第106話【決意の修行編その7】
『私に覚悟があるかって?そんなの
一点の曇りもない朱色の瞳を見開きながら、力強くそう言ったニッシャ。
右の拳を前へと突き出すと〝
燃え
〝Ⅲ速〟を何の不自由もなく発動したニッシャは、燃え盛る様に
次いで手足には炎をその身に纏う様に燃え広がり、大気を震わせ天上へと届きそうな魔力でも、ドーマの足元にも及ばずにいた。
『ここまではイケるんだが、いつも
草木は灰となり地を干ばつさせる程の熱量を持つ、〝Ⅳ速〟を保ちながら近付くドーマは、ニッシャの炎を呑み込む様に己の炎へと変換していき、あと一歩が踏み出せない愛弟子に優しく言った。
『先ずは身体の力を抜き息を整え、内から溢れる魔力を全身へと巡らすんだ。そして何よりも精霊と心を交わす様にだな……』
2つの炎の
一体何故か?理由は至極単純な話であり、誰にでもある感情だ。
ニッシャは人一倍……否、物心付く頃から男だらけの職場に居たせいか、はたまた生来の性格のせいか定かではないが、通常の何倍にもそれが強い。
そう――――〝もの凄く負けず嫌い〟だったからだ。
『そんな事位わーってるよ。私は私のやり方で境界線って言うのを越えてやる。
そう言ってニッシャは静かに眼を閉じると、自身の魔力の熱を感じながら、ゆっくりと、そして着実に全身へと行き渡るように操作を行う。
呆れた表情でそれを見守るドーマは内心こう思っていた。
(ニッシャがあまり話聞かないタイプだと、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます