ハイブリッドワーカー 会社勤めしながらクリエイティブワークする/ヨシナガ

 クリエイティブ業と別の業務、「二足のわらじをはいた」クリエイターのインタビューをまとめた記事。


 メンタリストDaiGoさんが「仕事と夢、両方同時にできるか不安だ」という質問に「この本読んだら?」とススメたものである。



 最初の項目が田中圭一という時点で、この本が曲者であるとわかる。

 サラリーマンでありながらマンガを描き続けていて、手塚治虫タッチでエロを描くことで知られている。手塚るみ子に本の帯を書いてもらうという狂気溢れるマンガ家だ。

 


 個人的に気に入っているのは、芥川賞作家の津村記久子先生が「分眠をしている」という点である。

「ラジオ聞きたいから前もって寝ておき、ラジオが終わったらまた寝る」

 という生活が定着し、今でも分割して寝ているという。

 これはオレも昔、実践していた。深夜のアニメを見るために仮眠取ってた。



 また逆に、福山雅治、藤木直人などを輩出したプロデューサーが「農業」を始めたり。



 あと、この本ももっとも面白いポイントは、



「『ずっとやりたかった夢を叶えるんだ!』って人が、一人もいない」

 ことである。

「ずっとずっと前からやりたくて、とうとう夢を叶えた!」

 という人が、面白いくらいに一人も出てこない。


 全員が、「なんとなく」続けている。


 料理研究家のOLブロガーさんは、家庭科教師の資格を持つ母を持ちながら、本人は料理ができなかったらしい。

 高校時代、手作りだと伝えて好きな人に渡した弁当は、『友だちに作ってもらった』ほどである。


 弁当作りを始めたきっかけも、会社の同僚が弁当派だったからだという。買いにいっている間待たせてしまうから「仕方なく」弁当を作り始めたそうだ。


 また、ブログランキングも出版要請には関係ないという。

 上位のブログってねぇ……まあ、「スピ」とか「政治の悪口」とか「投資」ばっかりやからね……。


 誰しも、人生をかけてまで目標立てて始めたわけではないのだ。





「好きだから続けている」

「クリエイティブ時と違う業務をしていると、続けやすい」

「ゲームやチャットをしている感覚」

「努力しているつもりはない」

「何かを犠牲にしている意識もない」


 だから、続けられるのだと、どのクリエイターも語る。


「やりたいことがないから、できることをやっている」

 という意見も合った。


「Web日記でいいから始める」

 という気持ちで第一歩を踏み出すことが大事とも。


 まあ中にはケツメイシのRyo氏のような、薬局のバイトをしながら嫁にいびられつつ音楽をやっている人もいるが……。


 ただRyo氏は

「ダメだと思って辞めた人って、達成するまで続けなかっただけ」

 と語る。


「自分のプロデューサーである柳さんは、バークレー音楽院を出ている。とはいえ、周りは絶対音感持ちなど、スゴイ人ばかりだった。しかし、みんあやめていった。柳さんは帰国後もずっとやっていた。喩え食えなくても。気がついたら、上の地位に就いていた」

 と。



 その生き方に共通するのは、「金銭的にも時間的にも無理はしない」ところといえる。

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