付録-2:用語集その一
※開示される内容の一部に裏設定を含みます。
※随時加筆・修正されます。
※何となく関連順に並んでいます。
【この世界に関する基礎用語】
・常界(じょうかい)
この世界の一般的な呼称。主人公達の住んでいる方。
誕生から現在までに少なくとも一度滅びており、現在のあらゆる生物は滅びた後に上位存在の手によって再誕したもの。とは言え、そんな過去が風化する程度には長く存続している。
文明レベルは近世以上現代以下。一応スマートフォンに類する携帯端末が存在していたりプリウスみたいなものが走っていたりするが、家屋に関しては昔ながらの建築技術に現代の建材が追い付いておらず、未だに古風な石造り木造りの家が主流と言った風情。尚、上位存在らの取り決めによって、文明の進化速度には意図的かつ局所的にブレーキが掛けられている。宇宙進出はまだしていないが、機械で空を飛ぶ技術自体はそこそこ確立された模様。
言語は日本語に文法・単語の似通った『新約常界語』が広く使用される他、世界が滅びる前から残存する『旧約常界語』、及び上位存在との交信や一部の種族・地名に用いられる英語に類似の『神界新語』が主。古くから存在する神性の中には古い神の言語を操る者も存在する。
・廃界(はいかい)
常界のごく近傍にある、既に滅びてしまった世界。あまりにも常界と近いせいで一部接触してしまっており、その場所を介して両世界間を行き来できる。滅びる前の文化は常界と似通っているが、全体的に進化の速度が速く、現代の常界に於いても実現されていない機械や機構、建築などがいくらか残っていたりする。言語も常界のものと同じ。
常界とは互いに表裏の関係にあり、一部の物性が反転している。その為、常界の生物にとって廃界の空気や飲み水は猛毒であるし、廃界の生物にとっての強毒は薬として使える。逆も然り。
ある意味資源の宝庫であり、命を賭しても一攫千金を狙う者が後を絶たない。
・‟門”(もん)
常界と廃界が接している場所の内、神性によって両世界間を接続する経路が固定・管理されているもの。単に接している場所は‟
王都の外郭に穿たれた一つの他、地球を含めた宇宙中に全部で五つ存在する。ただし人間が通行出来るのは二つのみで、後の三つは元々廃界を治めていた上位存在が様子見のために使用する程度。勿論無理に通れば人間は死ぬ。
上位存在によって場所は固定されているものの、常時通り放題ではなく決まった日の限られた時間にしか通ることが出来ない。また、“門”から“門”の間は虚実の境が明確になっておらず、その差が激しい時に通過すると寒気や目眩、頭痛などの車酔いに似た症状を起こすことも。
・上位存在(じょういそんざい)
あらゆる事象・事物に宿り、その維持・淘汰を司る者達。また、その司る事象そのもの。事象の数だけ存在する。個々の数え方は「
事象を創生する権限を持つ「
彼らにおける、いわゆる種族名は「
極めて壮健な存在だが、殺して死なないわけではない。
・加護(かご)、庇護(ひご)
上位存在から人間等の下位存在、或いはより上位の神性から下位の神性に与えられる、その神性の権能の一部。加護は特定の個人に対して、庇護は家系や地域と言った不特定多数か土地に与えられる。
与えられた権能、またはそれによって引き起こされる現象は恩恵と総称される。一般的に庇護よりも加護のほうが恩恵強度が高く、種類も多岐に渡る。
・権能(けんのう)
上位存在やその神官が持つ、世界の理を書き換えるための資格。またはその資格に付随する、書き換える際に必要な術や聖句などのひとまとまり。能力などと言い換えられることもある。
権能を持った者は、加護を与えた神性の在不在に関わらず、その神性と同じ事象を自力で引き起こすことが出来る。つまるところ、神性が存在しない廃界内でも術を使うことが可能となる。
・神官(しんかん)、加護持ち(かごも-)
いずれも、上位存在の持つ権能を委譲された個人のこと。
より厳密には、加護を与えた神性との契約を行い、神性の伝令者として認められた者を神官と呼んでいる。上位存在の側が勝手に特定の人間を気に入って与え、その結果加護を得た者については加護持ちとだけ呼称されて区別される。
与えられた権能の数、または強度により九段階に大別される。
【霊気・霊力・術関連用語】
・霊気(マナ/れいき)、霊力(オド/れいりょく)
この世界に満ちる要素、或いは力の一つ。その性質は変化。この世界に於ける様々な進化・変化の原動力で、上位存在は
方向性のない無秩序なものを
種族や物性によって霊気の取り込み量や検出感度が異なり、その特性がそのまま術の得手不得手にも関わる。
・術(じゅつ)
自身に宿る
火種の代わりにしかならないようなものから山を丸ごと吹き飛ばすような大神術まで、使える種類は多種多様。上位存在自身が使うこともあれば、加護の恩恵として下賜される術もある。また、行使の方法や流派も実に様々。
術はその全てに、上位存在との交信に用いるための
・属性(ぞくせい)
行使する術の性質的区分。本来は関与する神性の数だけあると言っても過言ではないのだが、それではあまりにも扱いにくいので大雑把に分けてある。
現在は地/水/火/風/月/日/星/雷/光/影/夜/虚/時の十三属性。流派と時代によって増えたり減ったりしているが、とりあえずこれで収まっている。
・適性(てきせい)
行使できる術の属性のこと。より詳細に言うと、関与する上位存在との体質的な相性。
適性を持たない属性の術は基本的に行使出来ないか、出来たとしても大量の霊力を消費することになる。が、性格的な相性を特に問うものではないので、仲良くなれば上位存在の方が勝手に何とかしてくれることも。
・霊具(れいぐ)/神器(じんぎ)
どちらも本来の物理的・化学的性質からはかけ離れた機能・機構を有する道具。これの内、人間が上位存在の権能を用いて本来成し得ない機能の付与を行った道具を「霊具」、上位存在自身が自身の権能を集積・精錬して作り上げたものを「神器」と称する。
霊具も神器も様々な形態のものが存在し、テンゲンらが持つ
潜行士は大体霊具か神器どちらかの武器を有している。
【人種・生物種に関する呼称】
・人間(にんげん/ヒューマン)
所謂「人間」や「人族」として括られている種族の祖。オーソドックスな人間と言うことで
思考する二足歩行の生物という点は、一般に言われるホモ・サピエンスと同じ。ただし、一度進化論的に下等生物から進化した後、一旦世界ごと滅びて上位存在に作り直された経緯を持つ。
群体としての適応力と多様性、そして繁殖力に特化した、維持繁栄の権化。寿命は全ての人族の中で最も短いが、適応できる環境の範囲は最も広い。
何かを創出すると言うよりは、既にあるものを改良したり使いこなすことにより高い適性を持つ。ただし、文明に対して革新的な発明をもたらすのもまた人間。
・森霊人(エルフ)
常界に暮らす人族の一種。太古に森の精が人間と血を交えた末裔。
色素の薄い肌と尖った耳、緑色系の髪や眼が特徴。妖精の末裔であるためか、揃いも揃って美形しかいない。寿命はおよそ五百年程度だが、稀に先祖返りを起こし千年以上生きる者も。どちらにせよ極めて長寿なことに変わりはない。
容姿がやや不可解なことと数が少ないこと、並外れて遅老長寿なこと、そして地術・水術への適性が高いことを除けば、それ以外の身体的・文明的特性はおおむね人間と同じ。
大体の厄介ごとを術で解決出来てしまうためか、技術面に関しては無関心な者が多い。
・ 転変者(てんぺんしゃ)
廃界で死亡し、遺体が残された人間の成れの果て。恐らく人間にしか適用されない。
その発生原理は、曰く「歪な輪廻転生」。何らかの原因で魂が死亡した肉体に縛り付けられてしまい、結果死亡した肉体を‟変質”させることで誕生する。極めて不謹慎に比喩するとすれば、生命反応のあるゾンビ。
既に死んだものを無理に活かしているためか、その姿は往々にして歪で醜悪、そして自我はほとんどの場合で崩壊している。自我を保っている場合でも、人間やその他の生命体に対して挑戦的。ただし敵対的とは言い難い。また、稀に自我を有したまま転変者となる潜行士もおり、その場合生きている潜行士に対話や助けを乞うこともある。
元が強力な潜行士であればあるほど“変質”後の強さも高く、その分討伐されにくい。殺しきれず生き残っているものに関しては、最下級の
遺体が残らなければ生まれないので、廃界内で死亡した人間の遺体は焼却処分が義務。
・魔物(まもの)
多くの魔物が独善的かつ排他的。魔物の性質にもよるが、多くは他者の生活圏や
魔物、幻獣共に生殖は不可能。
【潜行士関連用語】
・潜行士(せんこうし)
廃界へ赴き、そこに残された資源・知見を収集する者。より狭義には、潜行士組合で正式に検査・登録を行い、正規の登録証を得た者達のことを指す。戦闘や術に対する素質があれば誰でも登録でき、門地や種族、性別を特に問わない門戸の広さが特徴。
誰にでも一攫千金を狙える一方、毎年一人以上は死人が出る危険な職業であるため、他に食い扶持のある者が登録するようなものではない。とは言え窓口で止められることもなく、登録してしまえば全ては自己責任。世知辛い業界である。
潜行士としての実力に応じて鉄札/貝札/檀札/銅札/銀札/金札/白金札/透札の八等級に分けられる。現在籍を置く潜行士の中では白金札が最高。
・保帯士(ほたいし)/探索士(たんさくし)
潜行士の術や技能に基づく分類。
保帯士は
潜行の際は必ず保帯士と探索士がどちらも一人以上含まれたパーティを作らなければならず、単独での潜行は原則禁止。特例で単独潜行が認められる者も存在しなくはないが、白金札以上の上位潜行士に限られる。
・抗反帯(こうはんたい)
廃界内での生存のために展開される領域。抗反帯の範囲内はあらゆる環境が常界のもので固定される。逆に言えば、抗反帯から一歩でも外に出ると呼吸しただけで死ぬ。この性質のため、保帯士や抗反帯の聖符が書ける術者は引く手あまた。
厳密にどのようなものが抗反帯であるかの規定はなく、ほとんどの保帯士は加護を受けた神性から借り受けた神域を展開することで抗反帯としている。が、中には常界の環境ごと空間を固定することで抗反帯として成立させる力技もある。テンゲンは後者。
【単位に関する用語】
・頂(ちょう)、鷹(よう)、小義(しょうぎ)、風仔(ふうし)
この世界に於ける長さの単位。一頂はおよそ一キロメートル、一鷹は一メートル、一小義は一センチメートル、風仔は一ミリメートル。
それぞれある山の麓から頂上までの直線距離、鷹の翼開長、
・石刻(しゃっこく)、礫流刻(れるこく)、砂流刻(さるこく)、滴刻(てこく)
この世界に於ける時間の単位。いずれも光速で算出したものよりも長い。
一石刻=約一時間、一礫流刻=一分、一砂流刻=十秒、一滴刻=一秒
・纏(てん)
この世界で最もよく使われるお金の単位。
一纏=一円
・翠玉貨(すいぎょくか)、蒼玉貨(そうぎょくか)、黄玉貨(おうぎょくか)
・金貨(きんか)、銀貨(ぎんか)、銅貨(どうか)、鉄貨(てっか)
いずれもこの世界で用いられる貨幣。紙幣もあるが、紙幣は非常に大口の取引がある時にのみ使用され、庶民の生活に関わるのは貨幣である。
翠玉貨=一万纏、蒼玉貨=千纏、黄玉貨=五百纏
金貨=百纏、銀貨=十纏、銅貨=五纏
鉄貨=一纏
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