第29話 第八章 大ミミズ(4/4)
【地獄(?)に落ちた
一通り洞窟を見渡したので、鷹大の視線がパイへと戻る。
パイには、ヌルヌルな粘液だらけの大ミミズが、まだ何匹も絡みついている。
手に、脚に、胴体に絡んで全身を
やはり、天井の大ミミズとは種類が違うようだ。
そして、縛りながらパイの肌を撫でるように、
「ハズ目だ! うあん……、さっきまでその目でオリを見ていたのか? あうっ、い、色っぽいなどと言いながら、ハ、ハズ目だったのか? ふゆん……」
「えっ? 俺ってハズ目なの?」
鷹大には自覚はなかったが、肌を這う触手のような大ミミズに、その粘液にテカテカするナイとパイのビキニな肉体を見ていたので、それも、そうかなと思った。
ポンッ!
ナイの顔がパイの右側に出た! 大ミミズだらけの壁から顔だけを覗かせている。
「パ、パイ! ど、どくのですわ! 私が出られませんわぁ~。 ううん……」
Hっぽい苦しそうな表情だ。
ナイも早速気付く。
「ハズ目ですわ! はうん、鷹大がハズ目になっていますわ! あーん! 大ミミズが動くから……」
ジュブブッ!
ナイの体も出てきて、パイの横に並んで立った。2人が並べる余裕があったようだ。
パイと同じく、体には大ミミズが絡みつき、横穴から出すまいと体を縛りながら這っている。
「はうんっ!」
ナイは貧乳なので引っかかるものがなく、パイに比べて大ミミズの動きが速い、より快感が伝わっているようだ。
2人とも気持ちよさに耐え切れなくなると、かわいい声と共に表情が甘く崩れる。また、透明な粘液の飛沫が、ピチャッと跳ねたりもする。
鷹大の助平心に、パワーを与えた。
パイは早く大ミミズから解放されたい。
「あ、あーん、鷹大! も、もっと遠くへ行け! 早くだ! ふあー、そのハズ目が近くにいるとオリが出られんぞ! にゃわー」
大ミミズにあえぎながら、パイが訴える。
すぐ前に鷹大がいるので、ハズ目に近づきたくないパイとナイには、抜け出るスペースがないのだ。
「分かったよ。近くで、もうちょっと見ていたかったけど、少し離れるよ」
鷹大は数歩後ろへ退いた。
「あう、このミミズめ! オリの手足を離せ!」
パイは手に絡んだ大ミミズを外しにかかる。
片目をつぶって、快感に耐えるような
右腕が自由になると、その手を使って左腕の大ミミズを外す。
胸や腹や腰のミミズは両手の力だけでは足りず、体重を前方にかけて体を斜めにしながら、手も使って外した。
そのままの流れで、斜めな体を前方に倒し、両手を地面につけて、絡まる大ミミズの束から足を片方ずつ引き抜いた。
やっと、パイが開放された。
ナイも手から外そうとしているが、大ミミズの力が強い。なかなか外せない。
もしかしたら、泳いだ時の疲れや、動物に襲われた時のダメージが残っているのかも知れなかった。
「仕方ないな、ナイは」
パイがナイを見かねて、大ミミズの束に埋まっているナイの腕をつかんで引こうとした。
しかし、ヌルヌルしてナイの腕をつかめない。
「ナイ! 手が滑って引っ張れないぞ!」
「体ごと引くのですわ! 腕より胴の方が太いですから、引き出す力が伝わりますわ!」
ナイは考えていたようだ。
「やってみるぞ!」
パイは体勢を低くして、ナイの腰の後ろ辺りにいる大ミミズをかき分けて、ナイの背後へ右腕を回した。
まるで、パイがナイに抱きついてるようだ。
「スッゲー、いいシーンだ!」
鷹大は、もっとよく見ようと、2人の側面へ回り込む。正面よりも臨場感が伝わってきた。
パイの右腕がナイの背中に回っているので、パイの
親密に抱き合うビキニ! テカテカした素肌! 絡まる触手!
そして、臨場感を伴う見る角度!
パラダイス!
超名場面だ!
一方、パイは腕に力を込めて、ナイを引きずり出だすが、大ミミズが手足に残り、ナイの体は『く』の字だ!
苦しいはずなのに、ナイは気持ち良さそうに
もう、目の前に居ながらにして、覗き魔気分だ!
パイは残った大ミミズを外そうと、
巨乳が大きく揺れる!
プルンッ! プル プルッ! プルルンッ ルン!
なのに、顔は真剣なのだ。
このギャップ! メッチャ、いい!
鷹大は喜びに打ち震えた。
しかし残念、
グィーーーーッ!
パイが、ナイの体を引ききって、ナイの拘束も全て解けた。
バタンッ!
2人が抱き合ったまま地面に倒れ込んだ。
パイの巨乳が、クッションのようにナイの体を受け止める。
ポヨン!
巨乳の上でナイの体が弾んで宙に浮いた。
ポン!
でも、すぐに巨乳の上に落ちる。
ユ~ラ ユラ……
そして、浮くことなく、巨乳の上を上下に揺れたのだ!
鷹大も乗ってみたいと言いたかったが、とても口にできない。記憶に刻むくらいにした。まあ、体の大きさが違うのだから自粛は当然である。
「助かりましたわ、パイ! 礼を言いますわ、ありがとう、ですわ」
ナイは、いいことが終わったばかりのような、疲れたけどすっきりとした顔になっている。
「ナイは世話が焼けるのだ! 動物にやられて力が出ないのだろう」
パイはナイの腰に手を回したまま、気にかけるくらいに優しくなっている。
会った頃と比べたら天と地だ!
それ以上に、女の子同士の特別な関係のようだ。
「ハズ目ですわ! 鷹大がハズ目で見ていますわ!」
ナイが、ますます磨きがかかった鷹大の眼福に気付いた。
「ナイ! 早く起き上がれ! 離れろ! 鷹大のハズ目が治らんぞ!」
ササッ! スッ!
2人は一瞬にして立ち上がり、いつもの顔つきに戻った。
残念!
鷹大のサービスタイムは、これにて終了となった。
「鷹大! まだハズ目だぞ! 早くやめろ!」
「だって、パイもナイも体がテカテカして、何か色っぽいと言うか、Hっぽいと言うか、……」
鷹大はモジモジしながら、凝視である。
ナイは自分の腕や体を見る。
「テカテカは仕方がありませんわ! あの大ミミズの中を通ってきましたのよ! 乾くまで、このままですわ。鷹大も慣れるのですわ! とにかく、ハズ目をやめるのですわ!」
ビチョッ グチャ ジュブブ
大ミミズの横穴から、次の人が出てきた。
テカテカした肌!
しかし、男だった。
黒く日に焼けた肌に、ボディビルを始めたばかりのような、硬い筋肉をまとったトランクス水着を履いた角刈り男だ。
粘液に輝く筋肉が、力強く大ミミズを振り払っている。
「お、男! 男のテカテカは見たくない!」
鷹大は目をそむけた。
「ハズ目が治ったのだ! 鷹大は男を見るとハズ目が治るのだな」
パイは新しい発見に表情をほころばす。
けど鷹大は、それどころじゃない!
「男の水着姿ってだけでも見たくないのに、テカテカした男の体は、もっと見たくないよ。お陰で記憶に刻んだばかりの嬉しいシーンが、どっかに行っちゃったじゃないか!」
涙声になってしまう。
「これはハズ目を治す薬ですわ」
ナイはにんまり、鷹大の弱みに気付いたって風。
「男が薬か!」
ポンッ!
パイはなるほどとばかりに、
「うえーーっ! やめてよ、ナイ~~!」
鷹大はたじたじである。
「フフフッ ですわ」
「ハハハッ なのだ!」
ナイとパイの機嫌は、裏返ったように良くなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます