第十二章 三者面談

第45話 数人の復帰間近、三者面談間近

ある意味と言うか。

この前の事件は人間の本性を見た気がした。

俺は.....縫った所を見ながら.....その様に思う。

由利に関しては預かられる事になった。


相澤社長については黙秘を続けていたが、虐待について決定的なものが有った。

それは相澤社長の奥さんの証言。

由利が虐待されていて、奥さんもDVを受けていて。

全てが黙らされていたのだが、全てが明るみになった。


そして.....相澤社長は降格が決定し会社の方針で解雇された。

その事を知ったのは.....家が直って。

それから.....一先ず落ち着いた頃だった。


相澤社長の言いたい事も大体分かる。

俺は.....その様に思いながら窓からスマホを弄りつつ外を見ていた。

家から由利が居なくなって少しばかり.....寂しい感じだ。


でも今、幸せならそれで良いか。

幸せなら.....うん。

と思いながら.....7月の夏休みに入る1週間前。


もう直ぐ.....三者面談という感じの日。

俺はノートに書きながら勉強をしていた。

取り敢えず.....俺は将来.....スクールカウンセラーになりたい。

そして.....助けたい。

色々な人を、だ。


「.....」


8月ももう直ぐだ。

夏休みだなぁ。

考えながら.....目の前の電柱に留まっているセミを見ながら思った。

ジジ臭い様な感じだが。


「暑いな」


思い、冷房を入れる。

一気に部屋が冷たくなり.....そして!

勉強のやる気も.....入らなくなった!!!

く、くそう。


「.....冷房なんて点けるんじゃ無かったぜ.....」


ベッドに横になって漫画なんか読んでいる場合か。

俺は思いながら、明日の予定を思い出す。

明日は.....学校だ。

そして取り敢えずは.....数人が登校する予定だ。

大凡、何ヶ月かぶりの。


「.....数人.....」


そう、呟いた瞬間。

スマホから声が聞こえた

俺は驚愕しながら見ると、通話状態になっている。

こ、コイツ!


『何。吉』


「.....お前さ、盗聴すんの止めてくれない?ハンザイデスヨ?」


『僕は犯罪とは思わないね』


「思わなくても犯罪だっつの。で?お前、学校に本当に来るの?」


俺は起き上がりながら聞く。

その言葉に黙り込んだ様な空気が流れる。

まるで学校の集会の時の様に黙り込む様な。


すると.....1分ぐらい経ってから。

数人の声がでスピーカーからした。


『行くよ。僕は約束を破るのが嫌いな主義なんだ。言ったからには行くね』


「おう。じゃあ楽しみにしてるよ」


『そうだね。ところで吉』


「何だ」


平然とポルノサイトを見るのは如何なものかな。

と数人からツッコミが有っ.....オイ!

個人情報は見れないんじゃ無かったのか!

俺は慌てながら反応する。

良いじゃねぇか!皆穂にバレたらマジでぶっ殺されるし!


『皆穂だっけ。あの子に通報しておいた。吉が変なもの観てるって』


「この馬鹿野郎!!!!!」


「お兄ちゃん?誰が馬鹿だって?」


突然の事だ。

背後から凍り付く声がした。

俺はびっくりしながらぎこちない動きで背後を見る。


凍て突く視線を向ける、皆穂が.....部屋に居た。

え?表現するなら?


そうだな、マゾなら良いかも知れないかなり寒い視線だ。

この部屋以上に凍っている。

って、何だコイツ!忍者じゃあるめぇしよ!


『しーらない』


ブツッと音がしてスマホの通話が途切れた.....って嘘だろ!

こ、コイツ!無責任だろ!

俺は叫んだ。


「数人ぉ!!!!!」


「お兄ちゃん。アイツに言われて来たら何それ?え?ポルノサイト?殺すよ?」


「す、すまん。えっとな.....」


何を観ているのか知らないけど言い訳無用、と思いっきり皆穂にぶん殴られた。

そしてスマホを取り上げられる。

某有名ラノベで言うなら.....不幸だ!



「おい。もう機嫌直してくれよ」


「ふん。お兄ちゃんのスケベ」


「.....吉くん。最低にも程があるよ」


何でノアまで知ってんだよ.....。

数人の野郎。

俺はリビングで頭を抱えながら。

その様に考えつつ、皆穂からスマホを返してもらおうと必死だった。


「ノア。アンタに預ける。このスマホ。ハンマーで壊すなりして良いよ」


「そうだね。皆穂ちゃん。汚らわしいかもだしね」


「止めてくれ.....」


冗談だろ。

グー○ルピ○セルに変えたばっかぞそれ。

中古でも金をどれだけ貯めたと思ってんだ。

俺は頭に手を添えながら盛大に溜息を吐いた。


「そう言えば数人さん.....学校に通ってくるんだよね?」


「そうだな。数ヶ月ぶりにな」


「.....数人さん、慣れるかな」


「慣れると良いけどな」


うーんと悩む、ノア。

俺はその隙に携帯を取り上げようと思ったが、躱された。

それを見てから皆穂は俺を見る。


「数人さんが学校に来るの.....2学年?」


「2学年という事じゃねーか?でも留年ギリギリだけど」


「ふーん。じゃあちょうど良いや。お兄ちゃんの監視を頼もうかな」


「止めてくれ。今ですらもうヤバイのに。相当な監視の目だ」


つうか.....何でこんな事に?

アイツもヤンデレなの?数人って。

これ以上監視の目が広がったら恐ろしいわ。


思いつつ、スマホを取ろうとする。

のだが、目の前によろめいてしまった。

そしてノアに.....


「え?」


「うわ!?」


ノアを押し倒す形になった。

俺は目の前にノアの顔が.....有る状態にな.....

真っ赤に赤面していく、ノア。


何故真っ赤かって言われたら.....腕出しの服の為。

腋が見える。

そして.....衝撃で少しだけはみ出していた。

胸の横が、だ。


「の、ノア.....これは不慮の事故.....」


「.....お兄ちゃん?」


「は!」


純白な笑顔だが。

死にたいの?と仰る皆穂を見つつ。

俺は.....汗をダラダラ流す。

そして目の前のノアにぶん殴られた。

って、え!?ノアから!?

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