超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略 / 岡田斗司夫 FREEex

 もはや、イヤなひと戦略はリスク!


 岡田斗司夫 FREEex とは、「社員」が、社長である岡田斗司夫氏へ「給料を支払う」システムである。

 ただし、今は別の人が責任者らしい。


 そんな組織に属する方たちは、


「コンテンツを使用した団体は『フリラック印税』というコンテンツ使用料を支払い、FREEexメンバーに還元する。電子書籍・映像・イベントなどで印税率は異なる。貨幣経済社会から評価経済社会への移行促進も目的の一つであり、岡田の評価を利用し外郭団体は収入を得ている(ウィキより記事抜粋)」


 という感じ。


 評価経済とは、

「自身のキャラクター性を売り込んで、収益を得る」

 という感じ?


 貨幣はもはや必要ないかもしれないという理論に基づき、

「できることを売り込んで、欲しい物を得る」

 という印象を、本書から受けた。


 そのメンバーの経歴が面白い。


 メンバーの一人には、

「月に3万円にしかならない仕事を、10個やる」

 という既婚者の男性がいる。


 その方の仕事内容は以下の通り。


 野菜の出荷

 新聞配達

 古新聞を卸す

 遺跡発掘

 大学の後輩へ、家庭教師を斡旋

 寿司屋の手伝い 

 高齢者を車でバス停まで送迎し、ガス代だけもらう

(もらいすぎると『白タク行為』となり法に触れる) 

 

 などなど。


 他にもいろいろな仕事に手を出していて、年間350万円を稼ぐ。

 しかも、バーテンダーのバイトをしていたときに知り合った奥さんのところに婿入り!


 教員免許を持っているのに、仕事はバイトばかり。


 月三万円ビジネスの何がいいかというと、


「お金がスキな人が見向きもしないので、一生ブルーオーシャン維持」


 できる点であるという。

 つまり、競争しないのだ。


「ライバルがいない」

「高いクオリティは求められない」

「クレームを言ってきたやつは、切ればいい」


 これらのメリットにより、

「月に30万稼げるビジネスにへばりついて消耗するより、有利」

 という提案なのだ。


 本書は、日本一有名なニート「pha」さんの立ち上げた、

「ギークハウス」

 の戦略にも触れている。

 ITに強いニートが共同生活できる場所を作ったのだ。

(2021年現在、「pha」さんは一人暮らしをされている)



 そのギークハウスを武蔵小杉に作った方がいる。

 彼は家賃滞納しそうな人へ、「お金ではなく、時間や労働を払ってもらう」という。

 お金を払って貰う代わりに、雑務やITの仕事を割り振って、家賃の代わりにしているらしい。



 このように、儲けではなく「他者貢献」によって金銭以上のものを得るという経済へ、世界はどんどんシフトしていくのでは、と本書は語っている。

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