第23話【子育て日記2日目】(精神の滝編その2)
水へと叩きつけられた衝撃でお気に入りのサングラスは、見るも
もはや元の原型はなく、流れゆく滝の道筋に沿って何処かへ消えてしまった。
「アハハハハハハハッ!!……もうやめてよお腹痛いたいからさ!!」
ニッシャに
自慢の黒髪ボブは、濡れたことにより
2人の笑い声に共鳴する様に、無邪気に笑いだす赤子の三人は、まるで仲の良い三姉妹のように特別な空間を作り出していた。
(何か……ここに来てから色々あったが、案外悪くないかもな……)
この2日間
その視界は天井が地へ水面が頭上へと引っくり返っている……いや、ニッシャだけが天地逆転していていたのだ。
「おーい!!ニッシャー!?何で逆さまなのー??」
両手を可愛く振りながら私を呼ぶ天使の声が、
両手を合わせた彼女の体に輪投げの様に「ぴったり」と
30M程離れた
抵抗も受け身も取れずに激しい
深さ5M程の床面に頭を打ち付けられあまりの痛さに「一瞬」気絶するが、「浮力」が働き
「
滝の音に加えミフィレン達から
「アイナ~?ニッシャなにか言ってるよ?」
不思議そうに喋るミフィレンがそう問いかけ、アイナは「そうね。聞こえないわね」と手で口元を隠しながら笑うと、小さな指を手前へ折り曲げる。
不思議な引力により物凄い速さでミフィレンの元へ移動するその様は、
力なく両手を広げ
(もうアイナにちょっかい出するのは、止めよう)
――――そう、心に深く誓ったニッシャであった。
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