第41話 長い一日
フィン「この後、御者が交代するため30分ほど停車致します。」
ロミ「はーい。外に出るチャーンス!」
遠くの方に灯りが見えた。
複数の馬車が集まってる??
フィン「ここは、旅人やキャラバンなどの停留場の様な場所です。休憩のついでに店を広げ商売をしたりもします」
ロミ「おぉ、小さな市場みたいな感じだぁ」
到着して、神官達が何人かフィオナに挨拶に来た。
みんな、体を伸ばしたり思い思いに休憩をしている。
フィオナ「ロミー様、ジャック様と見て回って来てはいかがですか?」
ロミ「え、いいの!?」
フィオナの計らいで、夜市を見て回れることになり、私はワクワクしている!
もう、外は真っ暗だけど、それぞれのキャラバンのランプの灯りで、かなり明るい。
そんなに時間もないのでサササーっと見て戻ろうと心なしか早歩きで、見ていると、
本を多く扱う店を見つけた。
ジャックさんも興味津々だ。
"キャタルス王国の魔法大全集"
と書かれた本を見つけた。
手にとってパラパラめくると、
"りんごを浮かせる魔法"
"飲み物を熱くしたり冷たくしたりする魔法"など、子供向け?の本のようだ。
ページを飛ばし後半の方を見てみると、
"コピーしてアイテムを増やす魔法"
"ゲームを使って遠い街まで一瞬で行ける魔法"と書かれているのを見て、私は買うことにした。
ゲート魔法!これ、ちょっとやりたい!
帰りはゲートで一瞬で帰りたい!
楽したい!笑笑
ロミ「この本ください!」
店主「まいど!その本は娯楽向けの魔法が多いが中には使いこなせればとっても役に立つ魔法まで載ってるから、子供おすすめだよー!!プレゼントかい?」
ロミ「あーまぁそんな感じです!」
店主「もう一冊買ってくれるなら三冊目をオマケするよどーする?」
ロミ「ジャック、何かいい本ありました?」
隣にいたジャックを見るとすでに5冊程持っていた
ジャック「あ、すまない、夢中になってしまったよ」
ロミ「あはは、本当に本好きなんですねぇ。じゃー、これとこの五冊ください!」
店主「いっぱい買ってくれた、お客さんにはさらにおまけだ。この、"異世界からの来訪者"と言う、最近話題の本をあげよう。とても興味深いぞー」
ロミ「たくさん買いましたねぇ」
ジャック「ほとんど、私の本なのに、買ってもらって申し訳ない」
ロミ「気にしないでください。私からのプレゼントです」
ジャック「じゃー次回は私が何かプレゼントさせてくれないかい」
ロミ「楽しみにしてます(o´罒`o)」
馬車に戻るとフィンがドアの前に立っていた。
フィン「お、おかえりなさいませ、たくさん買われましたね」
頰が赤く腫れてる????
それに服がちょっと汚れている???
誰かに殴られた???
となりの馬車を見てみると従者達がフィンをにらんでいた。
ロミ「フィン、大丈夫?」
フィン「な、何のことですか?」
あちこち蹴られたのか、痛そうにしているフィンに私は回復魔法を使った
"Gentle breeze heal"〈癒しの風〉
フィン「な、何故、僕なんかに。。。」
ロミ「フィオナ様はフィンを許したんだよ、もっと胸を張りなさい」
フィン「。。。」
ジャック「次からは僕等のそばにいるといい、さぁ入ろう」
いちお、フィオナを裏切った犯罪者であるフィンに私が回復魔法を使った事に従者達は驚いていた。
ガチャ、
フィオナ「フィン!その服どうしてそんなに汚れているの?まさか、」
フィン「転んだだけです。大丈夫ですから」
心配するフィオナへ転んだの一点張りで、なんとかやり通したフィンは、自分の部屋に逃げるように入った
フィオナ「フィン、、、私はあなたを守りたいだけなのです。。。」
フィン「、、、」
バタン。
返事をしないでフィンは扉を閉めた。
フィオナ「申し訳ございません、お見苦しいところを。。」
ジャック「いえ、フィンもあなたに心配かけたくないんですね。」
フィオナ「私にもっと力があれば、、、」
ロミ「フィオナが命を狙われる理由って何ですか???」
フィオナ「、、、申し訳ありませんが、それについては、今はお話しできないのです。。お許しください」
ロミ「そっか、、、、うん、大丈夫。話せる時が来たら話してね。でも、今回の事もなんだけど、族が乗り込んでくることがわかってたのに教えてくれなかったり、隠してく事がまだあるのなら、今のうちに教えて欲しいかな。でなきゃ守るべき相手が私達を信用してくれてないと、いざという時に、ちゃんと守れなくなってしまうと思うのね。」
フィオナ「、、、はい。。。。」
いろいろあるよね。。。
そう簡単に私達の事を信用してくれるわけないか。。。
ちょっと悲しいけど、そんなもんなのかもね。。。
フィンとも話をしたいけど、今はそっとしておこう。
沈黙。
なんだかなぁ
フィオナ「わたくしはそろそら寝ますので、ご自由にお寛ぎください。では」
ロミ「おやすみなさーい」
ジャック「僕等も部屋に行こうか」
私は上段のベットに登り寝転んで天窓から見える月を眺めた。
はぁぁぁぁぁぁぁあ
ジャック「溜息。」
ロミ「あ、はい。すみません」
ジャック「溜息は我慢する方がストレスになるから、たくさん出した方がいいんだって」
ロミ「はぁぁぁぁぁぁぁあ」
ジャック「くすくす」
ロミ「天窓開けて風浴びてもいいですか」
ジャック「もちろん」
ガタガタ、
ビューーーーン
ロミ「わー気持ちーいぃー!」
月光浴しながら走る風を浴びるって気持ちいい。
ジャック「ロミーさん、寝る時って音楽かけたりする?」
ロミ「最近かける事もありますよー」
ジャック「普段、寝る時、Healing Musicを書けないと眠れなくてね。」
ロミ「おぉたまーに私もアプリ使ってますよー!こっちに来てからは、毎日疲れきってぐっすり眠れてるけど」
ジャック「そっかぁ、音量小さめにするからかけてもいいかな??」
ロミ「眠れてないんですか???」
ジャック「うーん、、、隠してもアレだから正直に言うよ。ロミーさんと同室って事に緊張してるかな。。。」
あ、、、
ジャック「これでも、いちお男だからね。若い女の子とこんな小さな部屋に2人きりって、、、、ごめん、君は悪くないんだ、私が勝手に意識しちゃってるだけだから、気にしないで」
気にしないでと言われて意識しないわけがない。。。
どうしよう、意識したらジャックさんの顔見れないや!!!
わぁ!ど、ど、どうしよう!!!
バニラ「おい!さっきから、黙って聞いてりゃー、首の後ろがむず痒くなるような事ばかり!、鬱陶しい!!!」
あ、そういえばバニラいたんだった。
ハンモックの中でモゾモゾ動いており尻尾が見えた。
ジャック「そうだ!バニラ、人の姿で居てくれないかい?そうすれば、少しは気がまぎれると思ってね」
ロミ「おぉ、たしかに!人の姿で居てよ!そのままハンモック使っていいから」
バニラ「あ?一緒に寝てやるよ」
ロミ「やだ」
バニラ「人の姿になって俺に何の得があるんだぁ、ふぁぁあ」
眠そうにハンモックの中で相変わらずモゾモゾしているバニラ。
ちょっと可愛い。
ジャック「じゃー、バニラ私がロミーさんと同じベットで寝ても怒らない?」
ジャックが、立ち上がって私のいる上段に登ろうとしている!?
ロミ「ちょ、ジャックさん!?」
ジャック「まぁ、ロミーさんと、一緒にねれば、緊張も解れるかもしれないしね」
ジャックが私のベットに乗り私の目の前に来た
ロミ「ちょ、な、ななな何するんですか(//´-`//)赤面」
ジャックがゆっくりと手を伸ばす、私はそれに驚き両手で防御姿勢に入った。
ガチャ、と天窓の開く音がして目を開けるとジャックが天窓から顔を出して外を眺めてた。
窓が開くとバニラがスルリと隙間から外に出た。
ほぉわぁぁぁぁぁぁぁあ(//´罒`//)赤面
何かされるかと思っだぁぁぁぁぁあ
私は、恥ずかしくなって、ベットを飛び降り降り共有スペースに移動した。
ー窓の外ー
バニラ「ぎゃはは、ぎゃはは、おっさん、顔真っ赤。」
ジャック「。。。」
バニラ「大体、あんた意識しすぎだ。ロミーは鈍感だからなぁ、言われるまで何にも考えてなかったぞ(ニヤニヤ)」
ジャック「なっ、、、はぁぁぁぁぁぁぁあ」
バニラ「ぎゃはははははは、でもまぁ、あんたならあいつのストレスにはならないだろうし、安心だけどな」
ジャック「え?、、、それどういう意味だよ。。。」
ー共有スペースー
パタン、
共有スペースにとりあえず避難してきたけど、ジャックさん、時々あーやって意地悪してくるんだよなぁ
こんな狭い空間じゃ、逃げ場がないから困る。。。
叫びたい気分だわ。。。
パタン、
ドアの開く音がして振り返ると人の姿をしたバニラがいた。
ロミ「あ、」
バニラ「なんだぁ(この姿に)文句あんのか」
ロミ「ない、ないない。それでいい」
バニラ「ふぁぁぁあ、寝ないのか」
眠たそうにしているバニラにそう言われても今は、ちょっと部屋に戻り辛いし
前の扉が開き御者さんが入ってきた。
御者「失礼します。」
そのまま隣の小さな扉に入っていった。
チラッと見えたけど、フィンが居た部屋だ。
御者さんが、部屋に入ったって事は、フィンが馬を操ってる?
気になって小窓に近づいて外を見ると、フィンが馬を操っていた。
小窓を開けて、フィンに話しかけた
ロミ「フィンー、そっちに行ってもいい??」
フィン「ロミー様!え、え!?ここですか!?」
御者台は長時間座っても疲れにいように工夫がされていた。
バニラ「俺、寝るからな」
ロミ「うん、寝ておいで」
御者台の席は結構ゆったりしていて、足も伸ばしやすくなっている。
フィン「こちらの腰の部分のベルトを閉めてくださいね」
カチャ、カチャ、カチャン。
数メートル先を照らす魔法のランプ以外、
外の明かりは無く、真っ暗だった。
フィンが少し寒そうにしている気がしたので、私は持っていたブランケットを取り出し、私とフィンの膝にかけた
フィン「え、ロミー様、ぼ、僕は、だだ大丈夫ですから」
ロミ「いいの、いいの、ここに居させてもらうお礼だから。」
フィン「そ、そうですか、、、ではお言葉に甘えて、、、」
御者台は中より少しだけ揺れるけど、心地いい揺れで、私はすぐに眠ってしまった。。。
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