第3話 嵐の入学式
今日は、春海高校の入学式。大樹、あすか、しのぶの3人も、春を無事に迎えた。
卒業式の一件も、なかったような、仲良しぶりだった。
ところが、災難は、突然に降りかかる。偶然にも、同じクラスの一年生。ずっと、このまま三人の関係が変わらないと、思っていた矢先だった。
「私が、担任の矢部明子です。よろしくね。」
女性が教師だった。見るからに、スタイルが良い。男子生徒は、色めき立つ。
身長は、167センチ。モデルにもなれるような、魅力的な女性だった。
あすかとしのぶは、お互いに顔を見合わせて、大樹を見た。ニヤついてる。年上の女性に、この頃は、憧れる、いわば、恋の病のようなもの。
「先生、質問があります?」と大樹。
「何かしら」と明子先生。
「恋人は、いますか?」と大樹が言うと、クラス中が、ざわめきだった。
明子先生は、落ち着いて
「残念ながら、いません。勉強に夢中になってたから。」
「年はいくつですか?」と大樹。
「大学卒業して、2年経つから、24歳、独身よ。」
そして、明子先生は、大樹に、こう言い放った。
「先生に興味があるのかな?」
大樹は、見透かされた気がして
「いいえ、別に」としか、言えなかった。
メラメラと嫉妬の炎を燃やすのは、あすかとしのぶ。まるで、後から出てきて、ご馳走を持っていくような感じに、襲われた。
女の敵は、女。攻撃の対象は、明子先生だ。私たちが大樹と、付き合いが、長いのに、この女何?
しかも、おばさんじゃない。
二人は、オリエンテーションが終わった後に、密談した。
「あの女に、恥をかかせてやろうよ?」とあすか。
「いや、そこまではチョットねえ。」としのぶ。
いきり立っているあすかは、こう言い放った。
「泥棒猫に罰を与えるのよ!」
「どうやって?」としのぶ。
あすかは、頭の回転が、早い女だ。
こう、言った。
「ホースで、水をかけて、服をビショビショに、してやろうよ!」
「エー?」としのぶ。
そこに、大樹が、現れた。
「何やら、悪巧みかな?お二人さん?」
ギョッと振り向く二人。
「もしも、あの先生に、何かしたら、俺が許さない。」
こうして、大樹をめぐる、恋の戦いは、始まった。
第3話となりました。この物語には、なぜかライバルばかり、登場します。
お話的に、面白いキャラクターをゲストとして、登場させます。
楽しんで貰えれば、幸いです。
君は、ネバーランドの夢を見る。
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