10 ミッション:ギルドカードを入手せよ!

「…っと、取り敢えず手持ちが無いんだ…此処に来る途中で魔物を少し倒して持ってきて来たから換金してくれないか?」


感動しきりのバランに引き攣った顔のまま片手を離し、換金を持ち掛けるとアイテム・ボックスの中からランス・ラビットとブレード・ディアーの肉と皮、角の一部を取り出した。


「んぅ?換金か…あぁ、ランス・ラビットとブレード・ディアーの肉に皮か…おっ!角もあるとは綺麗に倒したじゃないか…流石、旅をしているだけあって腕の方も良いみたいだな?」


俺の出して見せたランス・ラビットとブレード・ディアーを見て直ぐにギルドマスターとしての顔つきに戻るバラン、二つを一瞥しながら品質の良さを誉めれば俺の冒険者としての評価もしてくるが、意外にも高い評価だ…まだ、此の世界に来たばかりなのだがと心の中で呟いて見せる。

まぁ、そうは言っても始まらないので俺はテーブルの上に肉を置き始める。

最初は皆、ただ見ているだけだったが五分、十分と経っても出すのが終わらないのを見ていれば段々と焦りと驚きに代わり始める。


「ちょ、ちょっと待ってくれ…一体何れだけあるんだ?」


肉だけでもテーブルに高積にすれば流石にバランが止めにはいる。

うん、俺も少し出しすぎたかとは思ったがまだアイテム・ボックスの中の1/3も出してない。


「いや、まだ皮も角もあるんだが…ちょっと多いか?」


俺はランス・ラビットとブレード・ディアーの肉を30匹ずつ出した所で止めて聞く。

うん、誰が見ても多いよな?

けどアイテム・ボックスにはまだ捨てる程にあるんだが…。


「お前…多いか?って…一度に多すぎだろ?旅の間に貯めて置いたのか?」


バランが非難混じりな目で見ながら言う、此が一度の数だと言ったらどうなるんだろうかと考えたが止めておいた。


「それに、お前のそれ…時間停止空間魔法か?随分と高度な魔法を使ってるな?」


バランが俺のアイテム・ボックスを見て物珍しそうに言う、あぁ、今までは物ばかりで、こんな新鮮な肉は出さなかったからな…此の世界には空間魔法があって、使い手は皆、様々なタイプのアイテム・ボックスを持っているのは知っている。

だが俺のは魔法では無く、かなり珍しい筈のスキルだ。

スキルでアイテム・ボックス持っている人は珍しいく、内容は自分で決めれない。

ただし、魔法と違い魔力や魔法内容で大きさや内容が左右されない。レベルに左右されるから、どちらが良いかは一長一短で分からない。

話は戻るがもう一度言う、俺のアイテム・ボックスはスキルだ、しかも時間停止機能の付いたスキルとしては上級の分類だろう。

此を軽く説明するとバランが更に驚く。


「なんだ、お前は今の時点でもかなり有用な男だな?運び屋とかをやっても大成出来るぜ…少なくとも商人達からは引く手数多だろうな…勿体無い。」


まぁ、そうだな…魔力を消費して使う魔法のアイテム・ボックスに比べスキルだから本人が生きていれば無関係に使える。

更にレベルが上がれば何れだけ沢山の物が運べるか分からない。

荷馬車を引くより人を一人連れ歩く方が色々な意味で楽だからな。

だが俺は、出歩けば魔物や盗賊のいる様な場所でわざわざ危険を犯すつもりは無い!

だからポーション屋をやろうと思っているのだから。


「まぁ、幸いなスキルだが残念ながら進んで運び屋をするつもりは無い…大体、運び屋何てしてたらポーションを作っている暇が無くなるしな?」


俺は運び屋をしたらポーションが出来ない事をやんわり言う、バランはポーションが欲しい筈なのだから分かる筈だ。


「た、確かにな…分かった、お前には運び屋の仕事は依頼しない様に通達をしておこう」

「取り敢えずは先に此の肉だが新鮮だしな…ランス・ラビットの肉は一匹500ゼクス銅貨、ブレード・ディアーは一匹700ゼクス銅貨でどうだ?全部で3ゼクス金貨と6ゼクス大銀貨でどうだ?」


此処で簡単に通貨だが…1ゼクス銅貨は分かりやすく日本円にして一円だ。つまり…


1ゼクス銅貨 = 1円

1ゼクス大銅貨= 10円

1ゼクス銀貨 = 100円

1ゼクス大銀貨= 1000円

1ゼクス金貨 = 10000円

1ゼクス大金貨= 100000円

1ゼクス白金貨= 1000000円

1ゼクス黒金貨=10000000円


らしい、まぁ金貨は商人、それ以上は一部の商人や貴族王族位しか使わない、目にする機会すら無い通貨だ。


物価も地方で様々だが此処、フォレスト・タウンは幸いにして日本に良く似た物価だ。

安い宿なら素泊まり1ゼクス大銀貨もあれば泊まれる。

食事に至っては自然が多いから自給自足で肉や野菜、川魚が豊富な為に以外と安い、少し良い物でも腹一杯で3ゼクス銀貨もあれば1日でお釣が来る。大自然万歳!


「あぁ、それで構わない…何せ手持ちが一切無かったものでね…無くなったらまた肉を換金させて貰うよ。」


今は手持ちが少しあれば良い、欲しければアイテム・ボックスの中の物を売れば良い、在庫は山の様にあるのだから此処で渋る必要が無い。そんな話をしているとバーンっと激しい音と共に部屋のドアが開かれる、そこには肩で息をしながら目付きの怖い女性…もとい、アニヤが立っていた。

どうやら走り回っていたようだ。


「イ、イズルさん…お、お探しの物件…見付かりましたよ…」


ゼェーハァー、ゼェーハァーと息を切らしながら、それでも必死な目と口調で話すアニヤ、その手には物件の書類らしき物を持っている。


「な、何…此の肉の山は?ルナさん達が持ってきたの?困るわ…買い取りなら下のカウンターに持っていって貰わないと?」


アニヤは部屋の中に入って来るとテーブルの上を見て、自分が出ていく時には無かった肉の山を見て驚きながら溜息を付きつつルナ達を見て言う、まぁ、量が量だから仕方無いが。


「いや、此はイズルが買い取りしてくれと出した物だ…査定も終わってるから直ぐに下に持っていかせる。」


此処でバランがギルドマスターらしくフォローを入れながら鈴を鳴らす、そうすると一人の男の子が入って来る。

見た目はウサギ耳のバニーボーイだ。

しかも小柄な130cm位の身長に女の子顔、服装がタキシードスーツじゃ無かったら勘違いしてただろ。


「マスター、呼びましたか?」


男の子は見た目とは違い凛々しい口調でバランに話し掛ける、その目は周りを見ておらず、ただバランだけを見ているのが分かる位に真っ直ぐだ。


「あぁ、リャクトか…悪いが此の肉の山を下の買い取りカウンターまで持っていってくれないか?」


リャクトと呼ばれる女顔のバニーボーイはバランに言われるとテーブルの上の肉を見て徐に手を出すと俺と同じ様に空中の何もない場所に肉を入れていく。

あぁ、俺と同じアイテム・ボックスを持ってるのか…成る程、近くに使い手が居るなら俺が使っていても気にもしないか…


「マスター、用件は此だけですか?」


リャクトはテーブルの上の肉を全部片付けると再びバランに向き直る、どうやら次の指示を待ってる様だ。

うん、かなりの真面目さんだね。


「あぁ、それを置いて来たら3ゼクス金貨と6大銀貨を持って来て、このイズルに渡してやってくれ」


バランは俺の方を見ながら言えばリャクトは初めて俺を見ると今まで気付いていなかった様に驚いた目で見ると途端に険しい表情になっていく。


「マスター…此方の方は…どの様な…どう言った関係の方なのですか?」


な、なんだ…リャクトの口調が急に怒気を孕んだ様な…心なしかオーラも淀んで…一体何なんだ?


「リ、リャクト…此方は今回な…

あ、新しい街に来てくれたポーションを作ってくれるイズルだっ」


不穏な雰囲気を出すリャクトにバランが慌てて説明をし出す、良く見るとバラン以外は皆、溜め息を付いたら呆れた顔をしている、ひょっとして何時もこんな感じなのか?


「へぇ?ポーションを…確かにこの街でならポーションの需要は高いですから…けど、わざわざポーションを作れる人がこの街に…マスターに媚を売って…僕のマスターを盗るつもりで…」


リャ、リャクト君?口調が段々と荒くなっているよ?それに何かな?僕のマスターって…君、見た目以上にあれかな?


「ま、待て!リャクト!勘違いするな!彼を連れてきたのはハーフ・ギャザリングのメンバーだ!ほら!ほら、そこにルナ君達がいるだろ?」


ほう?バランが焦っている…これはあれか?バランもそっちの趣味…いや、皆の目はバランへの同情に満ちている。

あぁ、此もここの日常何だな…うん、かなりここはカオスの様だ…。


「そうですか?成る程、けど…その割には距離が近い様な…今さっき会ったにしては親密な…まさか!マ、マスター…ひ、一目惚れ…」


リャクト…君も妄想癖があるのかな?想像だけで、ドンドン悪い方になってるぞ…うん!顔が驚きから怒りに…って泣き顔?


「なっ!リャ、リャクト!落ち着け!落ち着くんだ!だ、大丈夫だ!彼とは本当になにもない!ほら、向こうでゆっくり話をしよう…なっ?」


徐々に顔が崩れ今にも大泣きしそうなリャクトにバランが慌てて慰めに入る。

泣く子には勝てないかバランよ…しかも泣いてる子を抱き抱えながら部屋を出ていく姿は誘拐犯にしか見えないぞ?

そして何故にお姫様抱っこだ?

全員が出ていくバランとリャクトを見送るとアニヤが咳払いをする。


「コホンッ まぁ、彼方はマスターに任せておきましょう…それよりもイズルさん!イズルさんの為に探してきました!ピッタリの物件!」


アニヤはバランの事など無かったかの様に華麗にスルーしながらテーブルの上に探してきただろう物件の見取図らしきものを広げる。

そこには真新しく引かれた図面、一階には入口と店舗の間取り、店舗奥には作業スペースらしき場所と客間、キッチン、トイレ、バスが書かれている。

二階の図面は大きめの二十坪はありそうなバルコニーに、部屋は四部屋、バルコニー側に二部屋は六畳位で少し小さめ、バルコニーが無い代わりに8畳位の少し大きめの部屋が二つ、庭があり裏口近くには井戸もある。

この庭も店舗の大きさから見ると店舗の半分近くの大きさはあるから全体で60坪程の物件だ…いや此ってかなり大きいんじゃ?


「ア、アニヤさん…此はまた…随分と大きな建物の様な…」


俺は恐る恐る確認する。


「あっ!大丈夫です!今から建てるのですから細かい変更も出来ますよ?」


恐る恐る聞く俺も流石に目を丸くし、全員で驚く。

今から建てる?なに、新築…って言うか俺のために建てるの?


「いやいや、中古!中古で良いんですよ…わざわざ新しい物何て…」


流石に慌てる俺に良い笑顔を見せるアニヤ。


「だってイズルさんの希望を叶えれる物件が無かったんですよ…なら作った方が早いだろうって…各ギルドマスター達の意見が一致して…」


各ギルドマスター達よ…君達もポーションを待ち望んでいたのか?って言うかただポーション屋の筈がプレッシャーが重いぞ?


「それに…何れは家族も増えるでしょうし…」


良い笑顔のアニヤがルナ達を見ると二人とも真っ赤な顔になる。

アニヤよ…俺にロリコンの性癖は無いぞ。


「ま、まぁ…家族の事はどうでも良いとして…やはり、俺の為だけに此処までして貰う訳には…」


要求しておいて何だが、流石に貰いすぎだ。

此処はやんわりと断るのが男と言うものだろう。


「いえ!報酬から考えたらまだ、少ない位です!」


今までの軽い口調から一転して厳しく真面目な口調に変わるアニヤ。

アニヤが言うには、ハーフ・ギャザリングは、この街でも数少ないB級パーティーでそれを助けた事、更に街にも被害が出るかも知れなかったダークエンペラードラゴンの撃退、街への貢献度ならSかSSクラスの難易度らしい、それを考えれば物件の一つや二つ程度、街としては安い物らしい、どうやら今回の件では領主も絡んでいる様だ…まぁ、街の発展にも関わるから当然か。


「言い分は分かったよ…まぁ、貰える物なら貰っておくよ…っで物件は分かったけど場所は?」


アニヤが持ってきたのは建物の見取図だけ、地図は無かった、まぁ地図があっても何も知らない街の地図じゃ見ても分からないけどね。


「あぁ、それなら簡単よ…場所はこのギルドの裏手にある川沿い…そのに領主様が持っていて使う予定の無い場所があったから各ギルドが出しあって買い取ったの!」


何気に疑問を口にすればアニヤは元気良く答えてくれた。

うん、君やっぱり行動派だね。

しかもギルドの真裏って…逃がさない感が半端無いよ?

まぁ、貰える物なら文句も言えないか…。


しかし今更ながらこの街はポーション不足が激しいみたいだな?

周りは森だから初心者でも薬草は取って来れる、勿論、ポーションの材料もだ…しかし、作り手がいない…しかも、森があるために魔獣や魔物が多いために少しの遠出にも一苦労する。

薬草をそのまま使うには効果や効率が悪い。

鮮度が落ちやすいから日保ちもしない。

結果、遠出する商人は高価なポーションを買う羽目になる、だから商業ギルドも今回の事には乗り気らしい。

では薬師ギルドは逆なのでは思ったのだが、どうやら違うらしい?

彼方は彼方で需要があるらしい。

特に傷などを治すには薬草を使うが酷い場合には初級でもリカバリーポーションが無いと治りが悪いらしい。

はっきり言って薬草で作った薬だけでは追い付かないのが現状だ。


まぁ、各ギルドが支援してくれるのなら俺も頑張らないとな。


そんな話をしている内に今日は遅くなって来たのでお開きになった。

因みに俺はこのギルドの緊急治療室で一泊だ。様子も見ないし妥当だろ。


次の日には体調も戻って動く事くらいは問題無くなった。

まぁ、幾らリカバリーポーションやライフポーション、ヒーリングを使って貰っても精神的には回復出来ないし、根本的な所はやはり休養が必要なのは明らかだ。

日も登り俺はギルドの部屋から出て下に降りると人のざわめきと共に差ほど広くない一階フロアは人で賑わっていた。


「おっ 此が冒険者達か…皆、朝から頑張ってるな。」


壁には依頼らしき紙が何枚も貼られているのが見え、それを見たり剥がしてカウンターに持っていったりしている人も見える。

そのカウンターの内側にも何人かの受付嬢が見えるが、その中にアニヤも見えた。

他の子も悪くは無いけど、アニヤは一つ二つ群を抜いて目立つな。

容姿もそうだな他の子に比べても書類を捌く手際が良い、彼女の列が一番長いけど、人の捌けるのも一番早い。

暇なのと人が多いからで落ち着くまで見ていたけど、結局、アニヤが一番多く人を捌き送り出していった。


「お疲れ様、朝から大変でしたね。」


俺は一段落した所を見計らいアニヤに近付き声を掛ける。

アニヤは気を抜いていたのか俺には気付かず、ハッとした顔をして見せるが直ぐに俺だと分かると笑顔になった。


「イズルさんでしたか、脅かさないで下さいよ…」


アニヤは避難めいた口調でリスの様に頬を膨らませながら怒っている。

まぁ、美人さんがすると何でも可愛く見えるけど、少しわざとらしさが見えて残念美人にしか見えないのは黙っておこう。


「いや、ごめんごめん…忙しそうだったから声が掛け辛くて終わるまで待ってたんだよ…朝は何時もこんな感じなの?」


頬を膨らませるアニヤに軽く謝りながら話題を反らす様に尋ねる。


「んぅ~?何だか誤魔化された気がするのですが…まぁ、良いですけど…そうですね、何時も大体、こんな感じですよ?」

「魔物退治から雑用まで、毎日色々ありますから…仕事には事欠きませんね。」


俺の適当な誤魔化しには誤魔化され無いらしいアニヤがそれでも渋々答えてくれた。

成る程ね、冒険者達は皆、毎日一生懸命なんだ…俺のいた世界と仕事内容は違っても頑張る事は変わらないんだな。

なら尚更、無理なく過ごしたい…もうブラックは嫌だ…。


「そう言えば、俺って身分証明書みたいなのは持って無いけどどうする?こんな街だと出入りにも確認とかいるだろ?」


この世界にいきなり飛ばされて気を失っている間に街に連れ込まれたから身分証明書何てのも持ってなければ作ってもいない、ファンタジーを定番ならギルドカードか何かを作らないと街の出入り何て出来ないだろうと思い聞いてみた。


「え?イ、イズルさん…ギルドカードとか持ってないんですか?今までどうやって…?」


しまった、確かに旅をしながら生活してたなら多かれ少なかれ村や街の出入りはある筈だからギルドカード位持ってるのが当たり前が…不味いな…どうやって誤魔化すか…


「いや、まぁ、なんだ…実は此処に来る前に魔物に襲われて…逃げ回っている間に森で迷子になって…まぁ、一ヶ月位かな?夜営ばかりしてたらいつの間にかカードを落としていたらしくてな…ハッハッハッ…まぁ、この際だから再発行を兼ねて此処で新しく作り直して思おうかと…思って…」


俺は苦し紛れに言い訳しながら誤魔化してみたがどうかな?かなり無理がある内容だが…笑いながら後頭部を掻きつつ天井を見ながら視線を外しゆっくり顔を下げ戻しながらアニヤを見てみる。


「はぁ~イズルさん?本来ならギルドカードの紛失は問題ありで罰金と罰則ものなんですよ?それでなくとも作り直し何て犯罪者位しかしないのに…何か訳あり何ですか?」


流石のアニヤも怪しいと思ったのか懐疑的に俺を見ている。

まぁ、そうだな…俺でも無理がある言い訳なのは分かっているが、さてはてどうしたものか?


「まぁ、良いでしょ…何かあれば反応しますし…取り敢えず、此方に手を置いて下さい…問題無ければ今回は目を瞑りますから…」


俺がどうしたものかと考えていたら何やら一人で勝手に納得したらしくカウンターの上にソフトボール位の水晶と小さな箱を取り出し置きながら言ってきた。

どうやら、此れも定番の検査器だと直ぐに分かるから、ちょっと疚しい気持ちはあっても問題無いだろうと手を置いて見ると水晶の中に俺のステータスが浮かび上がってきた。


種族:人間

性別:男

職業:新米薬師

冒険者ランク:G

名前:イズル

年齢:19才

Lv.  15(77/3500)

HP  1242/1845(1230/1230)

MP  2200/5100 (3400/3400)

ATK 1230(820)

DEF 630(420)

AGI  1815 (1210)

DEX 1238 (825)

MIND 33365(22243)

LUK 2778 (1852)


〈魔法属性〉

風属性、火属性、水属性、土属性、光属性


おぉっ!最近見ていなかったけど、意外と上がっていたな…まぁ、森の中での戦闘が良い経験値になったみたいだ。

しかし、このステータスを確認する機械?は正確には読み取れ無いみたいだな。

大雑把だ…後で細かい事を確認しよう、補正の掛かった方を表示しているしね。


「此は…随分と偏ったステータスですね。とてもダークエンペラードラゴンを撃退出来るステータスでは無いように見えますが?何か特別なスキルがあるんですね?」


アニヤは俺のステータスを見ながら分析をしている様だ…まぁ、気持ちは分からないでもない。

こんなステータスで、あんな化け物に傷一つすら付けれる筈も無いんだから…。


「まぁ、良いでしょ…今はステータスの内容よりも経歴です、水晶の色は青いので特に隠された犯罪も無い見たいですから特別に再発行致します。た・だ・し!今回だけですからね!」


後から聞いた話だがこの水晶にはステータスを見る他に光る色に寄って経歴が分かるらしい。

青なら普通、赤なら窃盗などの犯罪、黒なら殺人と分かれるらしい。


そう言いながらアニヤは何やら操作していると、水晶の隣の小さな箱の横からカシャッと音がして中なら銀色のカードが出てきた。


「はい、此がイズルさんの新しいギルドカードです、今回は再発行しましたけど流石に手数料を無料にする訳にはいきませんので手数料だけはお支払をお願いします。」


アニヤはカードを出しながら事務的ではあるが申し訳無さそうに言いながら頭を下げる。

まぁ、当たり前だよな、此処まで多目に見て貰って払うもの位は払わないとな…俺は言われるままに1ゼクス金貨を払う。

意外に高かったと思うのが感想だが身分証明書代わりの物だから逆に安いのかな?


「此方こそ申し訳無い、次からは気を付けるよ…」


此方も頭を下げながら謝っておく。

うん、大人の対応だ。

俺はギルドカードを見て違和感を感じた…って言うか俺、若返ってない?

そう言えば、此処に来てから何にも疑問に思わなかったけど、目線も少し高いし触った顔の形も違う…ひょっとして俺って別人にもなってるの?

等とカードを見たあとの俺があたふたしているのをアニヤが見ていて首を傾げながら見ていた。



イズル(神田川 出流)

ステータス


種族:人間

性別:男

職業:新米薬師(ポーション特化)

冒険者ランク:G

名前:イズル

年齢:19才

Lv.  15(77/3500)

HP  12/1230(1242/1845)

MP  1200/3400 (2200/5100)

ATK 820(1230)

DEF 420(630)

AGI  1210 (1815)

DEX 825 (1238)

MIND 22243(33365)

LUK 1852(2778)


〈スキル〉

鑑定Lv.MAX(能力限定/鉱物及び植物)

異世界言語翻訳

アカシック・ライブラリー(鉱物及び植物のみ)

詠唱破棄


魔力付与Lv.1

魔法付与Lv.1

魔法効果短縮Lv.3

魔力消費軽減Lv4

並列思考Lv.3

スキャンLv.2

アイテム・ボックスLv.2


〈魔法〉

風魔法Lv.3(ウィンド・カッター)

(ウィンド・ウォール)

(ウィンド・スパイラル)

火魔法Lv.2(ファイヤー・ボール)

(ファイヤー・ウォール)

水魔法Lv.2(ウォーター・ボール)

(ウォーター・ウォール)

土魔法Lv.1(クリエイト・シェイプ)

光魔法Lv.1(ライトアップ)


〈称号〉

願望者

黄泉姫の加護

皐月の加護


〈エクストラ・スキル〉

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