ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門/木村 尚義

 ラテラルシンキング、いわゆる「水平思考」をビジネスに活用する方法が書かれた書籍。


 水平思考とは、積み上げていく思考法、ロジカルシンキングとは違って、「発想を飛ばす」力に長けている。

 考え方の可能性を広げることが、ラテラルシンキングの長所だという。


 おそらく、同著が参考にしたチップ・ハース氏の

『アイデアのちから』

 の方が有効かも知れない。メンタリストDaiGoさん推奨本だし。

 あっちの方も、いずれ後に紹介する。


 が、その本はかなり長いため、ひとまずこっちで。

 安価な上、Kindleアンリミテッド対象なので、本書の方が手に入りやすい。


 NASAが「無重力内ではボールペンを使えない」ことを発見。一生懸命「宇宙空間でも使えるボールペン」を開発している中、旧ソ連は鉛筆を使っていた。


 海外の格安航空会社は、顧客獲得のために「座席を先着順にした。

 行列のできるラーメン屋の隣に出店して、「長時間待たされている顧客を吸収」する。


 といったエピソードが多数書かれている。



 本書で使えそうなのは、「アイデアの組み合わせ」だ。


 有名なのは、「アイスクリームの容器回収に困っていた屋台が、隣にいるワッフル屋と組んで『コーン付きアイス』として販売したら定着した」という逸話だろう。


 スマホはいわば、「携帯電話」にデジカメ、ゲーム、手帳、音楽プレイヤー、メール、本がぎっしり詰め込んだモノだ。


 なろう系ならよくある「異世界+○○」といった組み合わせ。


 たとえば「大衆食堂」や「居酒屋」と言った具合。


 これまで、その特定のジャンルで異質と呼ばれていた、組み合わせるなんて想像もしていなかったテーマが、異世界や

恋愛モノなどと組み合わさって、化学変化を起こしている。


 また、マンガでもその組み合わせ技術は活用されている。


『暗殺教室』をラノベに置き換えたら、こうならないだろうか?


『異世界ものによくある「チート系主人公」を、「落ちこぼれ成り上がり最弱無双系主人公」が殺すまでの話』


 といった感じに。


「マイナスをプラスに変える」という発想もいいだろう。



「元珍走団の牧師」とか「元魔王の高校生」、先ほどの『暗殺教室』でいえば、「元暗殺者の教師」などである。

 作品と手は、もはや一般化していないだろうか。



 今は大変な時期だ。


 ただでさえ不況が迫っている上に、「ずるい考え方」次第で誰でも成功できる時代である。


 だからこそ、「ずるい考え方」を自身に落とし込み、「うまく切り抜ける」技術が必要なのではないだろうか。

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