個性を捨てろ! 型にはまれ!/三田紀房(Kindle Unlimited

『ドラゴン桜』や、2019年に映画化された『アルキメデスの大戦』などで知られる、漫画家・三田紀房先生の書籍。



・独自性にこだわるな! 大事なのは「型」!


 どんな成功にも、必ずパターンがある。


 これは、マンガや小説でも言えることである。

 あらゆる名作には「パターン」が存在し、それに沿うことで読者がつく。



 序破急 

 起承転結

 三幕八場

 ブレイク・スナイダー・ビートシート


 こららすべて、物語の『型』である。

 


 逆に、こだわりすぎなクセの強い作品に、ファンはつきにくい。


 これは、作品だけではなく、人そのものにも同じことが言える。


 個性的な人より、平凡な人の方がとっつきやすいよね、と。



・普通をバカにしない!


「普通のサラリーマンになることを嫌った結果、ニートになっていないか?」

 

 文中で、著者は強烈な意見をぶつけてくる。


 かつて、トルシエジャパンは

「組織的で没個性的すぎる」

 と言われながらも、十分な結果を残した。


 逆に、ジーコジャパンは選手の主体性を重んじた。

 選手も、個人技を得意とする曲者ばかりである。


 その結果、チームの和が乱れて惨敗した。


 この試合後、中田英寿は引退。

 皮肉にも、そのときのW杯で優勝したのは「組織的サッカー集団」のイタリアだったじゃないか、と著者は語る。


 本著は、ジーコジャパンを例に挙げ、

「選手の主体性を重視した戦法が、いかに『個性を殺す』か」

 を主張する。


「チームのためにお前がいるんだ」

 と、かつて「スラムダンク」の安斉先生も言っていたな、と思い出す。



・個性とは、人の役に立つこと!

 誰かの役になって初めて、個性が生まれたことになる。



「もっと組織に従属しろ」とか、「親や教師に従え」とかなど、耳の痛い話も出てくる。

 素直に賛同できない部分もあるだろう。



 著書の中で、自分に響いた部分を抜き出し、活用していけばいい。

 読書とはそういうものである。

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