考えるな、感じろ。おっぱいを。①
「ここが港町チマトナミか……」
勇者ご一行は、大陸北端の港町にようやく辿り着きました。
チマトナミは港町だけあって、大きな町でした。しかし、魔王軍が去ったにも関わらず、町の人々に活力が見受けられません。
原因はすぐにわかりました。
チマトナミの港から広がる海に、魔王軍が放った大きな魔物が潜んでいて、港を出た船を襲うため、船が出せないのです。商船はもちろん、漁船も港から出ることができないので、町の人々は沈んでいるのです。
この町から船に乗らなければ、魔王がいる北の大陸には行けません。
そこで勇者ご一行は、町の人々と協力し、魔物を退治することにしました。
決行は明日。町の船を総動員し、勇者パーティを軸に魔物を退治する、大掛かりな作戦です。
勇者が訪れたこと。魔物退治作戦が決行されること。あと女の子たちのおっぱい。それらのことにより、町の人々には活力が戻りつつありました。
明日の作戦に備えて、今日は英気を養うこととなりました。
これまでほとんど休みを取らずに旅を続けてきた勇者ご一行にとって、久しぶりの休暇です。
宿を決めた後、各自好きに過ごすことになりました。
出かけるという勇者ルークに、そうすることが当たり前のように、一緒に行こうとした王女ポインと宮廷魔術師フワワと聖女プルルと賢者モチチでしたが、ルークに爽やかな笑顔で「一人になりたいんだ」と言われれば諦めるほかありませんでした。
魔王軍が去って、海以外は平和になった町ということもあり、仕方なく四人は別れて、それぞれ不意に訪れた自由な時間を過ごすことにしました。
――――――――――――
「何しよう……」
ポインは特にすることもなく、街をぶらぶらとしていました。
勇者の旅に最初から同行しているポインにとって、こうして一人きりで過ごす時間というのは本当に久しぶりでした。
思えばいつだって、自分の旅は仲間と共にありました。最初こそ他国の女の子を出し抜こうと躍起になっていましたが、今では勇者を落とそうと一緒に企む時間が楽しいとさえ感じるようになっていました。
王女であるポインにはこれまで、気安く接してくれる同じ年頃の女の子はいませんでした。それが今では、敵国の女の子とはいえ、自分のことを王女だからと気を遣わずに接してくれるのです。ポインにとって、それがとても嬉しかったのです。
その女の子たちと過ごす時間は今や、ポインが一人の女の子としていられる時間でした。それはとても落ち着ける時間でした。自分の国にいた時は、一人きりでいる時しかそんな時間はありませんでした。それがポインには不思議でした。
――友達ってこういうことなのかな。
「――うわっ!?」
考え事をしていたポインは、路地の角から出てきた人影にぶつかってしまいました。ぶつかった反動で、後ろに倒れそうになるポインの身体を、その人影が慌てた様子で支えました。
「あ、ありがと――……ってルーク?」
その人影はなんとルークでした。どうやらルークも一人で街を散策していたようです。
ルークがその支えてくれている手を離すよりも先に、ポインはルークの腕に抱き着きました。もちろん、おっぱいでその腕を挟むことも忘れません。下手なおっぱいも数撃ちゃ当たるのです。たぶん。
――これは……チャンスね!
出し抜くつもりはなく、他の女の子には悪いと思いましたが、こうして休暇中という普段とは違う状況で、偶然ルークと出会ったチャンスをみすみす逃す手はありません。一人になりたいと言っていたルークですが、押せば同行を許してくれるかもしれません。
「ねぇルーク、良かったらだけどさ、一緒にぶらぶらしない? ……だめ?」
腕をぱふぱふしながら、顔を赤らめたポインが上目遣いにルークへと問い掛けます。
これで落ちない男はもう男じゃないです。
ポインの誘いに、ルークの頬に朱が差しました。
そして、無言のまま、その首が縦に振られました。
――!!!!!!!!!!!!!
ついに! あの
嬉しさのあまりポインは、自分のおっぱいの魅力についに堕ちたルークへと白昼堂々、周りの目を気にせずに、身体の正面から抱き着きました。強く抱き着きすぎて、おっぱいが! おっぱいがすごい潰れてます!!
しばらくルークの胸でおっぱいを潰していたポインでしたが、やがて、眩しい笑顔を浮かべると、ルークの腕におっぱいを絡めて二人で歩き出すのでした。
――――――――――――
「うーん……」
酒場に入ったフワワは、何を頼もうか、おっぱいの上で腕を組んで悩んでいました。
悪いフワワ「せっかくの休暇だし、やはり昼間から酒じゃん?」
甘党フワワ「は? 誰にも邪魔されないんだし、甘い物に決まってんでしょ?」
脳内では悪フワワと甘フワワが戦いを繰り広げていました。
どちらもフワワの大好物です。本音を言えばどちらも頼みたいのです。
しかしフワワも女の子です。体型には気を遣っていました。どちらも頼んでしまうのは、明らかに許容量を超えてしまいます。
と、そこへ。
肉食フワワ「肉でしょ!!」
まさかの
肉もフワワの大好物なのです。
もはや頭の中では大乱闘です。
他の女の子がいるなら、いつものように分けて仲良く一緒に食べればいいのですが、今は一人です。何か一つに決めねばなりません。
カウンターの席に座ってから、どれほどの時間が経ったのでしょう。未だにフワワは注文を決めかねていました。酒場の主人は待ってくれているものの、さすがにそろそろ決めねばなりません。しかし、決め手がありませんでした。
その時、フワワの隣に腰掛ける男がいました。
――せっかくの一人の時間に、なんだコイツ。
フワワは軽く舌打ちすると、隣に座った男を追い払おうと――
「――って、勇者様じゃないですかぁ♡」
隣に座ったのは、なんとルークでした。慌ててフワワは猫を被ります。媚を売ります。谷間を見せつけます。
――これは……チャンスじゃん!?
出し抜くつもりはなく、他の女の子には悪いと思いましたが、こうして休暇中という普段とは違う状況で、偶然ルークと出会ったチャンスをみすみす逃す手はありません。一人になりたいと言っていたルークですが、押せば同席してくれるかもしれません。
「良かったらぁ♡ 一緒にお酒飲みませんかぁ♡」
ルークにしな垂れかけながら、フワワは全力で甘えた声を出します。肩に頭を乗せ、おっぱいをこれでもか! と見せつけます。他の客の目なんて気にしてる場合じゃありません。
ルークは少し思案した様子でしたが、やがて少しだけ頬を赤らめて、無言のまま頷きました。
――!!!!!!!!!!!!!
ついに! あの
嬉しさのあまりフワワは、自分のおっぱいの魅力についに堕ちたルークへと白昼堂々、他の客の目を気にせずに、ルークの膝の上に正面から飛び乗りました。そして、ルークの顔へとおっぱいを押し当てます! 挟み込みます!!
しばらくルークの顔でおっぱいを潰していたフワワですが、やがて、
――――――――――――
「はぁ~……久しぶりのふかふかベッドですわ~……」
宿に残ったプルルは、うっとりした顔でベッドに寝転がりました。
プルルは眠ることが大好きでした。自国の三ノ国では、あまりに寝すぎて陰で『惰眠の聖女』と呼ばれていたくらいです。
しかし旅立ってからというもの、野宿は当たり前、たまに宿に泊まれたとしてもベッドがあまり良くなかったり、と中々満足に眠れない日々が続いており、不満が溜まっていました。夜に他の国の女の子たちとお喋りするのは楽しいのですが、それでも、それだけではやはり不満の解消には足りませんでした
その点、この宿のベッドは納得のいくふかふか具合でした。さすがは大きな町であるチマトナミ一番の宿です。
「あ~……これこれ……これですわ~……」
他人には、特にルークには絶対に見せられないような、完全にだらけきった表情をして、プルルは
至福の時間でした。これまでの鬱憤を晴らすかの如く、全力でプルルはごろごろします。寝返りを打つ度におっぱいが揺れますが、気にしません。
しかし、その時間を邪魔するかのように、部屋の扉が軽く叩かれました。
――もうっ、誰ですの!?
眠りを邪魔されて、プルルは怒り心頭です。普段は物腰柔らかいプルルですが、眠りを邪魔された時に限り修羅になるのです!
もう一度扉が叩かれました。さすがにこのままにしておけません。至福の時間を邪魔したことを後悔させてやらねばなりません。
ベッドから飛び起きたプルルは愛用の杖を手に取り、口の中でぶつぶつと呪文を詠唱しながら扉の前に立ちました。呪文の最後の一節だけを残し、その扉を開けると同時に魔法を叩き込もうと――
「――貫……って、あら、ルーク様じゃありませんか」
扉の向こうにいたのは、なんとルークでした。プルルはギリギリで魔法を止めると、杖を片手で背後に隠し、寝ていたことにより乱れていた髪をもう片手で整えます。衣服も乱れていて普段見せてない部分までおっぱいが見えていますが、プルルは気付いていません。
――これは……チャンスですわ!
出し抜くつもりはなく、他の女の子には悪いと思いましたが、こうして休暇中という普段とは違う状況で、偶然ルークと出会ったチャンスをみすみす逃す手はありません。一人になりたいと言っていたルークですが、押せば添い寝してくれるかもしれません。
「あ、あのルーク様……よろしければ一緒にお昼寝などいかがですか……?」
髪を直し終えた手でルークの手を取り部屋の中へ引き入れたプルルは、いそいそと先ほどまで自分が寝ていたベッドに潜り込むと、ルークが寝られるスペースを空けて誘いました。もしかしたら添い寝以上のこともしてもらえるかもしれない、と服の胸元に指を引っかけておっぱいの奥をちらりと見せながらです。
ルークは照れた様子で頬を染めながら、返事をする代わりに無言でプルルの隣へと横たわりました。
――!!!!!!!!!!!!!
ついに! あの
嬉しさのあまりプルルは、自分のおっぱいの魅力についに堕ちたルークへと、部屋に他に誰もいないことをいいことに服を脱ぐと、下着に包まれたそのおっぱいへルークの手を導きました。手首を掴んだその手に力を入れ、ルークにおっぱいの柔らかい感触を味わわせます!
しばらくルークの手でおっぱいを潰していたプルルですが、やがて、
――――――――――――
「……チマトナミに来るのも久しぶりです」
この町を訪れたことがあるモチチは、懐かしい気持ちで町を眺めながら、港へと向かっていました。
その手には釣り竿が握られています。
「魔物のせいで、釣れるかわからないですけど……」
港に着いたモチチは、大小様々な船が波に揺れる
釣果がどうであろうと、こうして釣り糸を垂らしながら思案に
久しぶりの釣りでした。四ノ国は最近まで魔王軍に支配されており、その魔力を危険視されていたモチチは幽閉されていたのです。
その時を思えば、モチチにとって勇者を篭絡しなければならないという今の旅は、まだマシでした。それどころか、楽しいとさえ感じているのです。ルークは自分に
これで密命さえなければ……、とモチチは何度思ったことかわかりません。
モチチが思考を巡らしていると、釣り糸が引っ張られました。魚がかかったようです。
考えるのを中断して、モチチは立ち上がるとその魚を引き上げにかかります。
と、その時、背後に人の気配を感じて、思わずモチチは振り返ってしまいます。モチチの力が抜けたのをいいことに、魚は糸を切って逃げていきました。
「……ってルーク先輩じゃないですか」
魚が逃げたことを気にした素振りもなく、モチチは背後の人物に向き直りました。そこにはルークが何をするでもなく、微笑みを浮かべて立っていました。モチチはとりあえずおっぱいを腕で持ち上げてアピールしてみます。
――これは……チャンスです!
出し抜くつもりはなく、他の女の子には悪いと思いましたが、こうして休暇中という普段とは違う状況で、偶然ルークと出会ったチャンスをみすみす逃す手はありません。一人になりたいと言っていたルークですが、押せば一緒に過ごしてくれるかもしれません。
「ルーク先輩、良かったら一緒に釣りしませんか?」
手に持っていた釣り竿を己のおっぱいに挟み込んでおっぱいをエロく強調するモチチは、ナニかを想像させるように、その釣り竿におっぱいを擦り付けます。経験したことはありませんが、本で読んだ男を虜にする技です!
それを恥ずかしがるかのように顔を背けつつも視線がしっかり追ってしまっている、耳まで赤くしたルークは、無言のまま埠頭の先へと腰を下ろしました。
――!!!!!!!!!!!!!
ついに! あの
嬉しさのあまりモチチは、自分のおっぱいの魅力についに堕ちたルークへと白昼堂々、海の男たちの目を気にせず、座ったルークの背後から首に腕を回して抱き着きました。まるでその背中を洗うかの如く、身体を上下させておっぱいを擦り付けます!
しばらくルークの背中でおっぱいを潰していたモチチですが、やがて、落ち着いた笑顔を浮かべると、ルークの隣に腰を下ろして、一緒に釣り糸を垂らすのでした。
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