第02話 祝 女子と帰れた記念日-02

翌朝、親が旅行から帰ってきたので俺が父と母に部活に入ったので遅くなると告げると二人はその出来事の嬉しさのあまりか玄関まで付いて来た。


「気を付けて行きなさいよ茂明!」

「うう、お父さんは嬉しいよ......茂明くん」


二人は高校生活に何一つなじめていない俺が部活に入ったのを心から喜んで泣き出す始末である。

こんな出迎いは初めての幼稚園以来だろう……


「い、行ってきます……」


俺は相棒の自転車を引いて、二人の反応のも若干引きつつ、苦笑いな笑顔で家を出った。


学校までいつもと同じように教室に着くと、周りは相も変わらず色んな話題であふれ普段と何も変わらない時間が流れている。俺も普段と変わらず自席について最近流行っているアニメの小説の続きを読み進めた。


「で、だアインシュタインの相対性理論は……」

(キンコーン、カン、コーン)


区切れの悪い所で授業が終わり、あと一限で昼飯の時間だ。周りの人たちはじんどいの、だるいだの、怠惰な言葉が飛びかってみんな授業の疲れを現にした顔をしている。

勿論、俺も例外ではない。俺はアニメの小説を読んでなるべく怠惰にならないようにする。


「いや~、マジでホント疲れるわ」

「中学より勉強むずいしね」

「そう、私は全然余裕ですわ」


女子の声というものはなぜこうもうるさいものだろうか、イヤホンで歌の音量を上げても声が聞こえてくる。いつもこの一番耳障りな雑音には悩まされているものだ。


「いや~疲れたわね柚菜さん……」

「うん」

「いやー、マジあの親父の生物キツイわ」

「うん」

「説明が長すぎてまったく要点が入ってかないたらありゃしませんわ」

「うん」

「おい、柚奈どうした?そんなに疲れてるのか」


俺は不意にうるささに呆れて辺りを見渡すと、顔をうずくめているこの学年一人気の金髪美少女である葛城柚奈を見てしまった。普段は騒がしいやつで学校生活でこいつの声を聞く事はないくらいうるさい。容姿は学年一の人気ともあって確かに美しい。というかちょっとエロい、胸もそこそこ大きく顔立ちはかわいさも残しつつちょっとsぽい感じだ。この容姿を見て異性を意識しない人はいないだろう、彼女に迫られた俺なら即ダウンだ。


「ゆ、柚菜さんしっかりしてください!」

「おい、そろそろ起きないと先生きちまうぞ」


ちなみに周りで心配している二人はいつも連んでいる友達、確かお嬢様口調なやつは日高佳也子、ちょっとヤンキー口調なのは鷹森七瀬である。類は友を呼ぶのであろうか二人も葛城さんに似ていてsっな感じがある。


「う、うんそうね」


二人の急かしに少しは動揺したのかまだ元気になりきれていない顔を上げる学年一の人気金髪少女、その表情をこっそりと見ると普段のうるさく賑やかでワイワイしている彼女は感じられないくらい暗く辛そうな顔をしていた。


「ねえ、柚菜さん本当に大丈夫ですか?」

「お前最近おかしいが今日はやけにひどいぞ」


確か、中間テストが終わった先週の初めて辺りからだろか、その時から彼女は大人しくなりこのように病弱ぽくなっている。


「二人ともごめんね、へへ」


彼女は笑って誤魔化しているが、他人の俺から見ても分かるくらい辛そうな作り笑いだ。


「おーいみんな先生来たよ!」

「やべ、席付こう」


「おっと、もうこんな時間か」

「次は玉置先生の授業でしたわね」


一人男子生徒がそう言うと皆に席に座った。

二人も小走りで自分の席に戻って行った。


「……」(授業始まる前にくる専攻て俺の顧問じゃないか……)


俺はさっと本を1ページを読み終えすぐ机にしまい次の教科の国語の本を出す。


ドアの開く音(ガラガラ)

「……」


ドアが開くと玉置先生が物静かだか鋭い目付きで厳しいオーラ丸出しで入ってきた。

昨日の気乗りのいい先生とはやはり大違いだ。

いつもだがこの先生の授業になると教室にすごく緊迫した空気が流れる。

七瀬さんが近く仲間達と他の授業ではたまにベラベラとしゃべているのだが、この授業だけはピタリと飯事に使う人形のように座ている。


「では始める」

「き、起立う!」(やべ、日直俺じゃねか)


俺は何故か緊張してしまい、声が少し裏返ってしまいその事でクラスで40人中の5、6人程度の小さな笑いが行る。

俺は心の中で半笑いになりながらも何事もないように挨拶を終わらせた。


「く、くく」

「え?」

「お?」


非常に腹立たしいが先生はさっきの事でツボにはまったらしい。でも、生徒に舐められるものかと必死に笑いを鼻でこらえて喉で飲み込もうする。


「で、では……ごほんごほん」


少し耐えた笑い声のになりつつも咳払いして先生はいつも厳しい玉置早苗になり授業を進めようとする。


「奥谷、前の15ページの5行目から読んでくれ」

「は、はい……」


心の半笑いの疲れがあられた声で答え、またついてないなと心の中で半笑いになっていつもの国語の授業が始まる。


(キンコーン、カンコーン)

「よしじゃあ教室はここまで」

「き、起立……」


俺は少しため息が出しつつ挨拶をしてこの授業を終わらせた。


「やっと終わった!」

「よし飯だ!飯!飯!」


うるさい男どもが集まりジェット機の如く教室から出ていく。


「日高さん、今日は僕と大人のランチタイムを……」


地味に気取った成金ナルシイケメン加山祐太郎がまた日高さんを昼飯に腕を返して成金イケメンシチュエーションで誘っている。


「悪いけど祐太郎君……私たち柚菜さん達と食べますから」

「ガーン」


日高さんは苦笑いで怒りの形相を表しつつ、祐太郎を払いのけ、成金イケメンシチュエーションの色鮮やかな花の背景が一気に暗くなりガラスが割れる背景に変わってそのまま成金イケメンは崩れ落ちった。


「おい柚菜飯の時間だて、マジか……」

「あ、あら……柚菜さん」


俺はいつもの恒例の義を見終わるついでに日高さんを目で追うと、日高さんは美少女の美しく可愛らしい子供ぽい寝顔にうっとりとしていた。


「ぽっ」

「ぐう……」

「いや、参ったなこりゃ」


ぽっとなる日高さんをよそに鷹森さんは首をかしげていた。

にしても、こんなエロ……色気がある感じの人でも寝顔はこんな子供ぽくなるものだなと俺は遠くから一人感心する。


「こ、これは永久保存ですわ!」

(カシャカシャカシャカシャ……)

「こら、連写すな!」

「がっ」


鷹森さんは日高さんの好意的すぎる行為に拳骨を入れてそれを止めさせた。


「うう、七瀬さんの意地悪……」


日高さんは涙目を装い何でも許してくれそうな可愛いグリム童話のような瞳をしながら鷹森さんを見つめる。


「佳也子……お前それは盗撮だそれは一人の逹として見逃せない今すぐ消せ」


そんな瞳に容赦ないヤンキーオーラで睨めつけて葛城さんの画像を全力で消させた。


「ひ、ひ!七瀬さん怖いですわ……」


今度は本当に涙目になる日高さんである。


「サヨナラ、天使の寝顔……」


そして、日高さんは涙ながら葛城さんの天使の寝顔をスマホから消去した。


「おーい、柚菜っち、七っち、佳也っち!」

「コラコラ、そんなに急ぐと転ぶぞ宮」


涙の消去を終えてすぐ、あと二人の葛城さんの友達である、わんぱくで子供ぽい山下宮と少し背中高くボーイッシュで山下さんの保護者のような存在の吉田千代が入って来た。


「わ、柚菜っち寝てる!」

「そういえば、日高さんは何故泣いてるのですか?」

「それはこいつが柚菜を盗撮してたからちょっとおどしてその写真を消させただけだ」


呆れた素振りで鷹森さんがそう言う。


「え!か、佳也っちいくら柚菜っちが好きでもそれは……」

「見損ないましたよ日高さん……」

「ひ、人聞きが悪いですわよ七瀬さん!私はただ寝顔撮っていただけです」


同じく呆れた素振りをする二人を必死に否定をして誤解を解こうとする日高さん


「なんだいつものことじゃん」

「盗撮ていうからストーカーしてるのかと思ったじゃないですか!」


二人は納得したようだが、個人の許可なしで勝手に撮影をするのは立派な盗撮である。


「そ、それはそうと早く柚菜さんを起こしましょう」


日高さんは事実を突き付けられるも、立て直して3人に指示を出してまとめあげ、さすがは生徒会長と思わせる。


「だ、ダメだぜ全く起きない」


死闘する事数分、葛城さんの体を4人でこねくり回したが一向に目覚める気配がない。


「もう、柚菜っち起きてよ……」(もみもみ)         


山下さんはなかなか起きない葛城さんに対して強攻手段の胸を揉むを使った。


「あ、柚菜さんのお、おっぱい……」


効果結構ありそうだったが、声を少し出した程度終わってしまった。

いや、声を出しただけでなかった日高さんのぽっとなっている声で発せられた単語を聞いてゆっくりと4人の方を確認する。


「ああ、だ、ダメ……」

「か……」


それはなんというかものすごくエロかった、学年一の美少女があんな淫ら…… あんな色気のある顔になって、他にもなんか変な息づかいになちゃって…… 俺はそんな憐れもない姿を見て4人にばれないよう素早く本に目線を戻した。


「宮やり過ぎ!」

「うう、千代痛い……」


さすがにその行為はダメだと思ったのか吉田さんは山下さんに拳骨を入れた。


「ま、全くですわは、犯罪でわよ、犯罪犯罪」

「いや、お前がそれ言うか……」


俺も鷹森さんと同様呆れたように心の中でそう思う。


「あ、そういや……」

「うう、どうしたの千代?」

「どうしたのですか千代さん?」


吉田さんはすごく重要な事を思い出したのだろうか口に手を当てた。


「いや、その私と宮次移動教室なんですよ日高さん七瀬さん……」

「そうじゃん忘れてた!」


山下さんはその事は全く上の空だったのだろう呆気にとられた顔をしてしばらくアワアワした表情になる。


「げ、そういや……」


鷹森さんも何か最悪な事を思い出したのか顔の雲行きが悪くなる。


「やべえ、次の授業の課題やってないわ」


こちらは意外と冷静に反応している。


「は、仕方ないありませんいつもの事ですわ私のを映してください」


鷹森さんの忘れもの癖に呆れながらも優しい表情でノートを貸す生徒会長。


「にしても困りましたね……これじゃあ、私たちが柚菜さんを起こせませんわ」

「それだったら誰かに頼むしかないだろう」


やらねばならぬ事に気づくと一同騒然する。


「うーん、誰か頼めそうな人いるかな……」

「千代と宮、このクラスの人二人以外全く知らないんだよね……」

「困りましたわ、私も七瀬さん以外知ってる人いませんわ……」


三人とも、戸惑いと困惑で話すまでの過程いけない模様。


「そういえば七瀬さんはどうですか?いつもしゃべってる人たちとか」

「いや、そいつらもうどっか行ってる」

「とういうか人半分以上いないじゃん、なんかしゃべりやすそうな人いないし」


しかも陽キャ率多めなこの教室は、残された俺たち陰キャの小さな巣窟となっている。それと山下さんの言葉に反応し、俺は思わず周囲を見渡してしまった。確かにろくなやつがいなそうだ寝ているやつ、アニメ見てるボッチオタク、群れているオタク達。


「な?祐太朗でいいんじゃねえか?」

「誰か知らないけどいいですよ」

「うん、宮もいいよ!」

「……みんなあれを見て賛成できますか」

「え?」



3人が賛成する中、日高さんは群れているオタクの方に指を向け、一同その方向を見る。


「お!今期のこの娘くそ可愛い」

「同感同感、この萌え要素半端ないわ……」「ふん、今期はこのアニメの抱き枕から制覇するとするか、ははあ」


なんと、オタクの群れの中に成金イケメン約して成イケがいたのだ。しかも、堂々と抱き枕制覇という事を高らかに宣言。一体家にいくつアニメの抱き枕あるんだよ……


「祐太朗にと思いましたが、あんな成金アニメオタクに可愛い柚菜さんを起こさせる訳にはいきませんわ!」

「あ、ははあ……確かに」

「あの人はダメですね……」

「同感だ」


一同、成イケに無茶苦茶引いている模様。

俺も成イケに心の底から引ききった所でトイレに行くことにする。


「あ、ねえねえ、そこのもやしく~ん」


席から立ち上がり達彼女達を横切った瞬間、山下さんがこちらを見ていい野菜を見つけた感じで言ってきた。


「え!?」


宮の発言と行動に俺を含めて4人が唖然とする。


「ブ、いや、お前初対面のやつにもやしはないだろうもやしは、はは」


唖然とした後、鷹森さんはすぼに来たのか腹を抱えて笑っている。


「わ!」

「すいません、この娘こういう娘なんです、本当すいません!」


しばくして、山下さんの頭を手で下げながら二人で一緒に謝る吉田さん。


「は、はあ……」


俺は状況が読み込めないふりをしながら、まさかと頭の中で何かを斜に構える。


「宮、まさかこの人に頼むの?」

「うんそうだよ千代!」


斜に構えた刀は見事に振りかざす事となってしまい、俺はまた唖然とした。


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