第4話(スーパーサッカー・3)

第3クォーター開始。キノコは動く。


『監督が、2枚目のお楽しみカードを使用した! 引いたカードの効果は〝迷路ピッチ〟だー!』


ゴゴゴゴーー! ピッチが正に迷路の様に衝立や森林が現れる。


「なんじゃこりゃー!」


ゴゴゴゴーー! 2メートル四方の土壁のブロックで仕切られ、よじ登ろうとしてもジャンプしても上には登れない。


「こちら、監督のキノコ。ボールがドロップした所へ急げ! ディフェンダーは5人に減らし、あとはオフェンスに当たってくれ」

「了解!」


『ここで、迷路ピッチの補足説明をしよう。プレーしながら聞いてくれ』


音声ガイダンスが話す。


『プレーヤーの皆さん、迷路ピッチは武器は使えないが、打撃可となる。猿をボコボコにしてやれい。逆に猿に殴り殺されないようにね。以上!』


「おいおい、サッカーで死人が出るのか? とんだクソゲーだぜ」

「アール君!」


アールとバイオレットは合流する。バイオレットの足下にはサッカーボールが1つ。


「猿どもに一泡吹かせてやろうぜ」

「うん!」


バイオレットがドリブルをして。アールが襲いかかってくるゴリラやチンパンジーを殴り、退治して相手ゴールを目指す。「ウホ!」猿はちょっと小突くだけで逃げていく。アールに恐怖心はない。


アールとバイオレットは右に曲がり、左に曲がり、林を抜けると、ペナルティエリアだ。ゴールが見えた。オランウータンのキーパー1体だけだ。


「バイオレット、シュートだ!」

「う、うん」

「ウホ! ウホ! ウホ! ウホ!」


バイオレットはドリブルして右に開く。オランウータンは前に出てくる。


「私、自信ない! アール君、決めて!」


バイオレットはアールにボールをパスする。アールは左に開いており、ズドン! ごっつぁんゴールを決める。


『プレーヤー、アール! ハットトリック達成!』


キーパーのオランウータンは周りに味方が居ないことを確認して、ボールを遠く蹴りだす。


アールはスコアボードを確認する。3対5。


すると、右側の迷路から味方のプレーヤーが来た。屈強なアバターの男だ。ボールをキープしている。


「撃て!」

「おう!」


オランウータンのキーパーが前に出てくる。男はシュートした。しかし、オランウータンの片手に阻まれる。こぼれ球はバイオレットの目の前に。


「撃て!」


バン! バイオレットはシュートを決めた。


「や、やった…………。やったー!」

「ナイスシュートだ、バイオレット」


点差は1。4対5だ。ガタン! ガタン! ガタン! 迷路になってたピッチがノーマルなピッチに戻り、第3クォーターが終了した。

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