付録-3:用語集その二
※小説の進行に大きな影響のない用語についての解説です。
※随時加筆・修正されます。
※登場順に並んでいます。
※数が増えてきた場合は項目分けされる可能性があります。
・霊透玉(れいとうぎょく)
多くの術の媒体として使用出来、尚且つ産出量が多い。人工的に作ることもできる。
・霊銀(れいぎん)
物性は通常の銀とほぼ同じだが、高い腐食耐性を持ち黒変しにくい。また、帯びた霊気を
術の媒体として使用されることの多い金属であるが、見た目の美しさも通常の銀と変わらないので宝飾品としてもしばしば利用される。
龍や一部の生物が爪や甲殻として使用することがあり、そこから大量に採れる。人工的に作るのは困難。
・聖符(せいふ)
単に「札」とも。特殊なインクで聖句を書きつけた紙、またはそれに類する物品。もっと言えば、上位存在の持つ権能を紙に封じ込めたもの。
・跳兎(とびうさぎ)
中型のノウサギの一種。名の通り強靭な後脚で森の中を飛び回る。
群れを成して生活すること、下り坂に追い込めば容易に獲れること、何より肉が美味であることから、狩り初心者がよく狙う狩猟動物の一つ。
・青角鹿(あおつのじか)
中型-大型のシカ。文字通り真っ青な角を持つのが特徴。
角は勿論のこと、肉も毛皮も良質なものが獲れる。逃げ足が速く仕留め損ねた際の反撃が大変危険。狩猟動物としては中級者向け。
・霊石灯(れいせきとう)
電気の代わりに
光度・持続時間・消費霊力、いずれもLED並みであり、おまけにコードレス、そして過熱事故も起こさない。電灯より高価ではあるが、職人界隈では未だに圧倒的人気を誇っている。
・紅餞花(コウセンカ)
カランコエのこと。
四弁の赤い花を咲かせる多肉植物。厳しい環境下でも生き延びて繁栄する生命力の強さと、日の短くなる時期に開花することから、古くは死地に赴く者への餞として贈られた。
・日蝕晶(にっしょくしょう)
極めて顕著な変色性を持つハーキマー・ダイヤモンド。要は変色する水晶である。
光源の持つ照度の違いに反応し、照度の高い光源の下では無色透明、低い照度の下では黒へと明瞭に変化する。概ね変色する境界は三百ルーメン、即ち日の入り時の照度。
この性質の為に古くは時刻を報せる石として使われていたが、現在は御守り兼装飾として、時計の蓋の意匠などに用いられる程度。その他、空や夜の運行を司る上位存在が好むため、指輪などに加工して供物にしたり、術行使の際に上位存在を呼び寄せるための媒体としての使用が主である。
・時数字(じすうじ)
時刻を表す為に使用される専用の数字。
それぞれの時刻に割り振られた宝石の名を極端に簡略化したもの。時数字が開発・制定されるまで、時計の文字盤には実際の宝石が使用されていた。
通常の数字で代用された時代もあったが、どの宝石がどの数字に対応するかで議論が紛糾、国際問題にまで発展しかけたため廃止されたとか。
・夜相盤(よそうばん)
複雑時計に実装される機構「ムーンフェイズ」の夜空全体版。
月の満ち欠けと同時に、一ヶ月ごとに空で観察できる星の位置を、一つの文字盤上で正確に反映する。精密に実装するのはかなりの高難易度、の筈であるが、ヤボシはこれを自身の作品に好んで入れる気質があり、彼の工房で暮らす孤児は全員メンテナンスが出来る。
・真珠星(しんじゅぼし)
この世界の潮汐を司る、‟神格を持つ”十二の星の一つ。スピカとは関係ない。
六月に観察することが出来る白い一等星。望遠鏡で観察すると、星の表面に宮殿のようなものが建っているのが見えるらしい。
・星河金(せいがきん)
金と霊銀、
梨地のような金の下地に銀の微細な粒状構造が入る、まさしく「星の河」のような見た目を有する不思議合金。いくら磨いたり叩いたりしても梨地の部分を潰すことは出来ないし、どれだけ高熱で混ぜたり加工したりしても粒状の銀は溶けない。
霊銀や真銀よりも高い耐久力と
・霊鋼(れいこう)
硬く頑丈、しなやか、人の手によって量産可能と、武具を作るのにうってつけの性質を持った金属の鑑。世に出回っている刃物系の武具は大体これが使用されている。
通常の鉄の性質を増幅する副次効果があり、低コストの電磁石などへの転用も検討中。
・大山羊車(おおやぎぐるま)
馬の代わりに大型の山羊が繋がっている馬車。
地形的にも酸素的にも厳しい高山地帯を行き来すべく、とある
制作コストがかかり過ぎたため、現在玉龍山とその麓を繋ぐ一便しか出ていない。
・電走車(でんそうしゃ)
電車のこと。
この世界では結構珍しい電気駆動の物品。電線から電気を供給しているのではなく、車両本体に内蔵された発電機から産生される電気で動く。
速度はあるが持久力はあまりなく、王都へ向かうのに一度中継駅を挟んで発電機の休息を入れなければならない。また、電車自体がほとんど走っておらず、乗れたらラッキーだが乗れなかったら普通に一週間くらい足止めを喰らう。まだまだ不便な乗り物であるが、馬車などの他の乗り物に比べると揺れたり沼にハマったりすることがなく、負担は小さい。
実は汽車も存在していたが、大量の排煙により近隣の住民に健康被害が出たこと、燃料を確保するために大量に山を削らなくてはならないことから早々に廃れた。
・霊走大型四輪(オドトラ)
オド・トラックの略。
燃料がガソリンでないこと以外は通常のトラックとほぼ同じ。人の
・夜発(やほつ)
最下級の娼婦。現代風に言えば安いソープのねーちゃん。
・香茶(こうちゃ)
フレーバー・ティーのこと。
紅茶は別に存在する。
・霊擬金(れいぎきん)
物性は普通の真鍮よりやや硬度が高くなる程度。特筆すべき霊的性質として、
ヤボシの複雑時計の部品はほとんどこれと霊銀、霊鋼で作られている。
・霊力附帯情報網(オドネット)
この世界に於いて整備されている公共の情報蓄積・閲覧・受送信システム。
電子情報網に比べて通信圏が広く速度も早いが、送受信を司るシステムはあっという間に更新されて古い情報が閲覧出来なくなるため、重要な情報はさっさと別媒体で保存しなければならずその点が若干不便。
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