張り子タイガー
▼とくに本編とは関係がない話
▼時間軸:本編中~後
―――
僕は、いやオレの名前は
大阪の大学に進学が決まって、この春からピッカピカの大学一年生だ。
勇気を出してオシャレなサロンを予約して、オレンジベージュ……?、まあなんだかいい感じの色に髪を染めてもらったし、そこそこ手間取るけどワックスの使い方も覚えた。
入学式ではあまりの人の多さにキョドってなにもできなかったけど、同じ学科でなら友達ができるかもしれない。もしかしたらモテちゃうかもしれないし、もしかしたらもしかしたら……――人生初のカワイイ彼女が出来ちゃうかもしれない。
そして念願の一人暮らし……!
家に帰ってきたら近所のおばさんがテレビを見ていることもないし、妹の友達が遊びに来ていて肩身の狭い思いをすることもないし、部屋に母ちゃんが勝手に入ることもないオレだけの城。ちょっと大学から遠いのがネックだが、それでもこれから始まる新しい日常に期待が膨らむばかりである。
「よーし……! 明日から頑張るぞ!!」
――そう、キラキラしていた時期がありました。
まず大学の授業というものをなめていた。
夢のキラキラキャンパスライフは、レポートと単位によって支配されていた。
出席レポートに課題のレポート、ついでに課題図書のレポート。さらには慣れない炊事に洗濯に、馴染めない漫才雑じりの会話と高すぎるテンション……。
大阪に来てからの数カ月は本当に怒涛すぎて、どうやって生活していたかすら記憶がない。
それでも、悩んだ末に入った文芸サークルで気の許せる友人Aができた。
出身地も好きな作家も音楽も女の子のタイプも違ったけど、話していてすごく気が楽だった。
都合の合う日にはぶらぶらと、とくに目的もなく観光客気分で街歩きを楽しんだりしていた。
もちろん今日もそのつもりだった。
二限目が休講になったのでそのまま昼飯でも、と誘ったのに高校からの彼女と会うからと断られてしまった。ついでに「お前も誰か気になる人いないの?」である。馬鹿め。そんな人がいたら全講義お前と同じもの取って昼飯一緒に食ったり毎週泊まりに行ったりしてないわ。
友人Aに彼女がいたという衝撃と、親友を奪われたような喪失感を抱えつつ、よく行く商店街をぶらぶらとしていたのだが……、
「ほぉーん、なんや、全然似てへんやんか」
どういうわけか、商店街の裏通りにある渋い喫茶店で、コワモテの……明らかに一般人ではない男二人とお茶をする羽目になっていた。
「えっそんなら別人ってことスか? 姐さんには連れてこい言われてましたけどどないします?」
「アホ、それはホンモノやった時だけや」
「どうするんスか兄ィ」と困ったように笑う男は、ここにオレを強引に連れてきた張本人である。
なぜだかオレをボックス席の奥に追いやるように座っていて、もうそれだけで逃げられないのにさらにオレの肩に腕を回している。めちゃくちゃいい匂いがするが、柄シャツスポーツ刈り男に抱き寄られたってなんにも嬉しくない。
兄ィと呼ばれた向かい側に座る男は、オレの父さんくらいの年だろうか。
「はー、いらん汗かいたわ」
なんてぼやきながらアイスコーヒーをあおっている。
怖くて直視できないが、すこしウェーブのかかったアシンメトリーな前髪から覗く眼光は鋭く、ごつごつとした指にはギラリと輝く金の指輪、黒シャツからのぞく金のネックレスでさらに威圧感が増している。そしてめちゃくちゃいい匂いがする。オレの顔をまじまじと見ようとして顔が近づくたびに、なんかこう、大人の男のいい匂いがふわりと香って、違う意味でドキドキしてくる。
「あ、あの……」
「なんやお前、アイコ嫌いやったか」
「あっいや飲みますいただきます!」
慌てて口をつけたアイスコーヒーも、冷たいということしか分からなかった。
せめてこの状況の説明が欲しいと思っただけなのに、テンパりすぎて何をどう聞くのが正解かさっぱり分からないのだ。
「それで? 兄ちゃん、名前は」
兄ィと呼ばれた男はふんぞり返ってソファーにもたれ掛かると、小指の指輪を回しながらオレの名前を尋ねる。
(はえ……? 名前……? なんで……?)
とストローを咥えながらほけていると、
「なんや名前ないんか」
とぎろりと睨まれてしまった。
「あります! は、波利、波利小寅……です……」
「コトラ! コトラときたか! はー、怖ぁ。さぶいぼ立ってきたわ。もう俺帰ろかいな」
「兄ィ帰らんといてくださいよ! ここら辺たま~にうろついてる以外の情報がない中よォ~~~~~やっと見つけてきたんスから! “虎によく似た男”!!」
「その恐ろしい名前急に口に出すなやボケ! 見いこのさぶいぼ!!」
「痛~! 指輪付いた手で殴らんといてくださいよ兄ィ~」
「トラ似……?」
喫茶店の小さな机を挟んで恐怖のコントを始めてしまった二人の横で、小さく呟く。もちろんスポーツ刈り男の耳元で呟いたことになるので、ばっちり聞こえていたらしい。
「あれ、俺言うてへんかったっけ~?」
とわざとらしく小首をかしげた。
「俺、このデンパチ兄ィに“虎によく似た男”がうろついてるらしいから見つけたら連れて来いや~言われててな? 今日ほんまたまたま見つけたから声かけてここに来てもろたんやけど、ホンマに言うてへんかった?」
「そ、そんなの一言も聞いてません! 歩いてたら『やっと会えたな~』って急に肩組まれて強引に連れてこられただけです! ていうかトラって誰ですか?!」
半べそをかきながら訴えると、兄ィと呼ばれた男が、
「なんやお前誘拐してきたんか。悪い奴やの」
と悪い顔で笑った。
そしてスーツの内ポケットから一枚の名刺を取り出すと、
「おじさん、こういう者ですわ。安心してや、波利くん」
そう、にこやかに……いや、本人的にはにこやかな表情なのだろうが一般人のオレには威圧的な笑みでそう言った。
なんだか恐ろしい肩書が書かれているような気がするがそこには目を向けず、名前だけを必死に読み取る。
「
「そらそやろ、虎はもう死んでるからな」
「へあ???」
「せやから“虎によく似た男”を探しとったんやないか。死んだ聞いてた人間が俺の近所でうろついてるなんてウワサ聞いてみい、そりゃ、怖あてなんとかしたなるやろ」
「……、はあ……?」
「ところがどっこい、捕まえてみたらこないな子供ときた。……まあチラッ~~~と遠目に見たら雰囲気だけは似てるわ。ウワサが立つんも分からんでもないな」
兼古さんは「タバコええか」と聞くだけ聞いて、胸ポケットから煙草を取り出す。スポーツ刈り舎弟さんが慣れた様子で付けたライターでタバコをくゆらすと、またしても慣れた様子で差し出された灰皿に灰を落とす。
「は~~~~、この数カ月の俺の気苦労、返してほしいくらいやわ」
「……す、すみません……?」
「ええ、ええ。むしろ他人で安心したわ。……、せやけどな兄ちゃん、これもなんかの縁やから忠告しといたるわ。その髪、黒に戻したほうがええで。染めるにしても金とかその色はアカン。せめて別の色にしとき」
「……? こ、この色だとマズいですか……?」
吐き出されるタバコの煙に目をしばしばさせながら尋ねると、
「そりゃ兄ちゃん、自分の命は惜しいやろ」
そう、射殺すような眼光を突き付けられた。
「まあせやけど、なんでアカン言われてるかくらい知っときたいわな。俺にも娘が三人と姪っ子がおるけど、アイツら頭ごなしにアカン~言うても素直に聞いたことあらへんからな」
「よくある怖い話と一緒や」と灰皿にタバコを押し付けながら、兼古さんは「ええか」と真剣な面持ちでオレの目を見る。
もしかしたらこの人はコワモテなだけで、本当のところはお節介焼きな大阪のおじさんなのかもしれない。
「昔、……俺がまだ中坊やった時の話や。俺の親父が『今日からしばらく面倒見ることになった』言うて、一人の外人ぽい男を連れてきよった。兄ちゃんみたいな髪色と髪型の男や。へらへらした人当たりのええ顔しとったが、盃交わしたわけでもない、どっから来たのかもなにしに親父に近づいたんかも知れん男や。組のもんはみーんな怪しんだけど、二日三日もせん内にみーんなそいつのことが好きになってしもてた。近所のジジババ共も、人嫌いのオカンまでもや。もちろん、俺もな。――それが“虎”や」
「…………、……えっと、すごく、良い人だったんですね?」
盃を交わすという言葉に一瞬思考が止まって返答に困ったが、兼古さんはタバコの煙と一緒にため息をついた。
「俺も最初はそう思とったわ。親父に面倒見たり言われて連れまわしてたけどな、そりゃもう楽しかったで。後ろを振り向けばええ体格のイケメンが中坊の俺にへらへらニコニコ、道を歩こうもんなら誰もがアレ持ってきコレ食べてきなのオンパレードや。毎回持ちきれへんくらいやった。兼古組の坊ちゃんとしてイキり始めてた俺は、みんなに認められてる~なんて有頂天やったわ。愚かなことにな」
「へあ……」
ついに兼古組という単語まで出てきてしまった。
大阪ジョークかとも考えたが、もう確定である。
今更だが、これはオレが聞いていい話なのだろうか。全部聞き終わったら怖い所に連れていかれるとかないだろうか。
変にドギマギし始めたオレなんて気にせず、兼古さんは話を続ける。
「そんでおかしい思い始めたきっかけが、言葉や。日本に来たばっかりなんて言うとったけど、アイツ、半年もせんうちに流暢な大阪弁しゃべり始めよった。今まで言葉少なめにへらへらしとった男が、急にやで? そりゃ周りがみんな大阪弁やから覚えるのは当たり前やろけど、それにしたって恐ろしいスピードやった。……そっから怖なってアイツを連れて歩かんようになったら、俺の扱いはほぼゴロツキと一緒や。今までのことぜーんぶアイツが後ろにおったからやと気づいてホンマ恥ずかしかったわ。それまでやったら吹っ掛けられへんケンカも売られるようになってな、アホやから買ってしもてボッコボコにされてるところにアイツがふら~っと現れて秒で片した時に、悟ったわ。ああ、コイツは人間の皮被った獣かなにかやてな」
「思い出したらさぶいぼ立ってきた」と兼古さんは身震いして、新しいタバコに口をつけた。サッと火をつけたスポーツ刈り舎弟さんはこの話には耳にタコらしく、うんうんホンマそうっスねと適当に相づちを打っている。
「えと……、つまり、また兼古さんの耳に“よく似た男”がいるって届かないように、似たような髪色は止めろってこと…ですか…?」
「まあそれもあるわ」
ふー、と煙を吐き出した兼古さんは、
「俺はアイツが恐ろしいけどな、普通の奴はアイツのことが特別に好きなんや。死んでもうた今でもな。ここら辺歩いとって、なんや視線感じたことあらへんかったか? 今回はこのやさし~い伝八おじさんやったから良かったものの、冗談の通じひんゴロツキやったら『憧れの“虎さん”を真似て何様のつもりや』て詰められんのがオチやで」
と言い切りながらニタリと笑った。
何をどうやってとまでは言わなかったが、想像するのも怖いので止めておいた。
確かに思い返してみれば、昔ながらの商店街を歩くとちらちらと見られていたような気もする。
どうやら考えていたよりも、虎という人は崇拝に近い形で愛されていたらしい。
「じ、じゃあ――」
「あぁ、の!!!!!!!!」
この髪色と髪型さえ変えれば平穏な学生生活が送れるのか。そう尋ねようとしたオレの言葉を遮るように、女の子の震えた声が店内に響き渡った。
「はえ……?」
いつの間にか、このボックス席に立ち向かうようにして女の子が立っていた。
オレとスポーツ刈り舎弟さん、そして兼古さんの視線が一気に女の子に向けられる。
「なんや姉ちゃん。なんか用かいな」
「あっ、あの、波利くんを放してください!!」
「オ、オレ???」
よくよく見ると、オレはこの子を知っていることに気が付いた。
いつもモノクロコーデで、くしゃっとしたショートパーマに涼しげな吊り目が特徴の、文芸サークルのp.n.とんがら氏だ。
「あ……、とんがら氏さん……?」
「とん…? なんや知り合い?」
「あ、同じサークルの人で……そんなに話したことはないけど……」
「兄ィ、なんや知り合いやそうっスわ」
「ほーか。で、名前も名乗らずなんの用や? 俺らは大事な話してんねん」
兼古さんに睨まれたとんがら氏さんは顔を青と白に染めあげながら、震える両手でショルダーバッグの紐を握りしめてぐぬぬと唇をかんだ。
分かる。
その気持ちすごい分かる。
だんだんマヒしてきたけど、兼古さんの眼光は震えあがるほど強いのだ。
そういえば、とんがら氏さんの本名を知らない。自己紹介誌でちらりと見ただけで、サークル内ではほぼみんなペンネームで呼び合っているから余計に分からない。たしか赤が入っていたような気がしたけど……、なんだったかな。
ちなみにオレは一文字も小説を書いていない読専なので、波利で通っている。
「……――――です」
「あ? なんやて?」
「
「……ぺこぉ???」
「そうです! 名乗ったんで波利くんを放してください! 彼はそんなお金持ってないし悪い仕事ができるほど器用やないです! にこにこしてるだけが取り柄の、甘ちゃんで度胸のない男です! むしろ足手まといや思います! ……波利くんも波利くんで、縮こまっとらんとイヤならイヤですってなんで言わへんの!! ホンマそういうとこが見てていっっっつもイライラするわ!!」
とんがら氏さんの思いがけない本名に三人でぽかんとしていると、店内に響き渡るほどの大声で勢いよく悪口を言われてしまった。すごく早い関西弁でまくし立てられてしまったので一瞬何を言われているか分からなかったが、口からは謝罪の言葉が漏れていた。
「ご、ごめんなさい……」
「んくくく……、がーはっはっはっ!! おいおいおもろいやんけぺこちゃん! 兄ちゃんもスミに置けへんやんか! いやー、今日イチ笑わしてもろたわ!!」
泣きそうになりながら怒っている明井さんととっさに謝ってしまうオレがツボに入ってしまったのか、それとも大阪人同士にだけ通じるジョークでもあったのか……。兼古さんは手を叩きながらげらげらと笑い始めてしまった。明井さんはもう腹がすわってしまったのか、
「ぺ、ぺこって名前嫌いなので呼ばないでください!」
なんて兼古さんに食らいついている。
「そーかそーか! そらスマンかった。ここの絶品クリームソーダ奢ったるから許したってや」
「そ、そんなことより波利くんを……」
「ああ、ええでええで。姉ちゃんに返すわ。もう、大体の話は終わったからな。あとホンマに奢ったるから、ここに座っとき」
「えっ? えっ??」
「よーし、ほんなら帰るで」
「ういっス!」
「あっ兼古さん!」
すっと立ち上がってカウンターにいた喫茶店のマスターに声をかける兼古さんを、オレは慌てて呼び止める。
「えっと、オレ……」
「さっき話した通りや。悪いこと言わんから、さっさと髪の色変えるんやな」
「あ……、はい!」
「ほなな、もう二度と会わんことを願っとくわ」
「はい! ありがとうございます!」
兼古さんは「なにがありがとうやねん」と鼻で笑いながら、スポーツ刈り舎弟さんを連れ立って喫茶店を出て行った。と同時に、何人かの客も出て行ったことに気が付いてちょっとだけ膝が笑い始めてしまう。
「ねえ……波利くん……、絡まれてるわけじゃなかった感じ……?」
「あはは……、オレも、よく分かんなくなってきちゃった……」
オレも明井さんもすっかり膝から下の力が抜けてしまって、ぽすんとボックス席に座り込む。沈み込んだソファーは少し硬いけど座り心地が良くて、店内のBGMもとても上品なジャズピアノだということにようやく気が付けた。テーブルの上のアイスコーヒーはすっかり氷が解けてしまっていて、もはや水の滴る茶色い液体と化しているが。
「……とんがら……、明井さん……えっと、ありがとう」
ぽつりと呟くと、同じく呆然としていた明井さんがハッとしたようにオレと目を合わせた。
「わたしてっきり……、通りがかったら波利くんが見えて……怖い人たちに絡まれてると思って……見て見ぬ振りもできなくて……。でも違った感じだよね……? うわ~……わたし何言ったっけ……恥ずかし……今日のこと誰にも言わないでっていうか今すぐ忘れて……」
「ふふ、ほとんどオレの悪口だった。でもカッコよかったよ。ていうか明井さんってほんとは関西弁なんだね」
「……ホントに全部忘れて……! あ~~~、波利くんぶん殴って記憶消したい……!」
明井さんは「うわ~」なんて口から零しながら、両手で顔を覆っている。心臓はまだばくばくしているけれど、なんか逆に笑いだしてしまいそうな気持ちだ。
そんなオレ達の目の前に、ついっとマスターが、
「これは伝八坊ちゃんのおごりやから、遠慮せず食べ。ごゆっくり」
とニコニコしながらクリームソーダを差し出した。
くるりと丸められたバニラアイスクリームに真っ赤なアメリカンチェリーが添えられた、レトロなクリームソーダだった。カラカラに乾いてしまった喉には刺激的なメロンソーダを、ちょっぴり甘いバニラアイスが包み込んでくれる。兼古さんの言っていた通り、今まで飲んだクリームソーダの中で一番美味しいかもしれない。
「わたし、今なら何でもできる気がする」
ばくりとバニラアイスを半分ほどほおばった明井さんが、何かを決めたような顔で呟いた。コワモテの男二人に突っかかれる時点ですごく勇気があると思うし、オレなんかよりもずっと何でもできると思うのだけど……という感想は、とりあえずメロンソーダで流し込んだ。
「何かするの?」
「名前変える」
「えっ?」
「この礼って書いてぺこって読み方、小さい頃からずーーーーーっと気に入らなかったの! でもしょうがないから付き合ってたけど、うん、決めた。今から市役所行って、読み方変えてもらってくる」
「えっ、今から??」
「そう。わたしたちは今さっきこの瞬間死んで生まれ変わったの。波利くんも、よく分からないけど髪染め直すんでしょ? 今すぐ予約しなよ」
「今……?」
「今! すぐ!」
「はい!!」
くわっと目を見開いた明井さんの気迫に押されて、スマホで近所のヘアサロンが開いていないか検索をかける。予想に反してヘアサロンは空いていて、すんなり予約することができた。
春に染めてもらってから電話する勇気が出ずに伸ばしっぱなしだから、ついでに短くしてもらおう。
すいすい進む物事に、
「なんだか明井さんといると勇気出るね」
なんて笑って言ってみたら、
「い、言っとくけど、わたし、なよなよした男は好きやないから!!」
そう、真っ赤な顔で怒られてしまった。
聞き耳を立てていたらしいマスターはツボに入ったのか変にせき込んでしまっている。
兼古さんスポーツ刈り舎弟さん……、やっぱりオレには大阪ジョークはまだまだ分かりそうにないです……。
/end
トロウビョウ 村雨廣一 @radi0_0x
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