年収100万円の豊かな節約生活術 Kindle版 / 山崎 寿人
50代プータローの節約術。
こう聞くと、さぞつましやかな極貧生活を連想するだろう。
だが、彼の生き方は節約術を通り越し、もはや道楽を形容してもいいくらいだ。
著者は東大を卒業後、お酒会社の広報を勤め、日本新党の職員までしていた。
当時で言うなら勝ち組まっしぐら。
だが、彼はその職をなんと30代で退職し、今に至るまでプータローとして過ごしている。
しかも、いじめやパワハラなどではなく
「小説家になりたいから」
といった、ユルい理由から。
まさに、今で言う「プロ無職」である。
だが、生活保護などの支援などまったく受けていない。
実は彼には、マンションの一室を親から譲ってもらっていて、その賃料で生活をしていたらしい。
だが、借主がいなくなり、大家から、
「古いから、更に貸すなら修繕しないといけない」
と言われた。
著者は1500万でその部屋を売る。
その1500万だけで、年金が入ってくる老後まで過ごそうというのだ。
年間100万だけ使って。
そんな生活で、実に二〇年も過ごしているのだ。
凄まじい金銭感覚の持ち主である。
とはいえ、彼の生き方はまさに「時間を大切にする」生き方である。
貴重な品は、家電とPCくらい。
初期費用で圧釜炊飯器とパンベーカリーを手に入れ、趣味の料理で友人をもてなす。
ごくたまに、クレジットの会員やミステリショッパーなど、副業をこなして臨時収入を得ることも。
ただ、それはあくまでも臨時収入で、代金はポイントでもらってネットショップのタシにする程度だという。
でないと、タガが外れるから。
そんな彼は、知り合いから「大丈夫なのか?」と聞かれると、こう答えるという。
「自分には、年収が一億ある。そのうちの9900万で自由な時間を買っているのだ」
と。
オレも年収が手取り200万以下で、同じように考えていた。
「時間を買ってるんや」と。
家庭を持つのはほぼ諦めているけど、残業やノルマに追われないスタイルを貫いている。
その考え方自体は、間違っていないと言える。
だが、この著者のように徹底しているかなぁ。
ちょっとマネできない。
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