第三の話…えっ?二話ではないのか?あ、そう……
うむ。
え?儂じゃと言われてもわからん?
じゃあわかりやすく言うと、
今そこで半ば怒りながらげぇむやっとる妖狐が儂じゃ。
儂、どちらかといえばこの世界ではだいぶ万能な部類の妖狐ゆえにな。
こうやって顔も知らぬお前さんみたいな
いや本当に。
とは言え今こうやって語らっとる儂はこの時の儂では無い。
その事は先に伝えとかねばならんかのと思った訳じゃ。
「くそげぇが過ぎるじゃろがい!!」
おーおーこの時の儂、
確かこの直後だったかの。
『ぴぃんぽぉん』と音が聞こえて来たのは。
「なんじゃいなんじゃい…来客なんぞ珍しい。」
然し乍ら儂も気をつけねばならぬと毎回思ってはおるんじゃが
一旦夢中になってしまうと少なくとも一週間は没頭してしまう癖はいい加減治さんといかんの。
「い゛っ!!」
あー、そうじゃこの時裸足で潰れたあるみ
思い出すとなんぞ足がこそばゆくなりよるわい。
しかしまぁなんじゃ。
完全にあやつが来る事忘れとるなこの時の儂。
「つぅ…なんじゃろ。税金の徴収かの。」
生々しいのぅ儂。
何百年も生きとるんじゃからもうちょい浮世離れしたせんすでも良かったろうに。
「はいはい、今出るからの」
おーい、せっかく扉に覗く穴があるんじゃから確認してから出た方が良いぞー。
いくら儂じゃからって無防備が過ぎやせんかの。
どんだけ儂、熱中しとったんじゃこの時。
「なんぞ喧しいのぅ…」
お、忘れとったわい。
この時の儂、今の儂の声聞こえとったわ。
そして、開けるんじゃよな。
よそ行き…と言うか人前に出る時用の顔で。
儂の遠い親戚…いやそんなに遠くもなくはないか…?
いや遠いの。
なんせもう7、8
とにかく、この時の儂は
『儂の妹の遠い子孫』の若造と儂を挟む扉を開けた。
その事実は変わらん。
過去でも改変せん限り、じゃがの。
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