第20話 教室でのキス
大輝とはるかは、二人校舎の間に、並んで座っていた。
大輝は、もし、あすかや、しのぶが、このことを知ったら、どんなに悲しむだろうかと思っていた。
一方のはるかは、顔に似合わぬ独占欲の強い性格であった。当面のライバルは、あすかとしのぶ。
はるかは、大輝が、優柔不断な性格と、わかっていた。だから、あることを思いついた。
はるか「宣戦布告しようよ!!!」
「誰に?」と大輝。
「あすかとしのぶに、あたしたちのキスを見せるの?」もはや、はるかは、真珠湾攻撃をする零戦だった。合図は「とら、とら、とら」
大輝は、まずいことになったと、思った。このあいだの夜は、ショックで、しのぶは、学校を休んだ。そして、あすかとは、キャンプにいくことで、許してもらった。
はるかの独占欲には、大輝は、気づいてなかった。
「するの、しないの、どっちなの?」とはるか。
もはや、大輝に逃げ道は、ない。
「音楽教室にしようよ」とのはるかの提案に、しぶしぶ、ついていく大輝。
音楽教室についた。ピアノの音が、聞こえる。
「じゃじゃじゃ〜ん」ベートーベン第五交響曲「運命」だった。弾いているのは、明子先生。
はるかは、「こんな時に」と思った。
大輝は、その音を聞いて、不吉な予感がした。
「視聴覚教室に行くわよ」作戦変更の指揮は、はるか。
視聴覚教室に着いた。誰もいない。
「さあ、しのぶとあすかに、ラインで、視聴覚教室に来てと送って」と促すはるか。
あすかとしのぶは、急にいなくなった、大輝を、一緒に帰るために、探していた。
その時に、大輝の名前で、はるかが送ったラインが来た。
「なぜ、視聴覚教室にいるのかしら?」とあすかとしのぶは、いぶかしかったが、その方向へ、向かった。
大輝は、これで、もう3人の友達関係は、終わりか?と思ったら、今までの記憶が、走馬灯のように、流れてきた。
はるかが「きたわよ、さあ」と大輝を促した。
大輝は、やっぱり優柔不断。
「ほら、はやく」と大輝の頬を手のひらで包み、キスをした。
「ガラ、」ドアが開いた。
「大輝とはるか」とあすかが言った。
二人とも、あすかとしのぶを見ない。
しかし、この二人の体勢は、明らかに、大輝がはるかに、キスされている。
二人は、ゆっくりと、離れた。大輝は、二人の顔を見ることが、できない。
しのぶが、声を上げた。
「無理矢理、キスして楽しい?」
はるかが言った。
「もう、大輝のことは、諦めてくれる?」
しのぶ「そうは、させないわ!」と言って、はるかに詰め寄った。
はるかは、驚いた。いつもは、おとなしい、しのぶが、何をするのだろうと。
しのぶは、はるかのくちびるに、自分のくちびるを吸うように、キスした。
それから、大輝のくちびるの後を消すように、舌で舐めた。
これは、意外。本当に、恋愛に強いのは、しのぶだった。はるかは、力が抜けて、その場に、座ってしまった。
はるかは、「お芝居でも、これは、なかった。」とショックを受けた。
「大輝、帰ろう!」と呼びかけたのは、あすか。
「カラスが鳴くから、かーえろ!」としのぶ。
次は、夏のキャンプ場。白紙に戻った恋模様は、乱戦に、なりそうな予感。あすかは、大輝とキスをするのか?
君は、ネバーランドの夢を見る。
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