長谷川裕一 / すごい科学で守ります!―特撮SF解釈講座(図書館

『機動戦士クロスボーン・ガンダム』『マップス』『飛べ!イサミ』などの著者、長谷川裕一先生の特撮論。


 特撮やアニメなどの解釈本と言えば、「空想科学読本」が有名だ。

 本書は、そっちよりは好意的に特撮を取り上げている。


 特色は、

「戦隊もののヒーローたちは全て、時系列順に同じ組織が運営している」


 という解釈だ。


 たとえば「地球産戦隊路線のジェットマン」が終わってジュウレンジャー等の「ファンタジー戦隊路線」が始まる流れとして、


「地球産のヒーロー技術を、上層部が疑問視した」


 と理由づけた辺りだ。



 理屈はこうである。


・ジェットマンは、地球が生み出した戦隊の中では最強クラスだった」

・しかし、敵も最強だったため、苦戦した。

・その状況を見た互助団体が、地球産戦隊の実力を見て、「もうやっていけないんじゃね?」と考えた結果、ファンタジーの力を借りることにした。


 こんな解釈をしているのである。


 実に発想豊かな書物だと言えよう。


 オレも三〇代に資料として読んで、何度笑い転げたことか。


ちなみに、『もっとすごい科学で守ります!』だと、宇宙刑事にまで触れている。


「シャイダーの解説がややこしいから、やりたくねえんだよ!」


 という理由から、宇宙刑事シリーズの分析はあきらめていたという。

 だが、とある投書から疑問が払拭されたのでアップしたらしい。


 どちらも図書館で借りられるので、ぜひ手に取っていただきたい。

 頭が柔らかくなること必至。

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