森とオーガ
「こほん、では」
ひとしきりガス抜きが終わったのか、シオンが手を出してくる。
「なんだい? この手は」
「え? 視界、悪くないです?」
「ああ」
ベールはデメリットとして視界が悪くなる効果がついている。
目隠しとまではいかないだろうが、相当邪魔くさい。
その分、ダメージを出す魔法使いなのにヘイト分散効果が高いという大きなメリットもあるわけだが。それでまともに歩けないのでは本末転倒といえるほどに、欠陥装備といえる。
「もしかして、このベールはボクの手を引きたかったから作ったのかい?」
「……そんなことはないですよ?」
『策士』
『そのためにトンデモ装備つくるとは』
『欲望に忠実すぎる』
『グッジョブ』
『性欲に正直すぎるのでは』
「うるさいですよ。コメントしている方のアカウント名見えてますからね」
『『『ヒェ』』』
ちなみに配信コメントはパーティー面子にも見えている。
かわいい娘に名前を覚えてもらって、良かったね?
「残念。その弱点はこの前、解決したんだな」
「なっ!?」
『目隠しプレイ捗る』
『ルイくんはエッチ』
『あんよが上手』
「コメントの反応が謎すぎる」
めげないねキミたち?
この程度、<魔力視>を併用すれば歩くのは問題ない。
街中でもまあ、魔力がある場所と無い場所を識別するようにすれば特に大丈夫。<魔力察知>を使えば言わずもがな。
その分、演算能力ががっつり奪われて、魔法やスキル行使に支障が出るが、非戦闘時なのでこれまた思考系スキルの経験値として美味しいだろう。
戦闘時だと、敵に集中すればいいだけなので、むしろ歩くよりも負荷が少ない。
ボクにとっては、そういう意味で、非常に良い装備だと思える。
「うん、スキル経験値も美味しいっぽいし、いい装備、ありがとうと言っておくよ」
「はう……ありがとうございます」
しぶしぶシオンが手を引っ込める。
「というわけで出発」
はいはい、さっさと持ち場につきましょうねぇ。
今日はいつものように、手をつないで歩くという訳にはいかない。
生産組がいるので、彼らを目的地まで連れて行く必要があるのだ。
ぞろぞろと連れ立って、街を出て行く。
結構な人数がついてくるが、暇人だね?
ま、無視だね。
草原の時点で軽くフォーメーションの確認を行っていく。
「――ウヅキ遊撃、モミジ、シオン、生産組、ボクが鉄板かな」
「ん」
結果、それぞれのパフォーマンスを考えるとこれが鉄板だろう、という形に落ち着いた。
ウヅキとオオカミちゃんが走りだし、一足先へと森へ。今後は一定の距離を保ち敵を間引いてくれるだろう。
ウヅキが適当に誘い出した敵を狩りつつ、装備を試しながらボスまで二時間のお散歩である。
「ヒュゥ!」
「流石僕の装備だ」
『はやっ』
『どんだけ走行系とか移動系のスキルレベルを上げているのか』
『多分もらった装備』
コメント、生産組共々あっという間に視界から消えるウヅキに驚いている様子。
ボクは【デバッグ】を詠唱。
次に、ウヅキに予め設定してもらっていた子カメラ映像を配信画面へ小さく表示。
子カメラは公式公認の配信者かつ、有料機能だ。今のような状況で使えるものとなっている。一般で利用できないのは、これを使うとゲーム攻略自体に使えちゃうからだね。
悪用しない、とある程度保証されていないと使えないわけだ。
【デバッグ】の数字やクールダウン表示などを配信画面に上乗せ表示させていく。さらに演算能力が持っていかれる。
『見やすい』
『丁寧な仕事乙』
『そのウィンドウ何? 魔法?』
『ジェットコースター並の速度出てて笑う』
「俺も気になってたな。そのウィンドウなんだ?」
ドッさんが自分のウィンドウで見ていた配信画面から顔を離し、後ろを向いてボクの【デバッグ】のウィンドウを観察する。ボクはそれを公開設定にして、ドッさんとカメラに見せる。
「【デバッグ】っていう魔法だよ。取得条件は不明だね。パーティー面子のステータスやアーツ、他には敵の状態とか、諸々見れてカスタマイズもできるよ。指示なんかも出せる。便利だけれど、MP最大値が削れるのと演算能力が結構持ってかれるかな。魔法だと詠唱速度に結構、差が出る感じ」
「ほーん。指示出しする奴には欲しい魔法だろうな」
「どうかな? 普通だと【デバッグ】使うだけで戦闘ではほとんど役立たずになるだろうね」
「そんなにかよ」
「実際、ボクの魔法戦闘能力は、今の時点で通常時から半減って感じだね」
「うっへぇ」
「ボク自身は【デバッグ】を評価しているけれど、人によりけりだね」
他の生産職面子も興味深そうに数字が羅列されたウィンドウを見る。
はいはい先へ進みましょうね。
『ルイくんの専用魔法?』
『取得条件何?』
『使えるのか使えないのか全然わからん』
「他人の魔法やアーツのクールダウンが見れるのは便利かな? 取得条件はよくわかってないよ。ボクたちはちょっと特殊な状況でゲームを始めたから、基本スキルゼロ、特殊スキル1個の状況からゲームを始めたんだ。この魔法はそれだね」
ボクは<悪食>を例に出して説明する。反応としては賛否両論という感じ。優遇されていると思う人が一定数はいるみたいだね。
「まあ、言いたい事はわかるけれど、ボクたちはテスターみたいな扱いで、<悪食>とか普通に戦ってるだけで一時間くらいで死ぬからね。あれ、運動量で満腹度下がるから。モミジ、適当に素振りしてみて、本気で」
「おう? こうか?」
パーティーチャット経由で呼びかけると、列の前のほうでブォン、と音が鳴った。ここまで聞こえてくる素振り is 何。デバッグ画面を見ると、モミジのゲージの1つがかくんと下がる。
「今の素振りで3%くらい満腹度下がったね」
『燃費悪すぎて笑う』
『だから対戦の時、戦いながら飯くってんのか』
『wwwww』
「満腹度50%以下でステータス半減、満腹度0で即死だっけな? 別にモミジだけの能力でもないし、数日間、満腹度無視して土とか石とか食べてたら多分だれでも獲得できるよ。あ、多分、ゲーム内で6時間以上寝ると死ぬね。ちなみにモミジは一日の半分くらい土食ってるよ」
『俺には無理だ』
『ファーwwwwww』
『デメリットやばすぎる』
『苦行して得る能力がそれか。俺は割に合わないと思うぜ……』
『修行僧?』
「ボクの【デバッグ】だって、魔法戦闘能力が下がるし、ウヅキだって少しミスると動くだけでダメージだからね。シオンのは魔法だけど、使ってる間、他の事ほとんど何も出来ないとか言ってたかな?」
ボクたちの能力はそれぞれ結構なデメリットを持っている。それをある程度使えるようになるまで、結構色々と回り道もしていたのだ。その足止めを必要経費と割り切るかどうかだろう。
「ボクのは多分、光系統の魔法と、頭を使う系スキルを上げたら覚えられると考えてる。使用していると、それらに微妙に経験値が入ってるし。欲しい人は頑張ったら取れるよ。多分、このゲームはスキル的な意味で、その人だけのユニークスキルなんて無いんじゃないかな? あ、そういえばボクたちのスキルは、何かの上位スキルらしくて、スキル発動をオフにできなかったよ」
ゲーム開始当初は知らなかったが、スキル画面を弄ってるとボクの<デバッグ>はオフにできなかった。
「ウヅキとかは最初攻撃一回で腕を壊してたから、普通だとゲーム進行不可能になるんじゃないかなあ」
『そんな話もあったな』
『強制ハードモードとか……』
『圧倒的な強スキルではないと理解した』
とまあ、そんな事をおしゃべりしながら、ついに森へと入る。
ボスエリアまでは道ができていて別れることもないので、迷う心配はない。
早速、<魔力視>で遠くにウルフが見えたのでサクッと火玉。
一撃ですな。
うん、良好。
『お見事』
『一撃は笑う』
『魔法使いの最初の天敵なのに』
『近接職最初の関門でもあるぞ』
「まあ、装備が強いってことで」
前の方ではモミジのブーメランが飛んでいる所が見えたりするので、それぞれ武器を確かめているのだろう。
『鮮血姫が一瞬地面に近づくと敵が死んでる』
『何しているのかわからなさすぎて笑う』
『ずっと走り続けてるのにスタミナ維持されてるのほんと草』
「多分糸ですれ違いざまに首ちょんぱしてるんだと思うよ」
『遊んでるゲームが違う』
『もうあいつ一人でいいんじゃないかな』
『オオカミちゃんと走るの楽しそう』
「どうだろうね? 立ち止まると攻撃力が半減以下になるって聞いてるし。範囲系魔法とかスタンとか、弱点自体は多いって本人いってたよ」
『wwwww』
『ピーキーすぎでは』
『どこのスピード狂だ?』
『ニンジャプレイの人が似たような事言ってたが、スピードが早すぎてとても制御できないって言ってたわ。実際画面見てると酔うし俺は無理。ウヅキちゃんのリアルスペックやばすぎ』
「まあそれには同意だね。ボクも無理だね」
ウヅキの視界を少し大きくしつつ、画面酔注意のテロップを出しておく。
◇
そんなハイキングも終わり、さくっとボス戦へ。
生産組はお弁当を食べつつ観戦である。ちなみに、このお弁当はモミジお手製でもある。中々おいしい、ステーキ弁当である。
このゲーム、ファンタジーな世界感だがスパイスやお米、醤油などは普通に手に入る。
日本人としては嬉しいね、と話したら、日本人が遊ぶVRゲームには、ほぼこれらの品目はデフォルトで初期入手可能らしい。要望トップNo1だとか。
ゲーム内で米や醤油が味わえるかどうかがゲーム購入基準にすら入っていると言うのだから、日本人の食への欲求の高さが伺える。
あのゲームは米が食えないから止めた、とかコメントが実際に多数流れてきて苦笑いを禁じ得ない。
あとは品種改良や質の高さを求めるなら、今のところゲームを進めていく必要があるらしい。改良用の稲とか技術が手に入らないとか。単純な入手は容易でも改良は大変、と。
ボスエリア付近はプライベート設定ではるが、一緒に連れてきた生産組はレイドパーティー設定されているので問題なく入れている。
互いに意識していれば自動で認識して一緒に入れるらしいが、事故が怖いので念のためレイド設定している。
ともあれこれで、後ろからついてきた人たちとはおさらば。
しばらく配信画面を見ておいてくれたまえ。
じゃあさくっと戦闘体験してみましょうかね。
エリアに入ろうとすると自然と足が止まり、ウィンドウが出る。
ボスの難易度設定だ。
「イージー」と。
エリアに侵入できたので、辺りを観察しつつ侵入する。
結構大きな広場で、障害物などはない。
今まで歩いてきた道はそのまま向こうまで伸びており、その途中、森から巨体が現れる。
真っ赤な体に小さな角が2つ。鉄製の棍棒を持って獣の皮を服にしている。あれが「オーガ」か。
【デバッグ】を再詠唱。省力モードにして、見れるステータスを最小限に設定。子カメラ設定も外して、カメラを自由に泳がせる。これで良きに計らってしてくれるはずだ。
今後の運搬も考え、オオカミちゃんを送還してもらい、各々も準備完了である。
「じゃあ、まあ、それぞれ色々試しながら適当にってことで」
「ん」
「おう」
「はい」
オーガが戦闘エリアに入ってきてHPバーが見えたところで、【火・火・矢・矢・飛】、ついでに<魔力操作>で限界まで魔力を込めてぶっぱなす。
巨大な針状の矢がオーガへと、まあまあな速度で激突。
単純な攻撃力換算だと【火・矢・飛】の方がダメージ大きいのだが、一度に与えられるダメージ量が単純計算で1.5倍くらいになる。
効率を取るかダメージを取るかだね。
単純なダメージ効率を考えると2回別に詠唱した方が良いんだけれど、状況は刻々動くもの。所見の相手ならばなおさら。
で、あれば、チャンスは最大限に生かすべきだよね。
「があぁぁあ!」
『えっぐ』
『詠唱はや!』
『俺もルーン練習しようかなあ』
『MP消費えげつない』
『つか最初に攻撃していいの?』
ぐんっとオーガのHPが減る。
ルーン強化と魔法攻撃力ましましで、すさまじい威力だ。
ボクはそのまま、杖を持ったまま待機。<瞑想>が発動してエフェクトをまとう。【ヒール】用の余力を確保しておく。
オーガはボクを睨みつけて走り出そうとする。が、ウヅキが側面、完全な死角から襲いかかる。
「こっちを見ろぉ!」
<挑発>ついでに空中からの落下速度でもって斬りつける。
短剣がオーガの目を捉えた。
ウヅキはオーガの頭を足蹴にして飛び去りつつ、弓をすさまじい速度で連射する。たちまち針坊主になるオーガ。
短剣での近距離攻撃と、離脱時間の無駄を無くすための、短・中距離用にカスタマイズされた弓による恐ろしい一人連携攻撃だ。
オーガは一度に様々な事が起こりすぎて、完全に混乱している。
「[毒]になった」
「状態異常耐性低いのかな?」
側へ降りたウヅキが短剣をひらひらとボクに見せる。
右手には白い怨輪武器だが、左手には溝が掘られ、液体滴る短剣が握られている。毒を流し込む専用の武器なのだろう。
えげつない。
「ハードを攻略するうえで、色々情報をみたいから、一通り戦法を試してみて」
「わかった」
「まあ、俺はいつもやることは変わらんが」
離脱したウヅキに変わり、モミジがオーガに組み付いている。身長は2倍ほど違うが、その足元を軽いフットワークで攻撃を避け、そらし、さらには迫った棍棒の根本、オーガの指一本を的確に狙っていく。
「<悪食>は使えるが、あまり意味はないな」
モミジが噛みつくそぶりを見せるが、オーガの体が欠損する様子はない。ただモミジの満腹度を回復させるだけなようだ。
それもかなり効率悪いレートで。
『流石に躊躇なく見た目ごついおっさんのスネはかじりたくない』
『絵的にひどい』
『やばい』
『BAN待ったなし』
『慰謝料請求したい』
「毛が歯に絡みつく気がするな。味は悪くない。はははは」
『最悪のコメント』
『一番言っちゃいけないやつ』
『失望した』
『筋肉ゴーホーム』
『待って、部位によってはダメージがあるのでは? つまり股かn』
「なるほど?」
「やめて」
『ふぁーwwwwww』
『流石にヤバイですよそれは!!!』
『神回すぎる』
『マイリス抜けます』
変な知恵つけさせるの本当にやめて。
「そんな事言って対戦で皆の股間狙うようになったらどうするのさ」
『やばい』
『やめて』
『それウチの島じゃ反則負けdかr』
『アーッ!!! wwwww』
『わりとマジでやめて下さいお願いします。なんd』
『ん?』
『ん?』
『今』
なんてコントをしつつ、観察は続ける。モミジにしても、バカ言いつつしっかりと攻撃のタイミングを判断してる。
オーガの攻撃は非常に単調だ。
全体的に大ぶり。その分ダメージはでかくて、モミジも受け流しきれない。
ある程度HPが削れるが、致命的でもない、という感じ。
弱点は火。状態異常耐性はそこまででもない。
「攻撃する一瞬前に、口を半開きにするかな?」
「大技をする前に右足が下がるね」
「両腕を少し開くとジャンプからのストンプで範囲スタン」
「スタンは空中にいると効果ない」
「大ぶり直前に【部位傀儡】が一瞬だけ入るわ」
「顔が全体的に弱点だな。目を潰しても一定時間で復活」
「風圧にダメージ判定」
「<挑発>の掛け合いでシーソーできる」
「スタン効かない」
「ストンプは2分ごと」
それぞれで観察しながら、メモを箇条書きで更新していく。ハードでどこまで行動が変わるかわからないが、完全に違うという事もないはずだ。
『すさまじい勢いで丸裸にされていってて笑う』
『勉強になる』
ボクはとりあえず、定期的に発動するストンプにあわせて【光・玉・指定・維持】で【ライト】というよりも光玉を出してタイマー代わりにする。
【拡散】を混ぜると周りを照らす光だが、こうするとそこまで目にうるさくもない。【指定】がついているのは、その場に放置するためだ。さすがに玉がついてきたら邪魔くさい。
魔力量を調整して、弱くなる光量を見てオーガの技を発動するタイミングをわかりやすくしているのだ。
『【ライト】有効活用してるの始めてみた』
『真似しよう』
『きちんと時間通り維持するように、MP量計算してるのやばない?』
「ふふん、褒めてくれてもいいんだよ」
こういう地味な事には自信がある。
魔法は火力だけの職ではないのだよ。
『【ライト】で威張るのかわいい』
『えらい』
『かわいい』
『よしよし』
やあ、正直その反応は不本意だね。
まあ、今回、魔法はそこまで出番は無いけれども。
◇
最終的に、特筆することもなく、オーガ戦は終了した。強いて言うなら、HP1割を切ったオーガが暴れだし、その状態を10分程度、のんびり観察していた程度か。
発狂モードと言うらしい。言い得て妙だ。
評価としては、大技類を使わなくなって、ただ攻撃速度と威力が増しただけ、という感じ。ボクたちからしたら、大技連発の方が嫌なので、発狂モードは攻撃がさらに通る分、弱体化扱いだ。
大変よろしい。
――『セカンディア』へと通行可能になりました。
「それじゃあシオンが抜けて、ボク、ウヅキ、モミジの3人。残り3枠に生産職入れていくって感じで。しばらくは連戦だね」
「了解」
特に問題も無く終了した。次からは遊びもなく、さくさくっと周回できるだろう。一回あたり5分って所?
装備も整っているし、まあ順当かな。
問題は「ハード」でどこまで強化されるのか、かな。
ちなみに、<解体>で得られたのは角とキバ。あとは別枠で全員にボスドロップとして皮や布といったものが手に入った。
「イージー」素材は周回も簡単だから、これら素材は結構出回ってるらしい。そこまで珍しくもないし、価値も高くない。
こちらも「ハード」素材に期待かな。
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