新聞部へようこそ!≪学園編≫
≪初めまして、神遥です≫【SIDE♂】
「おぉ!なかなか似合ってるぞ!」
洗面所から出て来たハルを見て俺は感心すると共に驚いた。女子高生だ!女子高生がいる!
ハルは今や黒いグリーンのブレザーに深紅のリボンタイ、緑と青と白が綺麗に交差したチェックのプリーツスカートに身を包んだ花も恥じらう女子高生だ!白いニーソックスと細い足首が輝いている。
俺は自分の部屋に生身の女子高生がいる事に、不覚にも感激してしまった。どうせならもっとスカート短くして絶対領域を解放すればいいのに。せめて膝くらいは見せようよ。
「うるせえ!ナチュラルにスカートを捲ろうとするのをヤメナイカ!」
ここ数日、ハルがスカートを履いている時は特に理由もなくペラっとしていたもんだから、すっかり対策されてしまっている。ちなみに、理由なきスカート捲りが成功するたびに殴られた。
まったく、中身が男とは言え今は女の子なんだから少しはそれっぽい仕草を身に着けたほうがいいぞ。これから初めての登校なんだから。
●〇●
さて、俺はというと、ハルと時間をズラして家を出て、いつものように昇降口を登りいつものように廊下を歩きいつものように教室の自分の席に着いた。
クラスの連中はあいも変わらず朝からフリーダムな会話をしている。
「昨日のバケモノフレンズ見た!?やっぱドラゴンちゃん尊いよな!」
「オルピス社の新曲神確だよね!?」
「教室が占拠された時に一番活躍するのはP90だろ?」
「いや、MP7だな」
「次の数学小テストあったよね」
「放課後、音合わせようか」
「イヒヒヒヒヒヒヒヒ!」
「ラバーズの逆位置、ムーンの正位置、ワールドの逆位置、ホイールオブフォーチュンの正位置、フールの正位置………。今日、何か、起きるかも…」
「今日もジム行くだろ!?ワハハハハハハ!!俺の上腕二頭筋を見よ!!」
「今日はナポレオンの散歩にいきますのよ」
「熱血!努力!勝利!正義は決して負けないわ!」
「くそ~~~、だり~~~~。パチスロでも行くか」
「そこのラーメンは、言うなら陥没乳首だな」
「また手首切っちゃった…」
「学校は個人的な紛争地帯だね」
「それはテンプラサンセット」
「ちょっとトイレで抜いてくる」
「ヤバくね!?超アゲアゲじゃね!?マジ卍!?」
俺のクラス…、私立
天境学園は私立だが、学力テストさえクリアし、後は面接で内申点や生活態度と関係なく入学できてしまうので、よく言えば自由で寛容な校風、悪く言えば無軌道で出鱈目な校風と言えるだろう。
そんな中でも、うちのクラスメイトはひと際イカれている。
なのでひとまず、クラスメイトを簡単に紹介する必要があるだろう。いや、面白い連中だから紹介したいってだけだけど。
【1班】(比較的普通の連中が固まっている)
唐島フニコ《からしま ふにこ》 (素朴で質素でかわいい 胸は小さい 黒髪三つ編み。野菜が好きで、校庭にふにこ農場を持っている)
【2班】(少し変わった連中が固まっている)
【3班】(相当変わった連中が固まっている)
菜桐
【4班】(ヤバい連中が固まっている)
長くなったが、こいつらがクラスの面々である。
その他、俺の席がある5班を紹介せねばならないが、そこは後にしようと思う。そいつらは、また俺にとっては特別な4人なのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます