第06話 始動? -04
今日は朝から1眼目の体育まで、あの能天気で何を考えているか分からない宇宙人(山下宮)の暴走により俺は散々な目にあった。おかげで
俺は気絶する状態まで陥った。
でも、保健室にて美しい黒髪乙女の荻野目さん(もう一つの姿に難あり)と対面でき少し甘い時間を過ごせたし、その不幸の反動でか昼休みに葛城さんに無理やり拉致されて、2年生の教室室を見に行くと、先輩は同年代の友達がさっそくできそうである事が確認できた。
体もそんないい場面を見たあまり、元気に溢れて体も全回復した。しかも今日の時間割を掃除中にちらりと確認してみると5.6眼目は全校集会との事だ。思わずニヤリとなってしまい、俺はこの元気な体であまりストレスのないまま初の部活動ができることに大きく喜んだ。
「えっと、以上で集会を終わらせていただきますが何か連絡はあるでしょうか先生方?」
今回の集会は校外の人の話が思った以上に早く終わり、何十分も早く切り上げられそうだ。司会の石田も少し嬉しそうに20人弱いる周りの教員達と全校そう言い放つ。
2、3人の先生の短い連絡があったもの集会は何の進展も変わった様子もなく、ただ早く授業が終わるという結論だけが残し集会は幕を閉じた。
解放感に溢れる生徒達の雑踏の中、持ってきたバックを素早く持って俺は心を弾ませながら部室へ向かった。
「ちは~」
勢いよくドアを開けたが、部室には玉置先生しかいない。
「あれ……茂明か」
玉置先生は見たことあるようでないような金髪で年がいってそうなミュージシャンが写っている音楽雑誌を読んでいた。
俺はそれが誰なのか気になり、先生にふと尋ねた。
「ああ、遠藤さんだけど」
遠藤? 遠藤と聞くと真っ先に俺の中に浮かぶのはお笑い芸人の遠藤正造とマクロスfのシェリルの役の声優である遠藤綾さんである。
男性だから後者の綾さんと言うことはないだろう。正造かというと正造はお笑い芸人だし、森進一の物まねはするが音楽活動はしていないに等しい。
「誰ですそれ?」
「ああ、アバレンじゃーの人だよ遠藤正明……」
名前と歌を言われ、顔を再び見るがまるでピンと来ない。
「ほらほら、ジャムプロジェクトにもいるじゃんか」
説明しても分からない俺に、先生は男性4人と女性1人が黒いロックな衣装に身にまとっているアニソン歌手5人ユニットのページを見せて来て、俺はやっとなんとなく理解した。
「あ、この人…… さだたにさんと影山さんと福山さんは知ってますけどこの人遠藤さんて言うですね~」
「おいおい、ダニーと影山さんを知ってるのは分からなくないが遠藤さん知らなくて何で福山さん知ってんだよ」
俺が一人自己解決しようとすると先生は不満そうにツッコミを入れてきた。
「いや、福山さんマクロス7のバラサラでしょ」
「あ、そういう事……」
先生は俺への疑問に何となく納得し、とりあえずフェイトのネタ派生作品であるCarnival Phantasmのedがいい曲との勧めをいただいたのでそれを聞くことにした。
「あれ、先輩来てないの?」
遠藤トークが一段落つくと、タイミングよく葛城さんが部室に来て先輩が来てない不安を口にする。
「宮崎いつも一番乗りで来てたのなどうしたんだろう……」
先生は首をかしげながらソワソワとして、先輩の行方を気にしている。
「あ、先生でも大丈夫ですよ~」
「フフ、そうねなんせ今日は……ねえ?」
ソワソワと心配する先生とは裏腹に、俺と葛城さん表情豊かに笑い合う。
「何でそんなニコニコしてんだよ…… お前ら……」
笑い合う俺達を先生は困惑した様子で見る。
「いやいや、実は実は」
「ちょっと先輩に……ねえ、フフ」
困惑する先生に、表情を崩さずさらに綺麗で楽しそうな花のエフェクトに周りが囲まれながら俺達は答える。
「いや~それがですね~ 先輩に友達が出来たぽいんですよ~」
「そうなんですよ先輩~」
そのエフェクトにより、俺達は3回転ぐらい楽しそうにホールダンスをするような気持ちで腕を合わせて答えた。
「いや~これも私の作戦のおかげよね」
俺と腕を合わせながら、自分の成果を満足げに語る葛城さん。
作戦といっても、半ば強引に先輩に圧力をかけただけのような気もするが……
でも、その強引な思いと行動が先輩を成長させ、西城さんとやらと仲良くなった訳で何はともあれ結果オーライだろう。
やり方はともかく、先輩に友達が出来た事は俺もとても嬉しい。腕を合わせて気づくと「いつまで腕を合わせてるのよこのもやし」と葛城さんに侮蔑な眼差しでもやしと言われたがそれすら気にならないぐらい俺は嬉しい。そのくらい気持ちが高ぶっていた俺は大いに喜びを歌で表現しようと思った。
「も、もやし……まあいいや
よし、先輩の友達記念を祝ってなんか歌いたくなってきた~ 先生アコースティックあります?て、あれ?」
俺達が喜んでいると、先生は見ていた本をページを開いたまま顔が隠れるような形になってしばらくうつ向いていた。
「せ、先生?」
俺はギターが何処にあるのかもに、先生の様子がどうなってしまったのかも気になって本をそっと退けた。
「そ、そうか…… あいつが……」
先生は胸に手を当ててほっと暖まったように安心した顔して涙を流していた。
それはまるで、初めてのお泊まり会の子供の帰りを頑張ったと受け止める母親のようで先輩の成長を心身に感じているのだろう。
「宮崎……」
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