさんですよね!ボ、ボク…ルナさんのファン何です!」


んぅ?エルも微妙な反応を示しているぞ?

ファン?あぁ、だからボクっ娘口調何だ…好きだから真似している感じなんだな、納得。

そして、無罪の浮気を疑われていた俺を余所に驚きのあまり固まるルナと横でクスクスと笑うルル、面向かって言われ慣れて無いのだろうなと直ぐに分かる。


「あ、えぇっと…その、あ、ありがとうね…」


ルナよ、やっと出た答えがそれでは可哀想なのでは?っと思ったがエルは嬉しそうだ。


「お兄ちゃん、ルナさんとお知り合いだったの?凄い!凄い!」


エルの子供らしい喜び方に思わず苦笑いをして返す俺とぎこちないルナ、さっきまで笑っていたが、余りにルナばかり言われている為に少しすね初めているルルと三者三様だ。


「ルナっちは獣人に人気があるッスからね…まぁ、仕方が無いんすけど…ちょっと複雑や…」


やっぱり拗ねてます、後から宥めてやらないとトバっちりが来るのは目に見えて分かる。


「…っと、所で…イズルさんは、どうしてその子と一緒にこんな所に?」


何とか気をと戻したルナが今の現状を何とかしようと俺に話を振ってきた。

まぁ、隠す理由も無いから軽く説明をする。

街を出て直ぐの所で薬草の最中にエルの悲鳴を聞いた事。

街から其ほど離れていない場所にホーン・ウルフがいた事。

エルに街の案内を頼んだ事。

エルの服が汚れているから、先に着替えに家に行くところだった事。

そして今の状態である事をだ。


「街の直ぐ側でホーン・ウルフが…今まで聞いたことが無いよ?ホーン・ウルフは単体ならCクラス…D級の冒険者でも4~5人のパーティーなら倒せるレベルだけど、街の直ぐ側だと新人さんやソロの人が多いからな被害が出るかも?」


流石はB級だな、直ぐに状況を把握して対策を考え始めている。


「そうやな?ウチも何かしら嫌な予感がするんよ…ちょっとギルドに報告しておいた方が良いみたいやね?」


ルルも同意見の様だ、余所者の俺では分からないききかんを何かしら感じているのだろうか、それともB級としての長年の感か…どちらにしても頼もしい限りだ。


「さて、立ち話も何だし、俺はエルを家まで連れて行かないとダメだけど、二人はゴルドンに用があるのか?っと言っても徹夜したみたいだから今日は厳しいかも知れないぞ?」


俺はエルを連れていく事を話ながら二人がゴルドンの武器を見に来たのだろうと察して話す。

朝の時点で寝てしまった今、昼過ぎとは言え、流石にまだ寝てるだろうと思っていると店のドアが開いた。


「おや?イズルの旦那じゃないですか?まだ居られたんで?」


眠そうな顔をしたゴルドンが俺を見ながら店を開けていく。

店の中からは俺が終い込んだ武器を出していく。

屑鉄から作った叩き売りの剣や盾に加えて、俺の渡した鉱石で作った剣も並んでいく。

今日からは真面目に鍛冶屋兼武器屋を始めるんだ。


「うわ!イズルはんの言う通り、ホンマに売ってはるわ!何これ…安い!…けど…斧が無いんね…」


あぁ、うん…流石にまだ斧までは作って無いだろうな…昨日の今日だもんな…俺が残念そうに剣を見ているルルを見ていると…


「お嬢ちゃん、あんたイズルの旦那の知り合いかい?」


ゴルドンが何かを察してルルに話し掛ける。


「え?ウチ…ウチは…その…ねぇ?イズルはん…ウチ…」


珍しく言い淀むルル、普段は押し押しなのに、流石に初対面に近い相手からの問いには困る様で俺の方をチラチラと見ながら困っている。


「あぁ、ゴルドン…この二人は一応、俺の嫁候補だ…言っておくが嫁じゃなく、候補だと言うのを間違えるなよ?」


ルルが問いに困っているのと同時にルナも横目で此方を見ていたのには気付いていた。

勿論、今更ここで否定したり誤魔化したりする気もないが、ギリギリの解釈をする様に言う。


「イズルはん…ウチ…ウチの事…ウチ、イズルはん好きやわ…」


一応とは言え、俺の口から嫁候補と聞いただけでもルルの目と表情がおかしい…こら!しなだれて来るな!顔をしながら近づけるな~!


「ルルだけズルい!ボクだってイズルさんの事が好きなんだから!」


こら!ルナ!首に絡み付くな!重い!苦しい!首が絞まる!


「うわ!お兄ちゃんってルナさんをお嫁さんにするんだ!凄い!」


後ろではエルが驚いている…そりゃまぁ、自分の憧れが少し気になる相手と結婚話が出てると知るだけでも驚くわな…。


「旦那…若いのにやるね?こりゃ、旦那の結婚祝いを考えておかないといかんな…」


ゴルドン!さっき念押したよな?候補!嫁候補だ!まだ嫁にもしていない!

誰か俺の話を聞け~!


イズル(神田川 出流)

ステータス


種族:人間

性別:男

職業:新米薬師(ポーション特化)

冒険者ランク:G

名前:イズル

年齢:19才

Lv.  15(177/3500)

HP  1230/1230(1845/1845)

MP  3400/3400 (5100/5100)

ATK 820(1230)

DEF 420(630)

AGI  1210 (1815)

DEX 825 (1238)

MIND 22243(33365)

LUK 1852(2778)


〈スキル〉

鑑定Lv.MAX(能力限定/鉱物及び植物)

異世界言語翻訳

アカシック・ライブラリー(鉱物及び植物のみ)

詠唱破棄


魔力付与Lv.1

魔法付与Lv.1

魔法効果短縮Lv.3

魔力消費軽減Lv4

並列思考Lv.3

スキャンLv.2

アイテム・ボックスLv.2


〈魔法〉

風魔法Lv.3(ウィンド・カッター)

(ウィンド・ウォール)

(ウィンド・スパイラル)

火魔法Lv.2(ファイヤー・ボール)

(ファイヤー・ウォール)

水魔法Lv.2(ウォーター・ボール)

(ウォーター・ウォール)

土魔法Lv.1(クリエイト・シェイプ)

光魔法Lv.1(ライトアップ)


〈称号〉

願望者

黄泉姫の加護

皐月の加護


〈エクストラ・スキル〉

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