ファンダム・レボリューション SNS時代の新たな熱狂/ ゾーイ フラード=ブラナー

 昨日の「99人の壁」、面白かったね。あの女子小学生。

 あれこそファンの鑑よ。

 

 本作は、「ファンとはなにか」を解く本である。



 1987年。

 プロレスラーのハクソーと、ライバルのアイアン・シークが、飲酒運転とマリファナ所持の現行犯で逮捕された。

 問題は、これからリングで戦う宿敵同士が、仲良くトラックに同乗していたことだった。

 ハクソーは善玉ベビーフェイス、シークが悪玉ヒールだ。



 当時のファンのキレ方は尋常ではなかったという。


 本作は、ファンとの交流法と、いかにファンを裏切らないかが描かれている。


 紹介されている記事は、バークシャー・ハサウェイの株主総会で行われる会長兼CEO「ウォーレン・バフェット」との交流から、VOCALOID「初音ミク」まで多岐にわたる。


 バークシャー社の総会の特徴は、バフェットに直接質問できること。

 彼らはバフェットをスパイダーマンと同じ様に捉えている。


 初音ミクに関しては、

「昔はエンタメにはプロの手が必要だと思われていた。しかし、初音ミクはソレが間違いだと証明した。ファンがエンタメを作ることを可能にした」

 文化人類学者はこう語る。



 ファンの行動に企業が便乗して商用すると、なぜファンは怒り炎上するのか。

 どのようなことを、ファンは「裏切り」と捉えるのか。

 消費者をいちファンに変える方法とは。



「ファンを本当に価値あるものとするのは、クレジットの使用回数ではない。愛するものに近づきたいという飽くなき欲求なのだ」

 この一文が非情に刺さる。

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