第2話
もしタイトルを付けるとしたら、目が覚めたところだから『始まり』かな?
って
「そうじゃないだろう!!!」
目が覚めると周りにはたくさんのローブを来た人が居てさらに防具や剣、杖などを掴んでいる青年や女性が居た。
「あれ…?送還しようとしたら召喚してしまいました」
「…はっ?!あ、あの!アデル様これは?!」
一人の女性が声を上げると、アデルと呼ばれていたフードを被っていた人がフードを外すと中からはご老人が出てきた。
「お、落ち着いてくださいな!!!ま、まさかこれは召喚の紋だったのか?!」
そう言うと、一冊の本を取り出しそれを囲うように怪しいローブを着た人たちが話し合いを始めてしまった。
「あー…えっと、これはもしかしてですけど間違えた?とかですかね?」
「えっ、そんなぁ!これを発動するには1年はかかるんですよね?!えっえっ!」
「落ち着きなさい。まずは冷静に…そう、冷静に…になれません!どういうことですか?!」
そう言うと一人の女性に詰め寄ると何やら騒ぎ立てていた。
あれ?もしかしてだけど、俺は蚊帳の外?あれ?
「…あのー?」
「「「「「「ちょっとまってください!!!」」」」」」
ひどい仕打ちである。
少したって女性が改めて気づいたのか俺のほうを見たのだ。
「…あっ忘れてました。ゴホンッ!えっと、初めまして『ニホン』の方私はシリウス・フォルディア・ディフォードが一人娘リリアーナ・フォルディア・ディフォードと申します」
「あ、初めまして朱宮隆二です。25歳です」
そう名乗ると3人のこの場に似合わない3人組が詰め寄ってきた。
3人ともどことなく俺と同じように感じるが…って『ニホン』って答えてたか。
「隆二さんっていうんですね!僕は山城涼真と言います!こっちの二人は幼馴染で左が水落花蓮で右が七下美里です」
水落?七下?はて、どこかで聞いたことあるような…って?!
「水落コーポレーションと七下不動産!?」
大きな声を上げると二人ともびっくりしたように身を竦ませるが、ゆっくりと頷いた。
「はい、水落コーポレーションは私の父の会社です」
「同じく、七下不動産は私のお父様の会社です」
…もしかしてだけど山城って?
「えっと、自慢というわけではないですが山城銀行はご存知だと思いますが…」
「はい、お世話になっています」
そういうと俺は深々と頭を下げると、三人は驚いたような表情をしたがあわててお辞儀を返してくれた。
とりあえず落ち着いて話を聞きたいがまず最初に確認したいことがある。
「リリアーナ…様?ですかね。少しお話をお聞きしたいのですが」
「様などとお付けにならないでください。リリアーナとお呼びください。それに、恐らく説明をしなければならないのは私たちの…いれ、我が国の使命になります」
なんだか物々しい雰囲気だが、頷いて聞くことにするがまずは…
グーッ…
「まぁ、人は突然の出来事でもお腹は空くものだよな」
そういうと、重かった雰囲気が溶けて少しの笑いが起こったのだった。
なるほど?少しはよさそうかもしれない雰囲気だなと思った。
先ほどまでいた地下は重要な場所らしく、よほどの場合が無ければ近づけれない場所らしい。
何が何だかわからないが、階段から上がりまぶしい日差しを受けると目の前に映った物のおかげで、自分がどういう状況に居るのかが分かった。
「…これってもしかして?」
そう言うと3人は苦笑して、涼真君が教えてくれた。
「お察しの通り『魔物』というやつです」
そう、目の前に映っているのはドラゴン?だ。
翼が生えていて、人が乗っているが姿はまさにそれだ。
「ドラゴンって危ないんじゃないの?あんまりゲームとかやったことはないからわからないが、襲ったりは?」
「ご安心をアケミヤ様。この魔物の名はワイバーンと言い野生のワイバーンであれば危険ですが、卵から育てたワイバーンは基本的には大人しく襲ったりすることはまずありません」
最初に見た者を親と認識するようなものなのか?とりあえずは安心か。
「それでこれからどこに行くんですか?」
「一先ず『勇者様』達のこととアケミヤ様のことを城へ報告に行かなければいけませんね」
…勇者様?そう聞き3人を見ると明後日の方向を向いていたが顔が赤くなっていたので、そう言うことなのだろうと思うことにして聞かないでおくことにした。
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