三木一馬 / 面白ければなんでもあり(購入

 ラノベ作家を目指す人なら、三木 一馬社長の名前を知らない人はいないだろう。


『と禁』、『俺妹』、『SAO』などの作者を輩出した、伝説の編集者である。


 現在はストレートエッジ所属の編集者であり、EGG FIRM社外取締役でもある。


『面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録』

 である。


『俺妹』製作秘話とか面白いので、そこだけ読んでも引き込まれる。

 まるでラノベみたいな展開になっていくのが、また面白い。


 本書はラノベを売るコツが書かれている。


・やりたいことは、「家訓」にせよ。

やりたいことからズレると、つまんなくなる。

ヘタすると完成まで辿りつけない。

『性癖を暴露する』、『本能に従う』とうまくいくよ!


・一作目は、絶対に「失敗」せよ

 三木一馬と言えど、当時は失敗続きだった。

 かつて三木氏は、「電撃文庫のお荷物」とさえ言われていたことがある。

 今では信じられない話だ。


 だが、


「自分の趣味で独善的に面白いと思った作品は絶対に売れない」


 と気づくには、失敗する必要があったのである。

 それが、後の『灼眼のシャナ』完成によって実を結ぶ。


・売れる作品は演出面で違いがある。

 泣いている少女一つとっても、顔を見せず演出だけで泣いていると読者に分からせる


・小説で避けるべきこと

「過度にアンモラルな行動を取り、読者の気分を害する」

「登場人物ではなく、作者の主義主張が出すぎ」

「読者を楽しませる気がない」


・読者の善意に甘えるな

 設定や作中人物像などについて質問されるのは、それらの設定を作品に落とし込めていない証拠。


 といった具合に、創作についてかなり突っ込んだ話をしてくれている。


 第一線にいる方の脳内を覗くチャンスなので、ぜひ読んでね。

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