第13話(ウォーゲーム・5)
バイオレットの魔法で、アールとスマートモンキーは別のフィールドに移動した。アールは確認すると、7番フィールドだった。エリアは真っ白な壁で覆われている。
「一気に人気者になっちまったな。キノコさんや他のギルドメンバーは?」
「もうすぐ合流するよ。それより、スマートモンキーのバージョンアップはどう?」
アールはスマートモンキーと話す。
「ログアウトの方法は解るか?」
「バージョンアップの結果、解った事を言うでさあ。スーパーガンユニコーンで、残り46都道府県を解放するか、スーパードライブで日本を救うか、スーパーファンタジアで日本を救うか。このルクソール・オンライン三本柱のゲームは、それぞれ、リンクしてるんでさあ」
「スーパーガンユニコーン以外はどんなゲームだ?」
「スーパードライブはパワードスーツロボットや戦闘機に乗り、戦争の空中戦を勝ち抜くバトルでさあ。スーパーファンタジアは剣と魔法を駆使して、日本各所のキャッスルを攻め落とすロールプレイングでさあ」
「難しいな。プレーヤーの足並みが揃わなければ。ハワードみたいに、フレンドリーファイア、プレーヤーキルを平気でやる奴が現れるだろう」
「皆が皆、心技体が強い訳ではないでさあ。アールの旦那のように」
「他にログアウトの方法はないか?」
「えーっと、ちょっと待っててくだせえ…………」
スマートモンキーの頭にはてなマークが表示され、考え耽ってる。
「まだか?」
「解ったでやすぜ! あかさたな、はまやらわ、帝釈天……ありゃ? また言語統制されるでさあ」
「使えねえな」
「でも、ルクソール・オンライン三本柱をクリアしたギルドは多分、ログアウトできやすぜい」
「ったく。気長き行くか」
バイオレットはギルドメンバーに、この話の内容を伝えていた。
「では、あっし。メンテナンスに行ってくるでさあ」
「メンテナンスだと?」
「数十分で帰ってくるでさあ」
ホァンと、スマートモンキーは消えた。
その頃、キノコ達、ギルドメンバーは8番フィールドで、他のプレーヤーにもみくちゃにされていた。アールを我がギルドに編入させろと。しかし、キノコは頑なに拒む。それが余計に刺激させ、更にもみくちゃにされる。何とか抜け出したギルドメンバーの〝タンク〟は7番フィールドへワープする。そして、アール達と合流した。
タンクは、アールに話しかける。
「アールさんはバイオレットと仲がいいのね」
「まあね。なんだかんだ。タンクさんは戦車が好きなの?」
「タンクは本名よ。ウィスパー・タンクっていうの。これでも、南部のミスコンで準優勝したのよ」
アールはタンクにツッコミたい。SNSとはいえ、普通に本名を語るか? それにウィスパー・タンクって酷い名前だ。直訳したら〝囁き戦車〟になってしまう。しかも、南部のミスコン、おそらくアメリカだ。アメリカ人もルクソール・オンラインをプレー出来てる。
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