第4話、出会いってやつみたいですよ。
『い゛っ!!!?』
なんだか悲痛な声が聞こえて来た。
「だ、大丈夫かな」
さっきは心の中で思ってただけだった言葉がついに口から出てしまう。
しかしこれからしばらくお世話になる人に困惑、
ないし緊張した顔を最初に見せるというのも申し訳ない気がする。
なので古典的だとは思うけど、
軽いおまじないをする事にした。
人、人、人。
手のひらに人を3人書く。
よし。書いた。
書いた手のひらとは逆の手を握り
「どーん。」
そ し て 潰 す 。
ひいばあちゃんが教えてくれた心を落ち着けるおまじないだ。
人と書いて飲み込むのが
どうにも僕にはこれが合う。
ひいばあちゃん曰く。
「こうなってしまえば人だろうとなんだろうと
との事。
些か
とにかく今はこのおまじないで若干落ち着いたから感謝しよう。
ありがとう。ひいばあちゃん。
そんなこんなでもう3分が経過した。
多分さっきのアレ、相当痛かったんだろう。
何があったかは知らないし、
聞くのも失礼だと思うから聞かないけど。
そういうのって大事だと思うんだよね。
なんていうか、こう。
エチケット的な、マナーと言うか。
『はいはい、今開けるからの。』
第2印象はそれである。
第1印象?
クソゲーと、悲痛な叫び。
とは言え準備ができたらしい。
がさがさ、ガチャリと音が聞こえ
「おぐっ!?」
手前に勢い良く開いた扉が僕の顔面で耐久テストを始めた。
「そ、外開きかよ………」
あ、これ良いところに入った……
そう思うや否や僕の視界は黒に染まっていく。
大丈夫かな…お土産のお菓子…。
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