第16話 .....混浴.....?

さて、その後がどうなったかと言うと。

俺達は憂鬱な時間を忘れようと必死にもがき。

そして風呂に入って、食事をして。

夜、寝て居た。


結論から言って、二部屋有ったが三人で一部屋で過ごそうという事になった。

争っても仕方が無いとノアの提案で。

今の時刻は22時を過ぎた頃。

俺は布団の中で天井を見上げていた。


『ど、どうして貴方が.....』


「.....」


正直言って衝撃過ぎて頭が追い付かない。

何故この場所で皆穂の母親と再会した。

意味が分からないんだが。

神様は何を考えている。

思っていると、皆穂の声がした。


「お兄ちゃん。起きてる?」


「.....ああ」


グスッと声がした。

泣いているのかどうなのか分からないが。

俺は.....それを尻目にまた天井を見た。


「.....今日はゴメンなさい。ゲーセンなんかに行かなければこんな目に遭わなかったのに」


「.....お前のせいじゃ無い」


「.....でも余計な事を言わなかったら良かったね」


「.....正直に言って予想外だ。でも.....お前のせいじゃ無いんだ。気にすんな」


皆穂は向こうを向いたまま。

涙を流している様な感じで鼻を鳴らす。

俺は.....それを見ながら、天井の板の隙間を見たりした。


「.....お母さんからは散々、ストレスで虐待を受けた.....。ボコボコにされたから.....感情が歪んだ気がするの」


「.....」


「.....だから会いたく無いって思っていたのに.....お兄ちゃんが居るのに.....こんな事を思っちゃいけないのに.....それでも.....それでも.....お母さんに会いたくなった感情が湧き出て来た.....馬鹿野郎だよね.....最低だよね.....御免なさい......御免なさい.....!」


「.....皆穂」


俺は話を切った。

何.....?と聞いてくる皆穂。

そして、皆穂の顔を見つめる。


「.....親に会いたいのは当たり前だ。子として当然だと思う」


「.....でも私の場合は.....」


「押し殺すなよ。その気持ちは。それは.....別だ」



皆穂は驚愕してこっちを見て来た。

そう。

それと俺が京子を恨むのは別だ。

両親から受ける愛と恨みは全く正反対だから、だ。

俺は.....もう受けれないけど。


「皆穂。会いたい気持ちを抑えるな」


「.....ねぇ」


「.....何だ?」


「お兄ちゃんはどうしてそんなに.....優しいの.....こんな私に.....」


義妹だから。

そう、俺は答えた。

率直にそう思っているから。


お前は何も悪く無いんだ。

俺は.....皆穂を恨んだりはしない。


「.....皆穂。もしかしたらこの出会いはこの為に有ったのかも知れない」


「.....え?」


「お前は母の日に京子さんに何かをカーネーションでも良い。贈るんだ。きっと喜ぶだろ」


「.....」


皆穂は.....号泣していた。

滅多に見られない様子だった。

枕が濡れていく。

これで良いんだ、きっと。


「お兄ちゃん」


「.....何だ?」


「私、お兄ちゃんのお父さんのお墓に行きたい」


「.....え?」


俺はビックリしながら皆穂を見る。

私は.....行かなきゃいけない気がする。

そう皆穂は俺に真剣な顔を向けて来た。

そして.....決意の言葉を述べる。


「.....吉のお父さんに会って、話したい」


「.....優しいな。お前」


「.....え?お兄ちゃん。当たり前の事をしているだけだから優しさなんて関係無いよ」


そうかな.....。

俺は思いながら、外を見た。

満月が登っている。

俺はそれを確認して、皆穂を見た。


「じゃあ、俺の親父の墓に来てくれ」


「うん。絶対に行くからね」


「.....頼む」


なんて言うか。

こんな事。


もしかしたら親父が喜ばないかも知れない。

でも.....皆穂の決意は応援したい。

俺はその様に思う。


「.....じゃあ、寝ようか」


「寝る。ちょっと眠くなっちゃった」


「.....おやすみ」


そして俺達はその日は眠った。

それから翌日の事。

何か重さを感じて俺は起きた。



「み、皆穂!?」


「スースー」


朝、って、何だコレは?

何故、皆穂が俺に乗っかっている!

幸いノアは起きてないけど最悪だろコレ!?

浴衣がズレて、む、胸が見える。

そんな趣味は無いけど!ヤバイ.....!


「み、皆穂.....!」


「スースー.....ん」


皆穂が谷間をさらけ出しながら。

俺にキスを迫って来た。

寝ぼけてんのか起きてんのかどっちだコイツ!?

アカンぞコレ?!


「.....グゥ!!」


こんな状態でキスなんて有り得ない。

俺はそう思いながら、必死にもがいた。

そして何とか抜け出す。


「ハァハァ......!」


「スースー」


「全くコイツと来たら.....」


盛大に溜息を吐く。

俺はその様に思いながら、窓のカーテンを開けた。

そして日差しを浴びる。

良い天気だな、と思った。


「.....気持ち良いし朝風呂にでも行くか」


そう、伸びをしながら思った。

コイツらは恐らく暫くは寝ているだろう。

俺は思いながら朝風呂の準備をして。

そしてスキップ混じりな感じでさっさと大浴場まで行った。



二回目だが、本当に良い浴場だ。

何故かって言われたら天然の岩石で造られた場所が沢山有る。

今日は客も居なさそうだから個室風呂を借りた。

昨日は客が多かったから借りれなかったけど。


「.....フィー」


借りる、コレも良いな。

いやはや、気持ちがエエ。


何でかって言われたら、硫黄がマジに体に効いているから。

外の景色もエエ、素晴らしい露天風呂だ。

俺は外を見ながら、そう思う。

そしてマッタリしていると。


ガラッ


「.....いやぁ.....バカンス.....え?」


「お背中お流ししましょうか.....!」


何故か、皆穂が素っ裸.....ファァ!!!!?

何だコイツ!何やってんだコイツ!

何で皆穂が!?


「露天風呂を貸し切り.....良かったね。お兄ちゃん。私が胸で背中を洗ってあげる.....!」


「お、お、お前!?何でこの場所を知ってんだ!個室だぞココは!」


「.....フッフッフ.....私に秘密は通じないよ?お兄ちゃん」


レイプ目。

それから、真っ赤の真っ赤を通り越した真っ赤で。

俺を見てくる、皆穂。

皆穂のアソコの毛も丸見えの状態で仁王立ち。

いかんわ!これ!


「あ、上がるぞ!俺は!マズいだろ!」


「待ちなさい。逃さない」


「助けてぇ!?」


こうして。

皆穂によって。

旅行の最後にとんでもない事が巻き起ころうとしていた。

た、助けてぇ!

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