第21話 炎のキャンプファイアー あすかを救え

あすかは、ウキウキしていた。明後日、大輝としのぶ3人で、キャンプに、行く予定だった。


「それで、なんで、私は、誘ってくれないの?」

とはるかが、大輝に言った。同級生の雄大が、はるかに、教えたのだ。


「言ってなかったっけ?」大輝は、とぼけた。まさか、あすかに言われてとは、言えない。


「私も加えてよ!」あすかが大輝に懇願した。困った大輝。後ろに、怒りのオーラを感じている。


「あすか、人数多い方が、楽しいんじゃないか?」と話す大輝。


「お願い、あすか、まだ、クラスメイトに慣れなくて」とはるかは言った。


あすかは、心の中で「この、魔性の女」と思いつつも、承諾した。


その時に、明子先生が、教室に入ってきた。

「あら、あんたたち、キャンプに行くの?保護者は、いるの?」と尋ねた。


「先生、お願いします。」と言ったのは、大輝。

大輝は、揉め事は、ごめんだと思っていた。


「いいわよ。先生も着任して、浅いし、車を出すわよ?」


ここから、身近なキャンプ場は、少ない。4人は、明子先生にお願いした。


キャンプ場に行く当日となった。大輝の家の前で4人は集まった。


「さあ、出発よ!」と言って、明子先生は、車を

走らせた。

「先生、この車の名前は?」と大輝。

「ヴォクシーターボV8気筒エンジンよ!」


「ファミリーカーに、ターボがついてるんですか?」と大輝が、尋ねた。

「特別仕様車よ」と明子先生は、自慢げに言った。


高速に入った。「飛ばすよー!」と明子先生。

4人は、椅子に押し付けられた。黙っていると、

いつのまにか、4台か5台追い抜いた。


明子先生は、運転が、上手だった。日頃のうっぷんを、晴らすかのように、アクセルを、踏み込んだ。


高嶺キャンプ場についた。目の前は、海である。

テントは借りた。飯ごうで、お米も炊ける。


今の時間は、午後三時。ひと泳ぎできそうである。明子先生含め、5人は、水着をきた。


なんといっても、明子先生のスタイルは、抜群である。付近の男性も、目を止める。ビキニを、はくところ、まだ、20歳と見ても、見間違いをしそうだ。


大輝が、先生を、ウットリと見ていたら、あすかが、大輝の耳を引っ張った。


「イテテ?」と大輝。

「そうやって、フラフラするからよ。」

ちなみに、あすか、しのぶ、そして、はるかも、ビキニだった。


3人とも、高校生にしては、スタイルは、良い。

はるかが、耳打ちした。

「遊びにいこ〜よ!」大輝は、迷った。だが、相手は、大輝にとって、ファーストキスの相手。


まだ、幼馴染の二人とは、したことがない。

「俺、ちょっとトイレに行ってくる」といつもの手を使った。

はるかも、いつのまにか消えていた。


残された、あすかとしのぶ。

「大輝のやつ、私たちを、裏切ったわよ。」とあすか。

「あんなやつ、地獄に落ちれば、いいのよ。」としのぶ。


「ねえ、せっかく海に来たんだから、泳ごうよ。」としのぶは、あすかに言った。

「うん。」とあすかは、いって、砂浜に向かった。


「あすかがいない」としのぶは言った。気がついたら、あすかがいない。


「どこに言ったのかしら?」

その頃、明子先生が、溺れかけていた、あすかを

救助していた。やはり、明子先生は、生徒たちを見ていた。


「先生、俺に任せてください。」大輝が、突如現れた。大輝は、本当にトイレに行っていた。


どうやら、心肺蘇生法が、あすかには、必要だ。

大輝は、体育に時間で、習ったことがある。


何より、あすかを、救いたい。

明子先生が、時間を測った。三十秒ごとに、人工呼吸と胸骨を押した。


「あすか、まだはやい。」と声をかけつつ、両手を重ね、胸骨を押す。


「はい。三十秒」と明子先生が言った。今度は、人工呼吸。漏らさないように、あすかの口に、息を入れる。


いつのまにか、しのぶとはるかも、来ていた。

「あすかー」としのぶ。はるかは、人工呼吸の役をした。


はるかは、「お願い」と叫んだ。


「ブホ、ブホ」と言って、肺に溜まっていた水を吐いた。」


しのぶが、背中をなぞった。大輝は、手を止めた。


あすかは、全員の働きで、助かった。泳ぎは、苦手でなかったが、背の届かないところで、すくわれてしまった。


「ごめん、みんな、心配かけて。」

「まだ、話さなくて、いいから」と明子先生。


君はネバーランドの夢を見る。

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