第17話「最終決戦開幕」

 Side 佐久間 レイカ


 国防軍の攻撃が終わり、入れ替わりに変身ヒロインである佐久間達が――と言う綺麗な段取りにはならなかった。


 相手には外宇宙勢力も混じっているし、元々国防軍は怪人退治を変身ヒロイン達に任せて「武装した災害救助隊」と揶揄されるほどに弱体化した集団だった。


 弾幕をかいくぐり、白兵戦に持ち込まれた時点で勝敗は決まった。

 現在国防軍を守りながら変身ヒロイン達は戦っている。


 正直、教え子の一人である銀条院 ユカリから信じられないような説明を受けているが――自分達変身ヒロインがパワーアップしているのでどうにか戦線は維持できた。


 だが敵の数が多い。


 デザイアメダル。


 プラント。


 犯罪組織ゲドゥ。


 リユニオン。


 そして巨大ロボットまで出てきている始末。


 パワーアップした喜びに冷や水をぶっかけるかの如く、中々に絶望的な状況と言えた。


「ゲヒャヒャヒャヒャ!! デューネはどこゲロか!?」


「あのガキはどこだ!? 今度は殺す!? 殺してやる!?」


 そこにゲドゥの肥満体の二足歩行のカエルの怪人。


 そしてリユニオンの刃物の怪人、キラーエッジまで現れた。


(まずいな――)


 敵の数が爆発的に増えている。

 

 いくら自分達変身ヒロイン達のホームグラウンドで互角に戦えるまでパワーアップをしたとは言え、数が増え続ければどうにもならない。


「大変です!? 日本全国各地にも怪人が出現!! 大量発生しています」


「なんだと!?」


 その報告に一瞬耳を疑う。

 だがこんな事態だ。

 ありえない話ではないと思った。


(どうする?)


 そうと思った矢先だった。


『あ、聞こえますか。佐久間さん』


「あなたは――」

    

 無線機から浦方 伴治の声が聞こえた。 

 意外なタイミングで意外な人物の登場に驚きながらも耳を傾ける。


「もう報告は行っていると思いますが日本各地の怪人が出現しました。そちらはどうにかしますんで、佐久間さん達はそのまま戦闘を続行していてください」


「なに?」


 

 Side 銀条院 ユカリ


 時間は少し遡り――


 様々な種類の怪人が大量発生し、銀条院 ユカリはその対応に追われていた。


 そしてユカリは決意した。


「私の力を使います――」


 どうして天野 猛達をこの世界に呼び出すことが出来たのか。


 どうして自分にそんな力があったのか。


 その答えは出ていた。


 ならばそれを使えばいいだけのことだ。



 Side ???


 日本各地に流星雨の如く降り注ぐ。


 その流星雨は次々と怪人達を撃ち倒し、その流星雨からヒーローや、変身ヒロイン達が飛び出し、怪人と戦闘を行っていく。


『私に出来るのは後押しするだけだ。頼んだぞ――』


 衛星軌道からそれを見守る光の守護神がいた。


 名をマスタージャスティス。


 天野 猛の世界の神である。

 


 Side ???


 五十m級の光の巨人が次々と怪人を光線技で手際よく掃討していく。


 戦隊ヒーロー達が驚異的な強さで撃破していく。


 魔法戦士達が変身ヒロインと混じって戦い抜いていく。


 水樹 綾香のようなメタルヒロインが敵を打ち砕く。


 アメコミスーパーヒロインが圧倒的強さで次々と駆逐していく。


 そして驚くべき事に――


「呼び出されてみたと思えばいきなり修羅場か」


 とある世界の闇乃 影司が参戦し、


「誰がどうとかじゃない。僕は自分の意思で戦う!! チェンジジェノサイザー!!」


 ゴーサイバーの世界とは違うジェノサイザー参戦。

 

 さらには――


「うわー美少女戦士だらけね――」


 などと宮園 恵理こと機装天使、爆乳戦乙女ことアウティエルまで参戦していた。

 天野 猛の世界でも、楠木 達也の世界でもない、また別の平行世界のアウティエルである。


 とにもかくもこうして形成は逆転された。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る