第14話 あすかの暴走

あすかは、朝から、不機嫌だった。

「おい、あすか、機嫌直せよ、ほら!」

と大輝から、渡されたものは、倉木麻衣のCD。


あすかは、黙っている。いきなり、そのCDを手に取り、バーンと床に投げつけた。


「こいつ、今回は、本気だ。」と大輝は思った。


はるかは、ドラマの撮影で、いなかった。

しのぶは、そこには、いなかった。ショックだったのか、学校を休んでいた。


「あすか、ちょっとこい?」大輝は

強引に手を引っ張って、誰もいない音楽教室に、連れて行った。


2人きりになると、あすかは、本音をぶちあけた。

「もう、はるかと付き合えば、いい」とあすか。


またも、昨夜の抱擁が、頭に浮かんできた、

大輝。

あすかとの距離は、1メートルほど。いくらなんでも、目の前で、同級生を抱きしめた大輝は、その行為で、あすかを傷つけたことに、罪悪感を、感じていた。


おそらく、あすかは、もう、大輝との距離が、離れたと、感じていた。


「おい、もうすぐ、夏休みだ。キャンプに行かないか、みんな一緒に」大輝は、そう提案した。


あすかは、もしかして、キャンプで、大輝とより近づけるかな!」と思った。


でも、たぶん、はるかがくる。思い切って言ってみた。メンバーは、大輝としのぶと私だけなら、OKよ」


「ああ、そうしよう!」大輝は、はるかが、それには、納得しないことを、知らなかった。


さあ、夏は女性を開放的にさせる。ただでは、すまないキャンプ。

君はネバーランドの夢を見る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る