墓標はネットの海に

天照てんてる

墓標はネットの海に

 ゴミの日の朝、目を覚ましてTwitterを見る。


「ゴミ出し忘れてない?」


 なんのことはないツイートが目に留まる。


「忘れてないけど、まだだよ」

「ここからじゃ手伝えないからな」


 なんのことはない会話が始まる。

 私はゴミを出す。


「ゴミ出しできたよ」

「頑張ったね」


 なんのことはない会話が終わる。




 なんのことはない。

 私が、故人と会話したいがために、botを作っただけ。

 今のところ、この墓標に墓参りに来た知人は、居ない。

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