物語の才能【応用編】ストーリーをもっと面白くする方法/ヒロなんとか

 物語の才能というサイトを運営する、「ヒロなんとか」さんの著書。

 基本編はサイトを見ればわかるので、本書は「応用編」と題している。


 本著は「なぜ、あなたの作品は面白くないのか」にスポットを当てている。


 話の焦点があっていないとか、描写に溺れているとかである。暗い話ばっか書いているとかも。



 特に筆者は

「テーマは、作者のメッセージではない」

 と断言する。


「作者の言いたいことこそテーマだ」と思っている人が多い。


 オレも、そうだと思っていた。


 だが筆者は、

「そんな考えでは、主人公が聖人君子になって周りに文句を言い出してしまう。結果つまらなくなる」

 という。


 たしかに、オレもやらかしてしまい、。主人公が

「仙人のような何も間違えない超絶善人」

 になってしまった過去を持つ。

 この言葉は、オレにえらく刺さった。


 ではどうするのか。


「自作の登場人物を外国人に変えて読んで見る」

 という。


 そうすると、どこが出来ていないか、感情移入できないかが一発でわかるそうだ。

 キャラを変えるだけで、自作に対する愛情が薄れるので、客観視できるという。


 

 お話とは、「主人公が自分の間違いを正す話である」と覚えておけ、という。

 

 人気の主人公には必ず「裏ストーリー」があり、それは他人に知られてはならない。


 それを解消していくのだと。


 テーマとは、「主人公がうちに秘めている本当の自分」である。

 それがなければ、主人公はただ頑張っているだけになってしまう。

 そんな現象こそ、「つまらない小説」ができてしまう理由だと語る。


 

 また、作品は読者のためでも作者のためでもない。

「主人公のために存在する」からだと主張する。


 この世界は複雑で、「作者の気持ちを数文字でまとめる」なんていう極論では表現しきれない。


 主人公を救うことが、物語の義務であると。


 本著はそれを、

「太平洋戦争に散った特攻隊の思いを誰かに伝える」

 ことに喩えている。


 何かを言いたいから物語を書くのではなく、何かいいたいことのある人に耳を傾けて書く。


 何をかけばいいかわからない人は、「書くべき主人公を見つける」ことが重要だという。


 基本編も重要なことが乗っているので、そちらと合わせてぜひ読んでもらいたい。

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