第11話 私も転学する!
それから何が有ったかと言うと。
簡単に言えば、俺達は3人で買い物をしたりした。
なんと言うか久々の3人での行動となる。
そして.....俺がパフェとか奢ったり。
何で俺が奢る事になるのやらと思いながらも。
まあ、今の現状況を踏まえたらこれでも良いかと思った。
それから楽しい時間を過ごして.....ノアと一緒に電車に乗っている。
横に腰掛けている皆穂は寝てしまった。
どうやら相当に疲れていた様だ。
その様子をノアが見つつ笑みを浮かべる。
ニコニコしていた。
「.....ふふ。やっぱり皆穂ちゃん可愛い」
「.....そうだな」
「.....ね。吉くん」
「.....何だ?」
ノアが呟く様に吉くんと言ってから。
私ね.....皆穂ちゃんに会うのが本当に.....無理かと思ったの、とノアは言った。
そして目に涙を浮かべてハンカチでグシッとする。
次の瞬間、震えながら泣き出した。
「.....皆.....穂ちゃんが.....私を嫌悪したから.....やっぱりもう.....元の関係は.....駄目だって.....思った.....から.....嬉しかったの.....」
「.....」
「.....皆穂ちゃんが傷付いている姿を見ながら.....何も出来なかった自分が悔しくて.....!止められなかった自分が悔しくて.....仕方が無かった.....!だから精一杯謝ろうって.....そしたら偶然に今日、会えて.....謝れたから.....!」
「.....そうだな.....」
俺は複雑な顔をしながら横の皆穂を見た。
皆穂は寝ているが.....何か.....起きている様にも見える。
気の所為だろう.....が。
と、そんな感じでいる中でノアは号泣し始めた。
嗚咽を漏らす。
「.....ごめんね.....私.....皆穂ちゃんを.....大切な幼馴染を傷付けた.....から!」
「ノア」
「.....な、何?.....吉くん.....」
「.....お前と皆穂が何が有ったか詳しくは分からないんだ。俺はその時、お前らに関わって無かったから。だけど.....皆穂は今もずっとだけどきっとお前と仲良くしかったんだと思う。それは事実。だからな、皆穂を救おうという気持ち、その反省を持っていれば.....皆穂は.....お前をまた親友、幼馴染として見てくれる筈だと思うから」
そうかな、そうだと良いな。
涙を拭いながらも更に泣く、ノア。
俺はそれを見ながらニコッとして外の景色を見た。
今日も日が沈むなと思いながら。
また明日が始まる。
頑張ろうな、皆穂。
とそうも思える。
そうしていると電車は俺達の街の駅に着いた。
☆
「で、お兄ちゃん。エロ本は私に断って買ったの?ねぇ?何で?」
「.....」
なんと言うか.....凄まじい威圧だな。
翌日というか次の週の火曜日。
勉強していると突然部屋が開いてそんな事になっていた。
俺は.....エロ本をこっそり買ってきた筈なのだが.....バレたのか。
一体、何でだ.....?
俺は冷や汗をかきながら、皆穂に向く。
「皆穂あのな、落ち着け。とりあえ.....ず?」
「.....私は悲しいよ。お兄ちゃん。こんなオバサンでシ○るなんて.....」
「.....み、皆穂さん?目が死んでます。そしてとんでも無い事を言ってるんですが.....」
「.....関係無いよ。お兄ちゃん。ホルマリン漬けにされたいの?ねぇ」
じょ、冗談ですよね?
何か.....全く冗談に聞こえないのだが?
俺は慌てて青ざめながら俯いたままで居る。
すると、電話が掛かってきた。
プルルルル!
助かったと思いながら縋り付く。
そして電話を掛けるそぶりを見せた。
皆穂はムッとする。
「すまん!皆穂!電話だ.....!」
「お兄ちゃん?そんな事はどうでも良いんだけど.....今は.....」
「でもノアだ!」
「.....逃げたね.....」
逃げるとかそんなんじゃ無い。
電話主はノアじゃねーか!
ん?.....ってかノア?
一体、どうしたんだと思いながら俺は電話に出る。
何れにせよマジに助かったと思いつつ。
「も、もしもし?ノア?」
『あ、もしもし!吉くん!?この前は有難うね.....本当に。.....あ、でね!今日電話したのは.....すっごい、とってもとっても嬉しいお知らせが有ったからなの!』
「.....嬉しいお知らせ?」
『私、吉くんの学校と同じ学校に転学する事になったの!』
ふーむ.....あ、マジか?と思いながら。
え?と見開いた。
そして、そう思っていると横で.....皆穂が盗み聞きをしていたのか。
何か縄を取り出した.....え?!
ヒェ!?
「み、皆穂!?落ち着けぇ!」
「うん、で?ノアはなんて?」
「て、転学だ!俺の学校に来るそう.....あ.....」
何でだ俺!
しまった.....つい口が滑ってしまった!
俺は青ざめながら皆穂を見つめる。
皆穂は更に深刻な顔になっていった。
「.....お兄ちゃん?ノアとベタベタするつもり?どういう事?」
『ど、どうしたの?吉くん!?』
「.....ノア.....ちょ、すまん。今ちょっと忙しい。マジに」
『え?そうなの?』
縄で何をする気だコイツ。
今にも締めそうな勢いの皆穂に俺は圧倒されていると、皆穂は動きを少しだけ止めて、決めた、と呟いた。
そして俺に優しげに微笑む。
え.....え?
「.....分かった。そんな事になったのなら私もお兄ちゃんの学校に転学する」
「.....は?」
俺は言われて暫し考えて数十秒。
ちょ、ちょ、ちょっと!?
今なんつったコイツ!?
俺は驚愕して見開く。
転学!?皆穂に合っている筈の成績優秀なお嬢様学校から、か!?
そんな馬鹿な!
気が付くとスマホを奪い取られていた。
そしてノアに宣言する様に話す。
「ノア。アンタに吉は渡さない」
『.....え?どういう事?』
「私もお兄ちゃんと同じ学校に転学する」
『.....ふえ!?』
変な声が聞こえた。
一応にノアはお嬢様学校の事を知っているのだ。
だから相当に衝撃なのだろうな。
俺だって衝撃なんだが.....!?
そう思いながら皆穂を見つめる。
「.....皆穂?お前、将来が熱望されているんだぞ!?何やってんだ!」
「私はお兄ちゃんが好きだから。それだけだから学歴なんてどうでも良い」
「良くねえよ!何を言ってんだ!」
ヤバイ、目がマジだ!
止めないといけない!!!
俺はその様に思って行動をしようと思ったのだが。
素早く俺のスマホを預け皆穂はさっさと階段を駆け下りて行った。
「ノア!すまん!皆穂を止める!」
『い、良いよ!分かった!』
「.....全く!何を考えてんだあのアホ!」
俺は直ぐに追い掛ける。
しかし、皆穂の意思は固く。
固い意志で全てが進んで行ってしまい.....。
結局、美少女二名が俺の学校にやって来る事になってしまった。
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