第八章 荊州争乱
第55話 不穏な動き
官職名で難儀しております。明らかにおかしいだろうと思う面もあるかと思いますがご容赦して頂ければ幸いです。
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劉備は漢中王に就くと直ぐに官職の見直しを行った。
劉備→漢中王、益州牧
孫夫人(孫尚香)→劉備夫人、孫権の実妹
劉封→荊州牧
士燮→交州牧
馬超→涼州牧
諸葛亮→丞相、益州刺史
龐統→大司馬、左軍師
法正→司馬、右軍師
韓玄→荊州刺史
劉巴→交州刺史
韓遂→涼州刺史、金城太守
伊籍→司空
孫乾→廷尉
糜竺→大司農
黄権→御史大夫
張松→大鴻纑
糜芳→太常
馬良→零陵太守
鞏志→武陵太守
趙累→桂陽太守
呉巨→交趾太守
頼恭→蒼悟太守
士壱→南海太守
関羽→大将軍、江陵太守
張飛→驃騎将軍、南鄭太守
陳到→車騎将軍、襄陽太守
趙雲→衛将軍、長沙太守
黄忠→前将軍、武都太守
魏延→後将軍、上庸太守
厳顔→左将軍、梓潼太守
関平→右将軍、江州太守
龐徳→征北将軍、安定太守
馬岱→征南将軍、天水太守
呉懿→征東将軍、永昌太守
李厳→征西将軍、越巂太守
孟達→平北将軍、永安太守
張南→平南将軍
馮習→平東将軍
胡車児→平西将軍、執金吾
向寵→牙門将軍、成都太守
呉蘭→牙門将軍、都尉
雷同→牙門将軍、都尉
傅士仁→牙門将軍
馬謖→俾将軍
鄧芝→校尉
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「魏延将軍、漢中王がお呼びです。」
「分かった。」
劉備に呼び出された魏延は政庁に向かった。政庁に入ると大鴻纑(外務大臣)の張松が傍らに控えていた。魏延が近隣区域の巡回に出ている時に上庸を訪れた。
「魏文長が漢中王に拝謁致します。」
「魏延、急に呼び出して済まなかった。先ずは張松から話を聞いてくれ。」
劉備は張松を促した。劉備が少し苛立っているように見えたので良い話ではないと感じた。
「様子伺いと挨拶を兼ねて建業に行ったのですが門前払いをされまして。」
「孫権がしたのですか?」
「いえ、門前払いをしたのは張昭です。孫権は病で静養していると一点張りで話になりません。」
張昭は同盟反対派で一時期は失脚していたが内政に長けた者が少ない事を理由に復帰していた。
「相変わらず無礼な奴ですね。」
張昭は周りから見識があると言われているが全くの出鱈目である事を知っているのでそのような態度を取るのも仕方ないと呆れていた。
「将軍、それだけなら私も成都に戻ってから我が君にお知らせするつもりでした。」
「その他に何かあったようですね。」
張松の表情が険しくなったので本命の話は此処からだなと察した。
「魏延、ここからが重要なのだ。」
劉備は一言だけ言うと一層不機嫌になった。
「水軍の動きが盛んになっているのを見掛けました。何気なしに眺めていたのですが兵士に追い払われてしまい詳しい事までは分かりませんでした。」
建業の港では水軍が物資の積み込みや将兵の点呼等が行われており、帰りの船に乗り込もうとした張松がそれを目撃した。それを呉の兵士に咎められて追い出されるようにして出港させられた。
「張松殿の話から考えると呉は荊州に目を向けていると思って良いでしょう。」
「劉封様と龐統殿、そして関羽将軍には江陵に立ち寄り伝えています。」
張松は江陵で劉封、龐統、関羽に建業での一件を伝えて何らかの対応を取って欲しいと要請していた。劉封は龐統に警戒態勢を取るように指示、交州の士燮に対して南海の兵力を増強するよう使者を走らせた。
「賢明な判断です。我が君、呉が動くとなれば魏も連動して動く可能性があります。」
前世と同様に魏と呉が連動して動くだろうと読んでいた。龐統もそれを踏まえて陳到に対して襄陽は専守防衛に努めるべしと命じている。
「魏延の言うとおりだな。荊州は龐統が上手くやってくれるだろう。張松、済まんが南鄭に寄って張飛にこの事を伝えて黄忠と馬超に使いを出すよう頼んでくれ。成都には別の使者を走らせる。」
「承知致しました。」
手痛い敗北を喫した漢中方面への出兵は無いと劉備は思っているが打てる手は何でもやっておくべきだという判断から張飛、黄忠、馬超の三人にも長安の動きを警戒するよう張松を使者に立てた。
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