第3話 戦国の世界
「お前ら…シンの団と遭遇したのか?」
「はい…副リーダーを名乗るルプスという男に遭遇しました。」
私達はこの日あったことを家族に話していた。
「危なかったろ?どこも怪我はしてないか?」
「大丈夫だよお父さん。」
「なら良かった…今後は気を付けて行動しろよ。」
それだけ言うとお父さんは二階へと上がって行ってしまった。
ーその夜ー
「カトラ…セリド達がシンの団と遭遇した今、きっと奴らはセリド達を殺しに来る。」
「どうしたらいいの…?ラルス…」
「クロウとドメイクを呼ぶんだ。マルロさんには悪いが…今はセリド達の身を守らないと…」
「分かった。私も出来る限り協力する。」
「ありがとうカトラ。セリド達が次の世界に行っている間に会議を開くぞ。」
ー翌日ー
「えーと、次に行く世界は…戦国の世界!?」
「戦国というと相当昔の時代の世界ですね。」
そんな世界に次は行くことになるなんて…大丈夫かな…?
「それで、会うべき人物は…にちまる?」
「日丸(ひまる)ですよセリド様。」
「あぁ~そういうことね。」
こんな漢字も読めないなんて、凡ミスにも程がある…
「じゃあ行って来るね!お父さん、お母さん!」
「では、行って参ります。」
「二人共、気を付けてねー!」
ガチャ…
「あの子達、大丈夫かな…ラルス…」
「大丈夫だカトラ。あいつらなら…」
ー戦国の世界ー
バタン。
「着いたけど…ここ森?」
いきなり着いた場所は緑が生い茂る深い森のようだった。
「セリド様、あの岩に腰かけている少年が日丸様です。」
見ると、この時代らしい格好をした少年が岩に腰かけているのが見える。だがこの時代らしいとはいえど、少し質素にも見える。
「あなたが日丸?」
私達を見上げた日丸と思われる少年は立ち上がり、私達を睨み付けた。そして次の瞬間…
カチャン、バシュッ!!
「おわっ!?」
いきなり物も言わず腰に差した刀を素早く引き抜き、それを私達に向けた。
「……刺客…」
「し、刺客って一体何のこと!?」
彼はただその言葉だけを言い、私達に襲いかかる。
「あんまり予想してなかったけど…レイヴ!」
「対象を傷つけないようにお願いします。」
シュン…
レイヴを長刀にさせて戦闘態勢に入る。
ガキィン!!
「………!!」
「ちょっと待ってって!私達はあなたと戦いに来たんじゃ…!」
「……斬る……!!」
ジャキィン!!
会話したいのに相手がこんなんじゃ話にならないじゃない!
『この剣術…少々荒っぽいながらも力強く…そして素早い…!』
「冷静に分析してないで何とかしてよ~!」
キィン!!
「……」
「本当にあなたには何もしないから!話だけでもいいから聞いてよ!」
「……!!」
それを聞いてハッとしたのか、少年は刀を仕舞い冷静さを取り戻した。
「はぁ…ようやく落ち着いてくれたのね…」
ー数十分後ー
「ごめん…なさい…」
「落ち着いたならもう大丈夫だって。」
さっきの行いを責めているのか、謝っている。とりあえず彼が日丸であることは間違いないみたいだ。
「私達はね、異変というものを解決するために外の世界から来たの。この時代じゃああまり良く分からないと思うけど、そういうことなんだ。」
何せ今いる時代は日本の戦国時代なんだからなぁ…外の世界とか言ってもあまり通じはしないか。
「…………」
日丸は黙ったままこくん、と頷いた。本当に分かってるのか怪しいところだが。
「日丸はずっと一人で旅をしているの?」
またしても黙ったまま首を横に振った。彼は別に喋ることが苦手とかそういうのでは無いっぽい。ただ相手が分かれば良いという考え方をしてるからかな?
「菊…がいる。」
「その菊さんって人がいるんだね!」
名前を聞く感じ、女の人っぽい?
「おやおや…子供がこんなところにいては危険ですよ?」
「あなたは!?」
「…!!」
この黒スーツ…シンの団…!
「私はシンの団戦闘員、怠惰<スロウス>のセバスと申します。以後お見を知りおきを…」
「やっぱり…シンの団の人間!!」
薄ら笑いを浮かべるこの中年男性…まるでこれから起こることを楽しみにしているかのように…!
「副リーダーが見逃してしまったのでね、今度は私があなた達を始末しに来たという訳ですよ。」
「要するに、戦いに来たってことでしょ!」
「おやおや…私は戦いに来たなんて一言も言ってませんのに…まぁでもすぐに終わりますよ。痛みは一瞬ですから。」
カチャカチャ…
「なっ…!?」
セバスが目の前に出したのは、まるで阿修羅のような姿をした傀儡…その何本もある手には剣や針などの物騒なものがいくつも握られていた。
「ククク…私は人を串刺しにするのが大好きなんでね…これであなた達もすぐに始末してあげますよ。ついでに、そこにいる質素な少年も。」
「…!!」
今動けば皆ここで死んでしまう!一体どうすれば…!?
「さぁ踊りなさい、非天劇・阿修羅!!」
「きゃあっ!!」
続く。
次回のロスト・メモリーズⅡは
「今、セリド達の身が危ない。お前達に協力してもらいたいんだ。」
「あの子とセリド様のためなら、私は迷いなく引き受けます。」
「これもきっと運命なのか…お前に会わなかったら今も俺は間違った正義を信じていたんだろうな。」
「ドメイク…お前…」
「必ずや殺す…!今日、ここでッ!!」
次回「いらない言葉」
「ようやく俺の出番か!!レクス!!」
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