これぞなろう系だ
六葉九日
取り敢えず語ろうか
最初に言っておくが、筆者はなろうテンプレ、もといなろう系の小説を書いたことない。ファンタジーは好きだが、それはあくまで“見たこと、聞いたことのないものを楽しく想像させられる世界観”が好きで、同じ要素が重複に使われるとすぐに飽きてしまうタイプだ。
“なろう”は、ネット小説投稿サイト「小説家になろう」の略称である。そのサイトからのコミック化、アニメ化されるヒット作もいくつかあり、ここ数年でサイトに限らずファンタジー作品が倍増する原因だと考えられる。
ファンタジーの中でも、“異世界”のキーワードが人気で、なろうでは、このタグを登録していると高確率で読者を得られる。また、総合ランキングに上がる八割がファンタジーで、“なろう系タイトル”である作品が多い。
ではなろう系とは何か。検索してみればわかることだろうが、簡潔に言うと「異世界」、「主人公最強」、「主人公無双」、「魔物」、「主人公に惚れる女の子」が揃えば良い。小説家になろうの投稿作品でなくてもなろう系と言える。
“剣と魔法”も流行っているのだが、なろう系とは違う。互いの要素を持っていても構わないが、なろう系なら「転生か転移」が必要だ。肝心なところは、なろう系の作品に「なろう系タイトル」が付けられる。
この言い方だと勘違いされるかもしれないから、説明しよう。なろう系の作家は“なろう系タイトル”を付ける傾向がある。なろう系タイトルとは何か、簡潔に言うと「あらすじ」。作品のあらすじであるため、通常のタイトルは十文字で長く感じるが、なろう系タイトルは二十文字以上がないと話にならない。
なろう系を書くメリットは、書くだけでウケやすい。特に利用者の多い小説家になろうでは、宣伝しなくても読者がいる。ネット小説投稿で問われる更新率も他のジャンルより高いだろう。何故なら、舞台は“異世界”だから、現実世界でしか役に立たない参考資料を集めなくても、現実世界でしか通用されない常識と知識がなくても書ける。文章力も文章作法も語彙力も求められない。その逆に、地の文が多いと好ましくない。
続いてなろう系を書くデメリットについて。筆者が考えた一番致命的な点は、星の数ほどあるなろう系作品の中で、書籍化まで行けるかどうかは“作品の独特さ”と“運”が必要だ。
作品の独特さは、より多くの読者やプロの目を惹く、“この作品にしかないもの”。なろう系の要素を入れつつ、群を抜くポイントを書くのは、作者の腕が試されるところだと思っている。運は、言うまでもなく、前述通り、なろう系はたくさんある。その中で、この作品を求める読者に見つけられるかどうかだ。
もう一度言うが、筆者はなろう系の小説書いたことない。このエッセイで書いたのはネットの情報と個人偏見だ。参考程度に。
4/17更新:個人偏見によるなろう系キーワードの定義まとめ。
異世界:現実と異なる世界。地球に存在し得ない生き物、道具、技術などがある。過去と未来の世界にタイムスリップする場合は、異世界と呼ばない。
主人公最強:別名、俺TUEEE系。この世、あの世、どの世であろうと主人公に敵う人間がいない。もちろん人間以外はドラゴンだろうと一撃で殺せる。また、なろうではタグをチートとしても登録できる。
主人公無双:主人公最強と併用する。時々同じ意味だろうと思うかもしれないが、筆者は違うと思っている。主人公最強でも苦戦する日が来るかもしれない。しかし無双のタグを付けると苦戦しなくなる。
魔物:いわゆるエルフ、スライムなどファンタジーゲームに出てくるザコ敵。こいつらがいても主人公は成長しない。
ハーレム:本作では紹介してないが、よく使われるキーワードであり、必要な要素ではない。ハーレムはつまり、なろう系を議論するここでは、複数の女の子が主人公に好意を持つことだ。大事なのでもう一度言うが、なろう系を議論するここでは。関係ないが、逆パターンは逆ハーレムと呼ばれる。
これぞなろう系だ 六葉九日 @huuhubuki
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