第2話 キャプテン・フラワー

 休日だけど、予定もない。なんとなく公園に散歩へ行く。夏の日差しが照りつける。汗ばむが、たまに風が吹き、それが気持ち良い。


 公園ではカラスが我が物顔で、カアカア、鳴く。音楽を聴きながら歩いていても、うるさい。カラスは怖い。黒いから?羽を広げると大きいから?


 大きな木から颯爽と降り立つカラス。何やら、芝生の上で物色している。小さな白い花が群生しているところへ容赦なくクチバシを打ち落す。白い花たちがなんだかかわいそう。

 

 いじめられている白い花たちの真ん中に一輪の赤い花が、凛と咲き誇っていた。カラスはそれを睨みつけた。けれど、飛び去っていった。


 小さな白い花たちは、赤い花に寄り添うようしている。


 彼らのキャプテンのようだ、と思った。キャプテン・フラワー、なんとなく、そうつぶやいた。

 

 キャプテン・フラワー

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